人類最速を決める「陸上男子100メートル」。
日本勢にとってなかなか越えることができなかった10秒の壁。
しかし近年、その壁を打ち破り、
9秒台を記録する選手が立て続けに現れた。
2017年9月、桐生祥秀が9秒98をマーク。
そのおよそ2年後の2019年6月には、
サニブラウン・ハキームが9秒97の日本記録を更新。
その翌月、日本勢3人目となる9秒台を叩き出したのが、小池祐貴。
高校から本格的に陸上を始め、
1年の時からインターハイに出場するなど才能の片鱗を見せてきた。
しかし、同学年にいたのが、当時から世界の舞台で活躍していた桐生。
直接対決でも敗れ、小池にとって桐生は、遥か前を行く存在だった。
進学した慶應大学時代は、ケガに悩まされ、記録が伸びず、
リオオリンピックのリレーで銀メダルに輝いた桐生とは
差が開くばかり。
転機となったのは、走り幅跳びの元日本記録保持者、
臼井淳一との出会いだった。
ただがむしゃらに追い込む小池に対し、
臼井は、力を抜いてあえてゆっくり走る練習を課した。
目的は、正しい体の動きを身に付けること。
その結果、体幹が安定、無駄の無い動きでトップスピードがアップ、
本職は200メートルだったが、100メートルの記録も飛躍的に伸びた。
2019年7月、ダイヤモンドリーグ・ロンドン大会、
男子100メートル決勝。
小池は、スタートから飛び出すと、
0・5メートルの追い風を受けて後半さらに加速。
自己ベストを0秒06更新し、
桐生に並ぶ日本歴代2位タイの9秒98をマークした。
ライバルの背中を追い続けた遅咲きのスプリンター・小池祐貴が
世界の舞台でついにライバルに肩を並べた。
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