Athelete News
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14.10.25
水中の女神、眼前に輝くものは
今週の「ATHLETE NEWS」は先日に引き続き、ロンドンオリンピックで銀メダル1つ、銅メダル2つの合わせて3つのメダルを獲得。そして、アジア大会では50メートル平泳ぎで金メダルを獲得しました、日本女子競泳界のエース・鈴木聡美選手です。

ー鈴木選手が水泳を始めたきっかけは何だったんですか?

「私には、2つ離れた姉がいまして、姉の方が先に水泳を始めいたんです。よく妹にありがちな、姉と一緒のことをやりたいという(笑)。すごく駄々をこねてうるさかったらしいので、母が「わかった、わかった」と、なだめる感じで入れてあげたらスイミングできゃっきゃしていました(笑)」

ーやはり、小さい頃から周りの子より速かったんですか?

「そうでもないですね。日本選手権に出場する標準記録は切ってたんですけど、決勝に残って表彰台を争うという事はなかったです。日本選手権に行って、日本のトップの人達の姿を見て"すごいな〜"と、思って帰るというパターンが多かったです」

ーいつ頃から首位を争う様になったんですか?

「大学に入ってすぐでした」

ー大学1年生の時に日本記録を樹立して優勝、これは何があったんですか?

「これはビックリしましたね。高校から体格が一気に変わりました。筋肉の量が一気に増えたんです」

ーそれは練習の方法が変わったんですか?何か意識して変えたんですか?

「自然とそういう風になりましたね。スイミングの時は一日一回午後の練習で、距離でいうと4〜5000m、いっても6000mくらいの練習を1時間半でやっていたのを、大学に行ってからは早朝練習、午後練習プラスウエイトトレーニングも始めました。私なんて、県の合宿で練習をしても、それこそ全然練習についていけない選手でしたから。私の大学の同期も非常に練習に強かったり、成績を持っている選手が多かったので、それに置いていかれまいと必死になってトレーニングをしてたら、自然と体格が変わってきたという感じですね」

ー日本記録で優勝なんて、周りの方も驚いたんじゃないですか?

「3月から大学の練習に参加してたんですけど、その1ヶ月後の日本選手権から「どうしたの?」と言われるくらい一気に体が変わりました。6月のジャパンオープンでまた変わって、9月の日本学生選手権でも変わって、どんどんゴツくなってきたねって言われて(笑)」

ーゴツくなってきたと言われるのは、どのような気持ちなんですか?

「複雑な気持ちですね(笑)。記録が伸びてるので必要な事だと言われてきたんですけど、やっぱり女性としては複雑だなと思いながらやってました(笑)」

ーそれだけ練習量が変わって"厳しい、辛い"と思う事はなかったんですか?

「最初のうちはけっこうありましたね。これ、4年間大丈夫かなって」

ーどうやって乗り越えたんですか?

「やはり支えてくれる両親だったり、同期の支えというのは、非常にありがたかったです。みんながきついんだから、私だけがきついわけじゃないんだと思ってました。練習終わってから寮に帰っても、テレビを観て笑ったり、他愛もない話で盛り上がったりしてたので、それがすごく気持ちの面でも向上していけたのかなと思います」

ー大きな大会になると、緊張していつもより速くストロークしてしまったりとか、そういう事はなかったんですか?

「私もそうだけど、他の選手の皆さんもそうなんですけど、監督によく言われるのは、普段の練習でやってる事を大会で出来ないと意味が無い、大会で練習以上の事が出来るわけ無いんだから、練習通りの事を試合でも心がけろと言われます」

ー大学1年生で日本記録を樹立されたわけですけど、オリンピックを意識したのは日本記録を出してから、具体的な目標になりましたか?

「いえ、その翌年のパンパシフィック大会ですかね。アメリカで行われたんですけど、そこで当時速かったオーストラリアの選手と、アメリカの選手と一緒に同じ組で泳いで、この人達ともう一回頂点を争う、もっと大きな大会で泳ぎたいという気持ちが芽生えました」

ー今は大学を卒業してミキハウスに入社したという事ですが、今はどういう練習環境なんですか?

「自分の出身校である山梨学院大学のプールで、学生と一緒に泳がせてもらっています」

ー学生の皆さんにとっても、お手本になる先輩がいたら心強いですね。

「お手本になれてるんですかね、ちょっと不安でもあるんですけど(笑)。私は言葉で伝えるのがすごくヘタクソというか、泳ぎ方を伝えるにしても「手首をもっと外側に」とかそういうのではなくて、「もっとギュっ!とやって、スパ!っとやっちゃえば良いんだよ!」とか、擬音を使っちゃうんですよ(笑)。あと、ジェスチャーとかで上手く伝わるかなと思いながら、質問されたら答えたりするんですけどね(笑)。何かしら掴んでくれたらなと思っています」

ー2年後にはリオデジャネイロでオリンピックがありますが、目標を聞かせてもらえますか?

「いい色を一つでも多くとれたらなと思いますし、ロンドンオリンピックの時にその場を楽しめていたので、何も気負う事なく、楽しめるレースが出来ればと思います。それに至るまでには、日本選手権で代表権を得ないといけないですね。国内のレベルも年々上がって来ていますので、それに負けない様にまずは頑張りたいと思います」