Athelete News
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18.11.10
追われる立場ではなく、追う立場
今週の「Athlete News」は、平昌パラリンピック アルペンスキーで金メダル1個、
銀メダル2個、銅メダル2個、合計5個のメダルを獲得した村岡桃佳選手をゲストにお迎えしました。

村岡桃佳選手は、
1997年3月3日生まれ、埼玉県のご出身。
4歳の夏に横断性脊髄炎のため、車いす生活となります。
陸上を中心に様々なスポーツに挑戦する中、
小学2年生の時にチェアスキーに出会い、
中学2年生の頃から本格的に競技スキーを志し世界を目指します。
そして、高校2年生の時にソチ・パラリンピックに出場。
スーパー大回転、回転、大回転に出場して大回転で5位入賞を果たしました。
現在は早稲田大学 スキー部に所属しながら、
2015年〜16年のシーズンには大回転でW杯の種目別優勝。
「2017IPCアルペンスキーワールドカップ白馬」では金銀銅の3つのメダルを獲得。
そして、今年行われた平昌パラリンピックで金メダル1個、
銀メダル2個、銅メダル2個、合計5個のメダルを獲得と大活躍をされました。



──アルペンスキー女子大回転 座位で、
日本選手として冬季パラリンピック史上最年少で金メダル獲得!まさに歴史を作りましたよね!
金メダルっていうのは大会前から狙っていたんですか?


選手として、目指すべきものは金メダルだと思っていましたし、欲しいなと私自身思ってはいたんですけど、
世界の中での自分の立ち位置を見たときに、本当に正直なことを言ってしまうと、平昌パラリンピックで金メダルを取れるだろうとは思っていなかったですね。

──金メダルを取れた要因って今考えるとなんだと思いますか?

私の弱点として、練習で良い滑りが出来ていても、それがレースになると出来ないというか、どうしても体が硬くなってしまったり、考え過ぎてしまったりというところがあって。
持っている力を発揮しきれないっていうところがあったんですけど、それを一緒のチームの先輩方とかは知っているので、「普段の練習通り滑れれば絶対に金メダル取れるのに、なんでもそれをしないんだ。」って言われてたんです。
”しないんじゃなくて、出来ないんだよ…”と思いながら、自分の中でもすごくモヤモヤと葛藤していたんですけど、今回平昌パラリンピックで初日、二日目以降と銀メダル銅メダルを取って行って、金メダルを取るためにはどうしたらいいんだろう、っていうのを日に日に考えていったというか。
今まで、私の気持ちの中で練習通りに滑ろう、いつも通り滑ろうってレースのときに思って、滑っていたんですけど、
今までそれでダメだったんだから、今回もこのまま滑ってもできるはずがないっていう風に気がつくことができたんです。

──逆の発想ですね!

そうですね。練習のときはどうやって考えてるんだろう、もっと意識すべきところは何かなって考えたときに板に乗っている位置だったりとか、
練習の時はどのくらい体を傾けているか。体が動いてるか。っていうことにすごく意識を向けてみたんです。
練習のときのように、ではなくもっと具体的に考えて行こうと思って滑っていったところ、自分の中ですごく落ち着いていながらも、どんどん迫り来る次のゲートやポールに向かって冷静に分析できたし、すごくアドレナリンが出て、滑っていて楽しかったんです。
それが自分の中で一番、成長できたことかなとも思いますし、今回金メダルを取れた一つの要因かな、と思います。

──目標としている選手は平昌パラリンピック、
アルペンスキー男子滑降座位で銀メダルを獲得した森井大輝選手とのことですが、メダルを獲得してどんなお話しをされましたか?


金メダルを取る前の初日、滑降のときに私が銀メダルを取って。森井選手も同じく銀メダルを獲得されていて。
そこで話をしたときに「桃佳だったら、まだ二段階ぐらいギアが上がる」って言われたんです。普段の練習だったらそれぐらいギアが上がってるって言われて、私はそのとき、”今日のレース結構頑張ったな〜”って思っていたところだったので、正直、”クソ〜!”と思ったんです(笑)。
でも、一番近くで私の滑りを見てくれていて、悩んでいるときも常に助けてくださっていたので、森井先先輩が言うならきっとそうなんだろうな、と思いながらずっとぐるぐる考えて。
それで、金メダルを取った日にいつも通りっていう風に考えただけじゃダメなんだってところにも気づけたので、私がメダルを取れたのは先輩のおかげでもあるんです。

でも、私にはウィークポイントがあって、2本あるレースで、1本目で良い順位を取ると、大体2本目で成績を落とすっていうジンクスがあるんです。
金メダルを取った大回転という種目では1本目で1番だったので、2本目を飛んで2番になったらどうしよう、やっちゃった…って思ったんですけど、そこで踏ん張って1番をそのまま死守できたので、余計に嬉しかったです!
1本目も良かったけど、2本目も攻められてた!って言ってもらったときはすごく嬉しかったですね!

──これから追われる立場になりますが、それについては、どのように捉えていますか?

私自身、あまり追われる立場だとは思っていなくて。
今回、5つ種目があって金メダルを取れたのは1つだけですし、他の4種目は銀メダルと銅メダルで、私の上にもさらに強い選手がいるということになるので、私はまだまだ追われる立場ではなく、追う立場であるという風に思っています。
なので、今までと何ら変わらないというか、常に上を目指し続けて一番になるぞっていう気持ちで頑張り続けていくだけだな、と思ってます。

──そして、この番組では、ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。
村岡桃佳選手の心の支えになっていた曲があったら教えていただきたいんですけれど…。


ももいろクローバーZさんの『走れ!』という曲がすごく好きなんですよね。
意味合いは少し違うかもしれないですけど、”走れ”というフレーズや、曲の爽快感や疾走感がすごく好きで。つい口ずさみたくなる曲ですし、頑張んなきゃと思います!
私も走って行きたいって思えるような曲なので、すごく元気になれますね。

──最後に、今後の目標を教えてください。

すでに4年後の北京パラリンピックに向かって歩みを始めているところなので、気持ちを切らさずに走り続けたいと思います!
そして、その結果として今回より多くの金メダルを持って帰って来れたらいいなと思ってます。

──村岡選手にとって4年間って短い、長い、どのように感じていますか?

4年間って意外と長いんだろうなと思ってたんですけど、ソチから平昌までの4年間があまりにもあっという間すぎたんです。1年が一瞬なんですよね。
多分、次の4年間も一瞬で過ぎ去ってしまうんだろうなと思いながら、一瞬一瞬を大切にしながら歩み続けていきたいと思います!






今週のゲスト、村岡桃佳選手の“サイン色紙”をプレゼントします!
ご希望の方は、番組WEBサイトのメッセージフォームからお送りいただくか、Facebookのアカウントをフォローしてコメントをしてください。
当選者には番組スタッフからダイレクトメッセージを差し上げます。



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