Athelete News
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15.08.22
日本バスケットボールの未来
今週の「ATHLETE NEWS」は、日本バスケットボール協会・川淵三郎会長をお迎えしました。


ーまずは、おめでとうございますと言いますか、ありがとうございます

「解禁になりましたからね。今まで制約を受けていて、特に女子のチームは強かっただけに、国際試合に参加出来ないというのは、彼女達にとって不愉快な思いをさせていたと思いますので、僕としてもホッとしてるところです。
2つのリーグを1つにする。これが10年来の難問題で。国際バスケットボール連盟から、調停に乗り出してくれと言われていたので、それを解決するのが難題だと思ったんですけど、割合スムーズにいきました」

ー2つに分かれていたリーグが1つになって、来年10月に開幕しますね

「この番組を聴いていただいてる皆さんにも、日本の男子バスケットボールが日本で分裂していたリーグが1つになって。日本のトップリーグとして、世界に飛躍する。そういったものが出来たと理解していただいて、興味関心を持っていただけるとありがたいと思います」

ーこれはどのようなリーグになるんですか?

「今、一部の12チームが決まったんですけど。バスケットボールの1つのチームの登録人数って12人なんですね。2つのリーグを足すと、30いくつありますけど、30だとすると360人ですよね。そうすると、プロに値する選手は、正直言って日本にあんまりいないんですよ。
ある程度しぼられた、強い選手ばかりのリーグ戦にならないと、全体のレベルアップは図れませんよね。そういう事から言うと、せいぜい12人の20チーム240人。その中でも、少なくとも50〜60人。世界の舞台に出て行ける選手を育てていこうとするならば、切磋琢磨して全体のレベルアップを図っていくことが、日本代表に直結する、オリンピック出場に直結しますよね。
男子は約40年くらいオリンピックに出場出来てないんですよ。それはアジアの中で弱いっていう事ですよね。それなのに分裂しててどうするの?っていうことですよね。一致団結して、一つの方向に向いていきましょうと、それが今回のリーグの統一の大きな目標ですね」

ーゲストの方に、お気に入りの一曲を伺っています。川淵三郎会長がよく聴いてる一曲はありますか?

「平原綾香さんがデビューした頃、森山良子さんのコンサートによく行ってるんですけど。その時に彼女が出て来て、”すごい声の人が出て来たな”って思ったんですよ。「Jupiter」は力強い歌でね、平原綾香さんと言ったら、僕にとっては「Jupiter」なんですよね」

ー選手の育成というのは難しいですが、どうしていけば選手は育っていくのでしょうか?

「Jリーグを観ていただいて分かるように、国内の試合だけでは国際試合で通用する選手は育たないんですね。やっぱり、Jリーグが出来たときは世界のレベルからいくと、日本のサッカーはレベルが低かった。1994年のアメリカのワールドカップで優勝した、ブラジルの代表選手のレギュラー6人が日本に来たんですよ。
その頃はヨーロッパの選手の年俸が高くなかったから、みんな日本に来たんですね。今じゃ10倍くらい出さないと来ないっていうくらいですから(笑)。世界の一流の選手をとろうとしたら、契約金で100億円くらいかかるだろうし、年俸としては10億円くらいじゃ、とても来ないですね」

ーそれをJリーグで払いきれるかと言うと、難しいですよね

「払いきれないですね。経営者としての感覚で、たとえばメッシをとってくるとしたら、会場はものすごい埋まりますよね。メッシを呼ぶんだから、入場料金を上げてくれと頼んで、お客さんが入ればトータル的に見て、Jリーグ全体が、あるいはそのクラブが利益あげるんだというくらいの、経営者がそういう判断をしないと駄目だと言ってるんですよ。
夢がちっちゃいんですよね。ちっちゃい夢だけ見ていると、さらにちっちゃくなる。大きな夢を見ると、大きな夢に向かってトライする人の気持ちも、いろいろな事を考えられるようになるでしょ。
日本のバスケットボールは、Jリーグが出来る前のもっと小さなイメージですから。そういうことをこれから夢見て、どんどん大きくなってほしいですね」

ーずっとJリーグを引っ張ってこられた川淵さんが、いきなりバスケットというのがすごく驚いたんですよ。逆に、これだけ驚いた分、今どんなリーグが出来るんだろうと、感心が高まっていると思います。

「そうですね。来年10月にスタートするので、それに向けて1年間、Jリーグがスタートした時のように、みんなが注目してくれる。そういう盛り上げ方をどうするかというのが、これからの僕らの一番の課題ですね」