「まだ余力はあるが、悔いはない」
長きにわたり、日本のゴールを守り続けた守護神、
川口能活は、晴れやかな表情で、現役引退を表明した。
静岡の名門・清水商業高校を卒業後、横浜マリノス入り。
プロ生活25年、クラブで、日本代表で、
名シーンを上げればキリがない。
中でも、世界中から脚光を浴びた試合といえば、
1996年のアトランタオリンピック、予選リーグ初戦のブラジル戦。
川口は、ロナウド、ロベルト・カルロスら、
ブラジルから28本ものシュートの雨を浴びながら、
ファインセーブを連発。
最後までゴールを許さず、
サッカー王国ブラジルに1対0で歴史的な勝利。
今も語り継がれる「マイアミの奇跡」の立役者となった。
そして、翌年11月、マレーシア・ジョホールバルで行われた
FIFAワールドカップ・フランス大会のアジア最終予選。
イランとの試合に勝てば、初の本戦出場が決まるという大一番。
試合は、2対2の同点で延長戦に突入、
両チーム足が止まり、得点が動かず迎えた延長後半12分、
日本中の誰もが息を呑んだ絶体絶命のピンチを迎えた。
日本の最終ラインと川口の間にクロスが入り、
そこに、ストライカーのダエイが走り込む。
川口は飛び込まず前に出て、プレッシャーをかけながら
ダエイのシュートコースを消す。
そして、シュートに合わせて横っ飛び、ボールは、ゴール左へと外れた。
その直後、岡野が値千金のゴール!
日本が待望のワールドカップ初出場を決めた「ジョホールバルの歓喜」。
日本サッカー界の大きな節目には、いつも川口の姿があった。
ビッグセーブで何度もピンチを救い、
チームを勝利に導いてきた、川口能活。
「次は、指導者として自分の経験したことを伝えたい」。
日本の守護神は、惜しまれつつピッチを去り、新たなステージへと進む。
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