Athelete News
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19.10.26
支えになってくれた妻へ
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今週の「Athlete News」は、パラ陸上界のレジェンド 砲丸投げ 大井利江選手をゲストにお迎えしました。

大井利江選手は、1948年8月29日生まれ、現在71歳。岩手県洋野町ご出身。
漁師だった39歳の頃に仕事中の怪我によって頸髄を損傷。
その後リハビリを兼ねた水泳を経て、50歳で陸上の円盤投げをスタート。
2004年アテネを皮切りに、北京、ロンドンと3大会連続でパラリンピックに出場し、前回大会のリオには砲丸投げの選手として活躍。
来年の東京パラリンピック出場を目指していらっしゃいます。

怪我をして、一生海に出られなくなったことに対して、
生きる目標を見失い、自暴自棄だった大井選手に“力”をくれたのがスポーツだったそうです。


──砲丸投げで自身5回目となるパラリンピック出場を目指す大井利江選手。
2004年、56歳の時、円盤投げで出場した、初めてのパラリンピック・アテネ大会。
出場された時の心境を伺いました


まさか自分がパラリンピックに出場するとは想像していなかったから、アテネに着いた時は、一人で興奮していました。
金メダル候補と言われてたので、勝手にワクワクしてましたね。でも、クラス分けで1つ軽いクラスになったので、その時はもうメダルは取れないかなと思ったけど、まさか銀メダルを獲れると思わなかった。
練習以上に記録が出たので自分でもびっくりしました。

──クラスが変わったにも関わらず、銀メダルを獲得されたのはすごいですね。
そして、56歳だったアテネ。その後、北京、ロンドンにも円盤投げでパラリンピックに出場。
何故、続けることができたのでしょうか


次の目標を掲げていたからです。やはり金メダルが目標だったから、これからF53クラスでやっていこうと思いました。
ライバルもいたので、ライバルを破ろうと死ぬ気で練習していました。上を目指すには日々の努力が大切なので、そこに向けて一生懸命やっていました。
主に水泳と筋トレをやっていましたが、パートナーを見つけるのが大変なんです。ボランティアですとなかなか探せないですし、アルバイトだとお金もかかるし…。
いつ身体が全身麻痺になるかという恐怖があったので、少しでも家内に迷惑をかけないように日々身体を鍛えてきました。これが競技に繋がっています。

──練習の環境を整えるのも大変だったんですね。
そんな目標をもって競技に挑んでいた大井選手ですが、ロンドンパラリンピックの前の年、2011年に東日本大震災がありました。
大井さんの住む洋野町は岩手県最北部の沿岸地域ということもあり、競技を続ける上で葛藤があったと言います


災害があったとき、自分が好きな事をやっていていいのかな?と思ってしばらく何も手に付かなかったです。
練習に行かない姿を見て、周りの人達から声をかけてくれたりして、そこでみんなが応援してくれているんだなと気がついて、それがきっかけでまた練習を始めました。
思うように結果は出なかったけど、ロンドンに出場したことだけでも皆さんの力になったかなと思います。
帰ってきたときもメダルは獲れなかったけど、また次があるって声をかけてもらって。少しでも力になったんだな、と思いました。

──あれだけ大規模な災害があった中、自分が競技を続けていいのか悩まれたんですね。
しかし、2012年ロンドンパラリンピックの後、2016年リオパラリンピックでは、大井選手が出場していた円盤投げF53クラスが競技に採用されませんでした。
それにより、リオパラリンピックでは、砲丸投げで出場されました。
砲丸投げの挑戦について伺いました


競技によっては投げる動作ができないから、その時は引退しようと思いました。
でも、ロンドンが終わって2年後に東京が開催地に決まったんですよね。その時に「よし、やったことのない砲丸投げに挑戦してみよう!」って思ったんです。
地元開催ですし、これまで応援してくれた人にみてもらいたかったんです。なので、でれるかでられないか分からないけどとにかく挑戦してみようと思って砲丸を始めました。
ただ、リオに行けたのはマグレだったと思います(笑)。東京に間に合えばいいか、と思っていたので。

──同じ投てき競技といえど、円盤投げと砲丸投げは動作が違いますからね。
もともと漁師をされていたということで、ポテンシャルがすごいということなんでしょう。
そして今度は、東京パラリンピックです! 東京に懸ける思いを伺いました!


東京パラが決まったとき、一生に一度のチャンスだと思いました!
今まで応援してきてくれた人に少しでも恩返しできればなと思うので、出場できたら応援に来てほしいですね。
今回の世界パラ(ドバイ 2019 世界パラ陸上競技選手権大会)である程度出場できるかが決まると思うので、
妻や応援してくれている仲間、選手の仲間、そういった人達がいたから大きな大会に出られるようになりました。
その中でも、家内は一番の支えになっています。

ドバイ 2019 世界パラ陸上競技選手権大会は11月7日木曜日開幕です!
100ヵ国以上から1300名以上の選手が参加予定。
2019年の各競技種目の世界一が決定するだけでなく、選手たちにとっては2020年への大事な前哨戦となります!
大井選手を皆さんで応援しましょう!



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