Athelete News
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22.01.29
思い描いていた滑りでゴールを切る瞬間が喜び
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今週の「Athlete News」は、先週に引き続き、フリースタイルスキー・モーグルの堀島行真選手をゲストにお迎えしました。

堀島行真(ほりしま・いくま)選手は、1997年生まれ、岐阜県出身。
1歳からスキー板に乗り、小学4年からモーグルを本格的に始めました。
2017年、世界選手権はモーグル、デュアルモーグルで2冠。
優勝候補として臨んだ2018年の平昌オリンピックは、11位。
その悔しさをばねに強化を重ね、北京オリンピックでメダル獲得を目指しています。

今回はリモートでお話を伺っていきました。



──夏場はスキー以外の競技で特訓をされたんですか?

そうですね。夏場は日本ではスキーができないという状況で、コロナウィルスの影響もあって海外にも大会や練習という理由ではなかなか行けなかったので、日本でできることを探して、“いろんなスポーツにチャレンジしてモーグルに生かそう”という気持ちでやっていました。

──どんなことをされたんですか?

フィギュアスケートも初めてやりましたし、あとはスノーボード。僕はスキーをやっているんですけど、スノーボードは同じウィンタースポーツなんですけど、1回もやったことがなくて。

──スノーボードも雪がないとできないんじゃないですか?

もう閉鎖してしまったんですけど、僕の地元の岐阜県に室内スキー場というものがあったんです。大きい冷蔵庫みたいな室内に雪が敷き詰められていて、そこにスロープがあって滑ることができる施設があるんですけど、そこはモーグルの練習にはならないけど、初めてスノーボードをやるには持ってこいの場所だったので。閉鎖するということも聞いていて、その悲しさもあるけれど、あと数ヶ月で自分が得られることってなんだろうと考えて、少しスノーボード覚えてみようということで始めました。

──人生初のスノーボードはいかがでしたか?

まっすぐも滑れないし、本当に5メートル滑ったら転ぶというような(笑)。スキーではありえないような感覚でしたね。全く滑れずに、“こんなに難しいのか”って思いました。

──あと、10メートルの高さからプールに飛び込んだと伺ってるんですが。

2日だけですけど、高飛び込みもやってきました。

──もちろん、経験されたことはなかったわけですよね。

初めてでした。高飛び込みだと下がプールなので、体にかかる衝撃が少ないんです。夏場の練習で、スキーでジャンプをしてその後プールに飛び込むという練習場もあるんですけど、その練習場だと、板の接地面が水面に垂直にバシン!と着地することによって、腰や膝にかかる負担が大きいんですけど、(高飛び込みは)それが生身の身体でただ飛び込むだけなので、綺麗に落ちればすごく安全に何本もできる、という考えのもと、チャレンジしてみました。

──普段エアーで飛んでる高さって、どれくらいの高さが出てるんですか?

10メートルほどは高くないですね。高飛び込みで10メートルの高さに立ってプールを見たんですけど、これまでに経験したことがない高さだったので(笑)。「大は小を兼ねる」ではないですけど、その高さに慣れておけば、モーグルで飛ぶ高さは余裕になるんじゃないかなという感じもします。

──そして、刺激を受けている選手は、内村航平選手と羽生結弦選手。競技の違う、ちょっとタイプの違う…お二方ともレジェンドですけれども、どういうところに刺激を受けてらっしゃるんですか?

僕はモーグルのランキングの中で世界ランキング2位まで行けたことがあるんですけど、やっぱりどうしても1位が取れない。“そこをどうしたら取れるのか”というのはまだ道の途中であるんですけど、羽生選手や内村選手はその競技の絶対王者として存在していて、“自分とはどんな違いがあるのか”とか、“どういう思いで競技に向かっているのか”とか、競技は違えど気持ちの面で似ている部分や見習うべきところはたくさんあるなと思って、インタビューのコメントを見たり記事を見たりとかしながら、少しでも近づけるようにと思ってやっていますね。

──モーグルは、やはりミスと隣り合わせの競技だと思うんですけれども、スタートラインに立っている時というのはどのような心境なんですか?

練習と大会ではまた別物というか、練習ではスッと躊躇なくスタートして行けたりするんですけど、大会になると、目の前に現れるコブとかジャンプ台が見える風景に怖さを感じたり、“失敗するかもしれない”とかネガティブな気持ちになりますし、スタートではやっぱりそういった(ネガティブな)気持ちが大きくはなるんですけど、それを振り払って、ゴールまで自分が描いていた滑りができた状態でゴールの線を切る時は…その下にはチームの仲間もいますし、各国のコーチ陣や選手もみんな下で見ているので、そこに近づいてガッツポーズできた時っていうのは、すごく喜びがあります。

──その、スタートラインに立っている時の恐怖心の振り払い方というのは、だんだん変わってきたりするものなんですか?

そうですね。プレッシャーに感じる気持ちの捉え方というものが大分変わってきたかなと思っています。応援してくれている人たちの期待をプレッシャーに感じるのではなく、そこは“自分が今から滑る”ということとは別物として考えて、自分がやるべきことを1つ1つやっていく。自分の足で滑っていって、ジャンプを飛んだら綺麗に着地をする、それを2回繰り返してゴールのラインを切る。それがきっと僕の仕事で、その仕事ができれば応援してくれたみんなに応えられるようなベストな成績が出るんじゃないかな、というのは大分(自分の中で)固まってきていて、その気持ちでやっていたら表彰台にも上がることができて結果にも繋がっていったので、そこにはすごく自信が持てるようになってきました。

──さて、この番組ではゲストの方にcheer up songを伺っています。今週も堀島選手の心の支えになっている曲を教えてください。

裂固の「覚めない夢」です。
この曲は、歌詞とか曲自体のタイトルも好きなんですけど、裂固が僕の中学校の同級生で。

──そうなんですか! お友達なんですか?

そうですね。同じクラスにはなったことはないんですけど、同じ中学校で、一緒に遊んだり、毎日顔を合わせていました。遠征先で友達の声に力をもらってます。

──裂固さんはその頃から「アーティストになりたい」みたいなことは言ってらっしゃったんですか?

その頃は、僕もレゲエとかヒップホップとか好きなんですけど、レゲエのアーティストにCHEHONという方がいて、(裂固が)その方の大分昔の曲を歌ってたんです。それで、僕も知っていたので「なんで知ってるの?」みたいな話になって。僕はけっこう好きだったから昔から知ってたんですけど、裂固はちょうどその頃からヒップホップとかに興味を持つようになって、それからかなり経って高校生ラップ選手権で優勝して、そこから有名になりました。

──ジャンルは違いますけど、それぞれ夢があってそれを叶えてるって本当に素敵なお話ですよね。 モーグルとかって、やっぱり音楽に近い競技ですよね。

そうですね。気持ちとか、音楽と近いと思います。モーグルはけっこう気合を入れないと滑れないので、パワフルさというか、音楽にそういう力をもらって頑張っています。


今週のゲスト、堀島行真選手のサイン入り色紙を1名様にプレゼントします!
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