Athelete News
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15.01.24
アスリートの力の源は...
今週の「ATHLETE NEWS」は、アスリートの栄養管理をサポートする、料理研究家・オリーブオイルソムリエの石井秀代さんです。

石井秀代さんは、2003年から世界各地でメニュー開発や、出張料理教室を開催。2006年にイタリアで日本人初のオリーブオイルソムリエの認定を受けます。
一昨年からは、サッカー元日本代表の楢崎正剛選手、なでしこジャパンのゴールキーパー・海堀あゆみ選手などの、グアム合同自主トレ専属シェフを務め、アスリートの栄養管理をサポートされています。



ーオリーブオイルソムリエとはどういうものなんですか?

「オリーブオイルといっても、世界で何千品種という木の種類がありまして、隣同士で違う品種の樹が植わると沢山の実をつける特性があるんです。自分の種を残さなければという気持ちになると、頑張って実をつけるので、それがブレンドされたものが日本のお醤油みたいに、色々なエリアで違う味で育てられたものが今日本に沢山来てるんです。それをどういう料理に合うのかを探して、それを皆さんに楽しんでもらう、そういう仕事ですね」

ーワインのソムリエのテストみたいに、「利きオリーブオイル」みたいなものもあるんですか?

「本当にそうなんですよ(笑)。フランスだと「食とワイン」のマリアージュと言うんですけど、イタリアでは「オリーブオイルと食とワイン」これが全部合わさった時に、どう美味しいかというのが基本なんです」

ーサッカー元日本代表・楢崎正剛選手、なでしこジャパンのゴールキーパー・海堀あゆみ選手らのトレーニング専属シェフを務めているという事ですが、アスリートの皆さんのご飯を作るうえで、気を付けている部分はどういう所になるんですか?

「チームの栄養管理士の方ともお話をして作ります。栄養管理も大事ですが、食べる事も彼らにとっては義務なので、とにかく楽しく食べられる環境を作っています。カレーを作るにしても選手によって味を変えます。選手の好き嫌いがあったとしたら、無理に食べるとモチベーションが落ちるので、無理に食べさせず抜いてあげて、他で補填出来る様に変えるというのを一人一人やっています」

ー朝も練習が早かったり、選手によって食べたいタイミングが違ったり、けっこうハードなんじゃないですか?

「キャンプ中のスケジュールは、だいたいトレーナーさんによって決まっているんですけど、私が担当する食事の時間が練習の2時間前、7時半くらいに朝ごはんを食べる。そうすると9時半からの運動に、ちょうど消化をしている状態に持っていく、食べるタイミングだったり、今日はゆっくりトレーニングをするのか、すごく筋トレをするのかで、その時食べるメニューをどんどん変えていきます」

ー海外で合宿する時は、食材はどうされるんですか?

「出来る限りのものは、日本から持っていきます。持っていく重さで言うと、今年は120キロでした(笑)。1週間〜10日くらいなんですけど、炊飯器、調理器具、すべて持っていけるものは持っていって、ベストコンディションにして行うという事ですね。海外のACミランというチームが日本に来た時は、シェフも食材も、飛行機で持って来られていましたね」

ーリスナーの皆さんが、今日から実践出来るアスリートご飯とかはあったりしますか?

「例えばなんですけど、消化に良いという事で試合の2時間前にトマトパスタを食べるんですね。そこに鶏肉のロースト、温野菜、一度火入れをしたフルーツというのがあるんですけど。これはどんなアスリートの方達にも使いやすいと思います。試合の前や運動の前に、一度火入れをしたものを食べておく事で、生野菜じゃないから当たらない、消化もいいし下さない。こういう所で、徹底的に管理が出来るんです。
もう一つは、2時間前は消化が出来るもの、煮たり蒸したりしているもの、揚げ物じゃないものを食べる事です。1、2時間前は具入りのおにぎり、うどん、おそばは食べて大丈夫です。1時間前くらいになったら、おにぎりは具無しにしてください。30分前でキャンディ、ジュース、バナナ、リンゴ。10分前は、ゼリー、ドリンクで整えるという感じですね」

ー食べる栄養だけじゃなくて、胃の中の状態まで逆算して作らないといけないんですね

「何を摂るかというのを、ベストコンディションにするのに少し頭に入れておくと、一番良いパフォーマンスが出ると思いますね」