──亮太さんには、大谷翔平選手がドジャースに移籍が決まった時に急遽電話でご出演いただきました。
あれから1年を振り返るとすごいですね。
(大谷選手は)トミー・ジョン手術から始まって、今年1年間はリハビリを並行しながらのシーズンだったんですけれども、今年はピッチャーをやらないということで、じゃあ、ピッチャーをやらない分どこに力を注ぎ込もうかといった時に、盗塁になったじゃないですか。
とはいえ、過去を振り返ると、そこまで、何十個も盗塁するような選手ではなかった選手が、いきなり今年で59個。イチローさんの記録を破るんですよ。
ベースが若干大きくなったり、牽制が回数が決められたりと変更があるので走りやすい状況にはなっているにしても、やっぱりあそこまで走るのはすごいですよね。
──これはやっぱり、ベッツがデッドボールを食らって骨折して、これまで(大谷選手の打順が)2番だったのが1番になってから、意識がより強くなったのかもしれないですよね。
2番だったとしても、多分、フリーマンの状態を見ながらとか、次のバッターに回った時には走っていたと思います。でも、ベッツもある程度ボールを見てくれたり、大谷のスチールを気にしながらの打席が多かったので、そこまで増えたのはベッツのおかげでもあるのかなと思います。
──その盗塁もあって、50-50(50本塁打50盗塁)。史上初です。一旦、ホームランのペースもちょっと止まった時があって、50-50はいかないかな、なんて心配をしていた時期もあったんですけど、打ち始めたら止まらなかったですね。
9月は打率が一気に落ちたんですよね。3割を切って2割9分ぐらいまでいったので、もう大谷選手はホームランと盗塁の2つに絞ってきたなと思ったんです。
もちろん、シーズンを戦っている中で、チームの勝ちのために自分がどういった役割をこなさなければいけないかという話はしていると思いますが、一方で、狙えるところは狙ってくる選手であると思うので、ここまでで40-40を超えて、次は50-50を狙っているなと思ったんです。だから、打率は下がったけれど、ホームランは出ているんです。
でも、そちら側(ホームランと盗塁に集中)に行くかと思ったら、そのあと最後の最後、打率も一気に上げて。
──トリプルスリーを達成してくれた。結局は、54本塁打、そして130打点で2冠。ただ、ワールドシリーズの第2戦、盗塁の時に左肩を負傷してしまって、そのあと、強行出場はしていたんですけれども、バッティングの方はなかなか思うようにいかず、さらには手術もしたと。
相当痛そうでしたよね。ロバーツ監督がベンチを飛び出る時のあの表情も覚えています。僕も、それを見ながら“終わった…”みたいな。
(その後)本来だったらもちろん出ていないけれども、ワールドシリーズ最後で、大谷選手がいるといないとではやっぱり違うじゃないですか。
だから、肩を痛めた次の試合でバッターサークルでスイングしているのを見て、“うわ、大谷が振ってる!”と思ったんですよ。やっぱり相手ピッチャーも、大谷選手がどの程度振れるのかというところは気になっていたはずなんです。前の日に肩を痛めている選手がどのくらい振れるのかと思ったらバンバン振っているので、あれを見て、投げる側は“大丈夫なんだ”と思うんですよ。
実際に1打席目、ストレートのフォアボールですよ。やっぱり存在感があるなと思いましたね。
──結局はヒット1本に終わりましたけれども、フォアボールだったり、貢献はしていますよね。
やっぱりいるといないとでは違いますよ。
打席に立つこととかスターティングラインナップに名前が上がるだけでもチームの士気は保たれると思うので、本人もそこを意識して強行出場したんじゃないのかなと思います。
──亮太さんもトミー・ジョン手術を経験されていますが、手術をしたら、やっぱりトレーニングに制限がかかるものなんじゃないんですか?
