Athelete News
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15.05.09
この道は終わりなき旅へと続いてゆく
今週の「ATHLETE NEWS」は、3月に競歩で世界記録を出した、鈴木雄介選手です。
鈴木選手は3月に行われた、全日本競歩能美大会で、20km 1時間16分36秒の世界記録を出して優勝を飾りました。
鈴木選手が練習するナショナルトレーニングセンターでお話を伺ってきました。



ー優勝されて、改めてどんなお気持ちですか?

「自分の中では、すごい事をやったという達成感がなくて、陸上競技は世界大会で金メダルをとって、初めて世界一と思えるので、自分の中の感覚では世界一を目指していく自分というイメージですね」

ー世界記録を出したゴールの瞬間、タイムを見た時は興奮を覚えたんじゃないですいか?

「実は10kmくらいで、自分の中で世界記録が出るなという確信がありました。長距離種目なので、通過でだいたいのタイムが予測出来るんです。このままいけば世界記録だなと思って、その時点で世界記録の達成感がありました。
ゴールした瞬間は、自分が達成したというよりは、地元の大会だったので観客の皆さんに集まっていただいて、地元の僕が世界記録を出すのを喜んでいたので、その光景を見れて幸せでした」

ー競歩の魅力はどんなところですか?

「マラソンの様なレース展開の面白さもあるし、 マラソン以上に急激にペースが変化するのが面白いと思います。ルール、規則があるのが特徴で、それを難しいルールと考えずに採点競技と思って見てもらえれば楽しいかなと思います」

ー競歩は失格になる選手が多い競技ですよね?

「常に足がついていなければいけないというのは、目視での判断の言葉遣いなので、スローで見ると浮いちゃってるんですよね。歩きを逸脱した浮き過ぎを失くす為のルールとなっています」

ー鈴木選手は、競歩を始めて13年間失格が無いんですよね。周りの選手との違いは何ですか?

「イメージして、それを身体で表現するのが上手かったのが特徴かなと思います。体のどこが優れているとか、筋肉が強いとか、柔軟性もないし、それであっても柔らかい動きが出来るんですよ」

ー美しいフォームを追求した結果、失格もなく結果にも繋がると。鈴木選手にとって美しいフォームとはなんですか?

「滑るように歩いているのが僕の中の綺麗なフォーム、そして僕の特徴かなと思います。なめらかな動き、ルールにのっとって動いているのが美しいフォームとも思います。長距離の選手、黒人の選手は、すごく速く走ってるけど、楽そうに走っているじゃないですか。そういうのが僕が思う美しいフォームですね」

ー驚くべきは鈴木選手の速度が、20キロ競歩で1時間16分36秒。時速15.7キロですね。これは、ママチャリで一生懸命こいだくらいの速さ、その速さを実感しますね。

「横に自転車で付いても、ママチャリだったら、きついかなと思いますね(笑)」

ー毎回、ゲストの方のお気に入りの一曲を伺っています。鈴木選手が自分を鼓舞するために聴いている曲や、集中力を高めるためによく聴いている曲はありますか?

「一曲決めるとすれば、Mr.Childrenの「終わりなき旅」が一番好きですね。競技をしてきた中で、一つ一つの歌詞がピッタリ当てはまる。
「高ければ高い壁のほうが 登った時 気持ちいいもんな」というフレーズが、まさに僕のイメージぴったりで。中学の時からその言葉を意識して、金メダルを意識してきました。原点のような言葉ですね」

ー8月に北京で行われる世界選手権代表に内定、来年はリオデジャネイロオリンピックもありますね。

「リオデジャネイロオリンピックが自分の一つの集大成だと思って続けてきました。計画通りと言えば計画通り、自分がピークと言われる時期に達してるので、昔からリオデジャネイロオリンピックの年を意識してやってきましたね」