Athelete News
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15.03.14
8年ぶりの帰還『15』番を背負って
今週の「ATHLETE NEWS」は、ニューヨーク・ヤンキースから古巣・広島東洋カープに復帰された黒田博樹投手です。藤木さんがキャンプ地、沖縄で対談されてきました。


藤木「まずは、日本のプロ野球界に戻って来てくださって、ありがとうございます!どうですか、久しぶりの日本の空気は?」

黒田「8年ぶりですか、同じ野球といっても日本とアメリカでは違うので、すごい新鮮な感じはしますね」

藤木「先ほど練習を見させていただいたのですが、ドジャースのユニホーム、ヤンキースのピンストライプのユニホーム似合ってらっしゃいましたけど、久しぶりに着る広島カープのユニホーム、カッコ良かったですね」

黒田「この年齢になったので、赤が似合わないんじゃないかと自分では思いましたけどね(笑)」

藤木「黒田さんは国内だったら広島カープと仰っていて、毎年シーズンオフになると広島に復帰するんじゃないかとスポーツ新聞を賑わせていて、色々な選択肢がある中で、このタイミングで広島に復帰されるのはすごく衝撃を受けたんですけど、決め手は何だったんですか?」

黒田「自分自身もどうなるか分からなかったので、最後の最後まで悩んでいました。カープファンの方達が待っている事を感じて、年齢的な部分も考えると、今が一番いいタイミングということを大事にしました」

藤木「毎回、これが最後の試合だと思って投げているという言葉が印象に残っていて、いつ頃からそういう考え方になったんですか?」

黒田「アメリカに渡って30代に入って、1年契約をし始めたころに、そういうマインドの中で野球をやった方がいいパフォーマンスが出せるんじゃないかと思いました。そのくらいの気持ちでいかないと、マウンドに上がるのが怖くて仕方がないというか、試合になると、何万人の前で打たれてしまったりするわけなので。マウンドに上がる怖さは感じながら、特にドジャースからニューヨークに行ったときは、熱狂的なファンもいましたし、メディアの方の厳しい部分もありましたからね。そういう中でやってきたので、それがいい意味で逃げ道だと思って、"これが最後で終われれば、打たれようが何しようがいいかな"という感じですね」

藤木「最後の投球を考えていく中で、もう一度広島に戻って投げてみたかったと思われたという事ですか?」

黒田「40歳ですし、どこまで野球が出来るか分からないので、その中でこっちに帰ってこずに野球人生を終えたら後悔すると思いました」

藤木「ファンの皆さんの反応はどうですか?」

黒田「自分が思ったより周りの反応がすごくて、戸惑っているところもあります(笑)」

藤木「去年カープは3位に入って、これで黒田さんが帰ってきたら今年は優勝だろうと盛り上がりますよね?」

黒田「それがプレッシャーになりますし、当然そういうつもりで帰って来たので、力になりたいという気持ちはあります」

藤木「2006年FAの権利を獲得された時に、他の球団からの話も聞いてみたいという事で、残留を決めましたよね?」

黒田「あの時ファンの人達の思いをすごく感じて、それも含めて今回の決断にいたりました」

藤木「ファンの方が横断幕にメッセージを書いてくれましたね?」

黒田「野球史上、ああいう事ってなかなか無かったので、すごく心に残ったし、それがすごく最後の最後まで残っていました」

藤木「君が涙を流すなら君の涙になってやる。すごく熱い気持ちが伝わりますよね。広島ファンの前でカープの選手を相手に目一杯投げる自信が無かったと仰っていて「広島市民表彰」もされている、そこまで愛するカープの魅力は何ですか?」

黒田「僕がいた頃は毎年Bクラスで、なかなか優勝争いが出来なかったですし、その中で熱狂的なファンの人も沢山います。その中で僕が帰ってきて、ファンの人達にいい思いをしてほしい、カープファンで良かったと思ってもらえたら嬉しいなという気持ちです」

藤木「黒田さんが胴上げされるところを見てもらうのが、一番の恩返しになるかもしれないですね(笑)」

黒田「僕というよりも、チームが優勝した時にカープファンの人達に喜んでもらえるのではないかと思います」

藤木「この番組では、毎回インタビューした方にお気に入りの一曲をうかがっています。黒田投手が自分を鼓舞する為に聞いてる曲だったり、試合前に集中力を高める為に聞いてる曲があったら、教えていただきたいのですが?」

黒田「去年、たまたま僕が広島にいる時に、福山雅治さんのコンサートがあったんです。タイミング良くチケットが手に入り、行かせていただきました。福山さんの「少年」という歌を聴いた時に、自分に被る様な感じもする曲で、その時はFA権をとっていて、アメリカに残るか広島に帰るかという時期だったんですよ。その曲というのも、今回の決断を後押ししたという部分まではいかないかもしれないけど、タイミング良く聴けたかなと思います」

藤木「僕らの世代は特にプロ野球に憧れて、みんな選手になりたいと無邪気に思いますけど、それを実現できる人はほんの一握りしかいないわけですし、その夢が未だに続いているんですもんね」

黒田「その気持ちを忘れてはいけないと思うんですが、いつも忘れてしまう(笑)。そういう気持ちを持っていれば慣れてこないというか、常に新鮮な気持ちでマウンドに上がれて、常に新鮮な気持ちでグラウンドに行けると思うので。自分が昔大阪に住んでいて、大阪球場などでスタンドから選手を見てる気持ちを忘れてはいけないと、そういう気持ちを持っていれば、逆の立場でマウンドに立ってる時に気が抜けないんじゃないかと思って。そういう気持ちを常に忘れないでいたいと思っています」