でも、(大谷選手は)手術したのが去年の9月とかですよね。なので、半年ぐらい経ってからかな…制限というよりは、筋量自体は若干弱くはなっているので、最初のキャンプ中とか、あとは前半戦は多少の違和感があったと思います。でも、それでもやっちゃいますもんね。痛みはないにしても、可動域の制限があったり、あとは若干の怖さも最初はあったんじゃないのかなと思うんですけれども。
──左肩の手術、どれくらいの程度なのかわかりませんが、やっぱりこのオフはトレーニング制限されそうな気もします。
術後多分1ヶ月、もしくは、もう少し安静にしていなきゃいけないのかなと思います。若干動かすぐらいのリハビリはもちろんすると思うんですけれども、そうなるとピッチングが若干遅れますよね。その間、打てないのもそうなんですけれども、投げられないので。
ドジャース自体は日本の開幕、キャンプには間に合うという話をしていたので、打つ方は問題ないのかなと思うんですが、投げる方がどれくらい遅れるかなと。
──ドジャースのGMは、「ポストシーズンに投げてくれればいい」みたいなことを言っていましたけれども。
でも、やっぱり今年、ドジャースは苦しかったんですよ。先発ピッチャーがことごとく怪我をして、残ったのが3人。一方、ヤンキースはしっかり4枚いる、プラス余った先発ピッチャーがブルペンに回ることができるという状況で、先発ピッチャーに余裕があったんですけれども、ドジャースは足りない状況だったので、最後に(大谷選手が)いてくれるかいないのかというのは、非常に重要じゃないですか。そういうところで、シーズン中は大谷選手には絶対に定期的に先発が回っていくはずなんです。
でも、手術後リハビリ明けの1年目なので、球数制限であったり、投げる感覚というのは、他のピッチャーとは違うと思います。大事に投げて最後までいてくれれば、ドジャースも地区優勝はほぼほぼ当たり前のような感覚で来ているので、その先のポストシーズン、同じようにワールドチャンピオンになるためにはピースとして絶対に欠かせないよね、というメッセージだと思います。
──ピッチングを開始して、素晴らしいピッチングをしてほしいと期待してしまいますけれど、一方、今シーズンは打つ方に専念できましたが、例えば相手の研究だったり配球だったり、もちろんブルペンに入ったりということで、今シーズンほどの打撃成績は残せないのかなと。
そうですよね。疲労とか疲れがある中で、野手としても出ていかなければいけないとなると、今年よりは負担は大きくはなるので。
僕は、ホームランは出続けると思うんです。ただ、盗塁の数は一気に減ると思います。
──そして、佐々木朗希選手も話題になりました。ちょっとびっくりしましたね。25歳未満の選手だと、どうしても契約金が抑えられたり、あとはマイナー契約になってしまったりということがあっても、1年でも早くメジャーに挑戦したいということなんですよね。
だから、お金ではないですよね。25歳まで待てば、海外のFA権を取得した人と同じ権利を持っているので、資金力のあるチームが優先的に採ることができるんですけれども、今回は25歳未満ということで、感覚で言うと、メジャーのドラフトにかかった大学生と同じような扱いですよね。契約金の条件もある程度決まってくるし、年俸も決まってくる。3年間はその年俸でやらなければいけないということと、そこで頑張ればその後の3年は年俸調停の権利を持つことができるので、そこから年俸が上がってくる。
大谷選手も同じですよ。最初に行った年は、3年間は何とかメジャーでしっかり残って結果を残す。そこから先は年俸も上がってくるので、メジャーにいないことにはどうにもならない。
──でも、実力的に言えば、順調に怪我なく行けば、メジャーには確実には上がるでしょうし。
ただ、佐々木投手も年間を通して投げきったことがまだないので、採る球団は、ある程度ローテーションをしっかり守ってもらいましょう、というよりは、投げて、ある程度間隔を開けながら状態を見ながら、というシーズンにはなるのかなと思いますけれど、それでもしっかり回れば10勝以上はできる力はあるので、楽しみですよね。
──佐々木朗希投手はどこへ行くと思いますか? 間違いなく全球団が手を挙げるじゃないですか。
資金力がないチームでも獲得できるチャンスがあるので、ほぼ全球団手を挙げると思います。
──先輩たちがいるドジャースという話もありますけれども。
もしドジャースに行ったら、もう日本人はドジャースしか行かないんじゃないかみたいな感じなっちゃいますね(笑)。
もちろんサンディエゴ・パドレスも話には上がってるんですけれども。ダルビッシュ投手もいますし、カブスにも日本人選手はいますから、本人がどういったことを思って行くかじゃないでしょうか。
例えば、投手力がそんなに強くないチームだったら、メジャーで投げ続けるチャンスがあるじゃないですか。チャンスがあるチームで投げたいのか。それプラス、あとはやっぱり地区優勝とかポストシーズンに上がれる強いチームの方が、終盤までモチベーションを保ち続けることができるので、そういったチームでやった方が刺激は強いですよね。となると、強いチームでなおかつ資金力もあるチームを優先してくるのかなとも思います。
でも、ドジャースに行ったらそれはすごいなと思うんですが、東海岸にそろそろ誰か行ってもらえないかなと(笑)。
──(笑)。確かに、ちょっと偏り過ぎるとそれはそれで…と思いますし、まだまだ育成が必要な気もするので、そういうところがしっかりした球団に行くのもいいですよね。あと、データ分析とかがすごいじゃないですか。菊池雄星投手はブルージェイズでも活躍していましたけれども、アストロズがもっとスライダーを使った方がいいということで獲得して、それからもっと成績が良くなりましたね。
良くなりました。本人に勝ちはつかなくても、チームとしてほぼほぼ勝っていたので、移籍して良かったですよね。
やっぱり、ピッチング内容の配給の割合ですよね。今お話したように、スライドの割合を増やすなどということで、キャッチャーのリードですよね。菊地投手の良いものを引き出すというところで言うと、やっぱり強いチームは上手いです。
──さて、この番組は、毎回ゲストの方にCheer up songを伺っています。亮太さんの心の支えになってる曲を教えてください。
とんねるずさんで、「一番偉い人へ」。
この間、(武道館の)コンサートに行ってきたんです。20何年ぶりとかですよ。僕が子供の頃見ていたとんねるず、そしてあの歌をライブで聴けちゃったんです。こんな大人になっても聴けるんだという、この喜び。
──青春時代だったり子供時代に聴いた曲って、ちょっと別物ですよね。
あの頃、“テレビってすごい大人だな、面白いな”と思って見ていて、自分がそういう人たちと仕事をするとも思っていなかったし、時代が変わってもこうやってコンサートをやってくれるとんねるず…いろいろあの頃を思い出しますよね。
初心だったあの頃、何も考えず鼻水垂らしながら野球をやっていたあの頃を思い出します(笑)。
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