Athelete News
  • mixi
  • Facebook
  • ツイッター
  • Google
16.07.09
トップアスリートも実践する体のつくりかた
今週の「Athlete News」は、先週に引き続き、体幹トレーニングの第一人者で、サッカー日本代表、長友佑都選手を指導するプロトレーナー・木場克己さんにお話を伺いました。


──自宅でも簡単にできる体幹トレーニングを教えていただきたいと思います

まず、姿勢を良くするトレーニング。体幹トレーニングというよりも、むしろ背中の筋肉をしっかり使って、まず立っていただいて姿勢がすごく大事なんです。
骨盤の幅に足を広げて、つま先は真っ直ぐ、顔は真正面を向きます。

両手を腰に当てていただいて、この状態から肩甲骨を寄せるように肘を後ろの方にぐーっと持ってきて3秒キープします。
そして、一回リラックスします。
これを5回繰り返すことによって、頭を支えている首、背中の筋肉が頭を後ろに引き寄せてくれるので、そこで姿勢が良くなるんですね。
横から見たときに、耳と肩と腰骨と土踏まずを一直線にするのがベストです。

2つめは、女性とかモデルさんにも使えるトレーニングなんですけど、同じように腰に手を当てて、今度は右足を左足のつま先の前に、右足のかかとを前に持ってきます。

──足の幅で一歩ずつ進んで、何歩分か測るみたいな形ですね

今度は内腿をぎゅっと締めます。ぎゅっと締めるっていうのは、内腿の筋肉をはさみつけるという形にして、そこでバランスを取るんです。

──これ、立っているだけで難しいですね

これを10秒キープします。
そして、今度は右足、左足を交互にして10秒キープします。その時に頭がぶれないように、しっかりと内腿でぐっと閉じてキープします。
これをやり続けると、モデルさんみたいに綺麗な動きの歩行ができます。

──右、左、10秒ずつを何セットずつやればいいんですか?

これを3セットですね。
例えば、これからお出かけするという時に、この運動をして出かけるとシャキッとします。
即効性があるもので、信号待ちとかでやるだけでもいいですね。
女性の方とか、内腿って落ちやすいんですよ。年をとってきてO脚になったりとか、膝が痛くなったり。

──O脚っていうのは、もともとの骨格というだけではないんですね

そうですね。筋肉が緩んできて、外側の筋肉が強いので、そこで引っ張っちゃうんですよ。
ぜひ、やってもらえれば美脚になると思います。

3つめは、体幹トレーニングの中でも、アスリートによくやらせるやつがあるんですけど。
まず、気をつけをして立ってもらいます。そこで、両手を前ならえするんです。
この時に、膝を曲げた状態で右足をおへその高さまで上げます。

そして、一度、腕も足も下ろしてもらって、これを3秒かけて両腕を上げながら片足を上げます。
その時にぶれないように、しっかりとお尻の筋肉で支えて10秒キープします。これが、体幹トレーニングです。

──お腹にもくる気がしますね

お腹の中のインナーマッスルも、大腰筋という筋肉があって、陸上のボルトが発達してる筋肉なんです。
この大腰筋が鍛えられると、骨盤が安定して姿勢も良くなります。
それにプラスして、アスリートメニューなるんですけど、瞬間的に両手と右足をパッと上げます。
ぶれないように、しっかりと5秒キープさせます。
瞬間的に反応させる筋肉というのが、トップアスリートなんですね。
それができるようにならないと、怪我をしやすくなっちゃうんですよ。筋肉って、反応がないとダメなんですよね。

──難しいことは難しいですけど、時間的にはそんなにかからないですよね。1日1回でいいんですか?

1日、1回〜2回くらいで、集中することが大事なんですよ。
”いま、頭が下向いてないか”とか、”ぶれてないか”とか、ひとつひとつの動きがちゃんとしたものに繋がっていくので。

──今週も、木場克己さんのお気に入りの一曲を伺います。木場さんがトレーニング中に流している曲や、選手に教えてもらって気に入ってる曲などを教えてください

試合前は、けっこうリラックス系の音楽を聴く選手が多いので、いろいろアンケートをとってきました(笑)。
ゆずさんの「栄光の架橋」が多かったですね。

──木場さんにとっても、オリンピックは特別な舞台だったりするんですか?

そうですね。やはり4年に一回のスポーツなので。
その時に、タイミングが良くてオリンピックの予選会に行けたとか、逆にタイミングが悪くて、それを逃したという選手を見ている中で、4年に一回のオリンピックにかける選手の思いはすごいので。
その思いに対して、自分がどこまで出来るのかっていうところを、一人一人と向き合ってやっていきます。
そこに行き着くっていうのは、それだけの努力をしないと行き着かないので、応援しながらサポートしているつもりですね。

──選手と長く付き合っていくと、若い頃のトレーニング方法と、選手としてピークを越えた後のトレーニング方法は変わっていくものなんですか?

変わってきますね。ベテランになってくると、例えば4年前のメニューをやっても壊れる選手はいるので。
22歳のピークを過ぎると、だんだん落ちてくる、そこは細胞の部分なんですけど。
あとは、怪我をしないためにトレーニングをベテランの人に教えています。
トップアスリートは、自分の中でも”トレーニングメニューはこれがいい”とか、ピックアップできるようになってきてるので、そこが自己管理に繋がっていると思います。