Athelete News
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14.12.20
サッカーの神様が見届ける、日本サッカーの未来は....
今週の「ATHLETE NEWS」は、先週に引き続きサッカー元日本代表監督・ジーコさんです。

先週は、ワールドカップブラジル大会での日本の敗因について伺いました。今週は、これからの日本サッカーについて、強くするにはどうすればいいのか、育成方法についても伺いました。



ー日本と世界を比べて、育成面で足りない部分はどんな所だと思いますか?

「私が来日していた当時に比べると、今のJリーグのクラブも下部組織というところでは、ある程度の環境を与えて選手を育成しているのは変わってきました。イタリア、ドイツ、ブラジルでは15歳から上の年代は常に大会、リーグがあり、常に競争して選手を伸ばしていくという環境があるんです。

ブラジルでは10歳、11歳くらいから全国レベルでのリーグ戦だったり、常にそういう競争の中で戦いを出来る環境があります。そういった高いレベルの試合を日本でも、どんどん追求していくべきだなと思いました」

【いかに多くの経験を積むか】

「私は13歳から、フラメンゴで本格的にスタートしましたし、メッシもバルセロナ行った時には15、6歳。アルゼンチンでも、もっと幼い頃からプレーしてきました。クリスティアーノ・ロナウドもポルトガルでそうだったし、ネイマールなんかもサントスでフットサルから始まって、幼い頃からある程度レベルの高い試合をこなしてきた。そういう環境がプロ選手をどんどん生み出していたというのもあります。

日本では、鹿島アントラーズはそういう部分を強化してきたし、今は海外遠征も増えて世界との差を縮めたり、今何が必要なのかを考え、そういう意味ではどんどん鹿島も良い方向へいっています。このまま続けていってほしいですね。13歳〜15歳の年代でレベルの高いところと触れ合う、経験をする。そこが大事になってくるんだと思います」


ージーコさんは、どうやってサッカーが上手になったんですか?

「一人一人才能を持って生まれてくる選手もいますが、一人一人差はあると思うので、そこをどう伸ばしていくか、その部分に尽きると思います。やはり自分はこうなりたい、こうありたい、そういう中でどういう事をして成長していくのかというのを、常に考えながらやっていかないといけないと思います。

私は小さい頃フィジカル的な部分が足りなかったので、もっとそこを強化しないといけないという事だったり、そればかりではなく元々ある程度の技術はありましたけど、本当に基礎的な事、パス、シュート、ヘディング、ドリブル、それらのレベルを上げないといけないですね。

そういう事を何十年もやって来た結果、そういう風になっただけなので、やはり努力する、自分の良さを理解して、そこをどんどん伸ばす事ですね。
何か良いものを持っていても、それだけでは戦えません。そこをどう伸ばすか、足りない所をどう補っていくのか、それを常に満足せずやり続ける。それしかないのかなと思います」

【世界レベルを目指す鍵は基礎練習】

「世界レベルを目指すのであれば、やはり基礎的な要素が必要になってきます。トラップ、シュート、パス、ドリブル、色々な要素がある中で、右も左も同じ様に使えて、同じスピードで変化をつけられたり、細かい部分まで掘り下げてやる必要があります。

でも、シンプルにサッカー選手としてやっていきたい、頑張っていきたいなら、トラップ、シュート、パス、この3つを特に極める。それさえ出来ればサッカーはプレー出来るので、そこの基礎をしっかりと幼い頃からやり続ける、それが本当に大事です。

自分が約15年間日本にいた時に、本当に多くの子供達にサッカー教室だったり、クリニックをやってきました。基礎的な事が大事という中で、事細かに教えないといけない部分があるんですよ。基礎の部分をもっと深く伝える、例えばボールをトラップする時に、筋肉の力を抜いておかないと良いトラップが出来ないし、ボールを蹴る時はコンタクトがある時はしっかり力を入れてやる。

自然に出来てる子も多いんですけど、そういう事をしっかり伝えられる指導者が必要です。テクニックというよりは、そういう基礎的なところの大事な部分を、いかにしっかり伝える事が出来るのかが、今後の課題でもありますし、これからもそういう事をやっていかないといけないですね」