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2022.11.05

親子で臨む!いよいよ「ラリージャパン2022」開幕!!

今週の「SPORTS BEAT」は、今月の10日から開催される世界ラリー選手権の日本ラウンド「ラリージャパン2022」特集!
先週に引き続き、ラリードライバーの勝田範彦選手をゲストにお迎えしました。

勝田範彦選手は、愛知県出身。
TOYOTA GAZOO Racingに所属する54歳。
全日本ラリー最多となる9冠王者に輝く、日本を代表するラリー・ドライバーです。
父は、初代全日本ラリー選手権王者、勝田照夫さん。
息子の勝田貴元選手は、世界で活躍中のラリードライバーという、3世代に渡るラリー一家。
来月のラリージャパンには、勝田範彦選手と息子・貴元選手が、クラス別で親子参戦されることが注目されています。

今回は、高見さんによるインタビューをお届けしていきました。


──「ラリージャパン2022」、いよいよですね。勝田選手も参戦されますし、息子さんの勝田貴元選手も出場されるということで、親子で参戦される心境というのはいかがでしょうか。

まさか息子と一緒に走る機会があるなんて思っていなかったので、それはそれで嬉しいですね。

──ここからは息子さんの貴元選手についてお話を伺いたいと思います。貴元選手は世界ラリー選手権にフル参戦している唯一の日本人ドライバーということですが、お父様からご覧になって、貴元選手の選手としてのすごさはどういったところなんでしょうか。

吸収が早いですね。もともと、レーシングカートから(スタートして)フォーミュラと、サーキットをずっと走っていたんです。それで、フォーミュラのF3というカテゴリーのマシンに乗っていたんですけど、ある時、突然、「ラリーをやる」と言ってきたんです。
そこから、まず最初に北海道の雪道に連れて行きました。その中の練習では、ドライビングテクニックの幅がものすごく狭かったんです。フォーミュラをやっていたので、フォーミュラって、スライドとか横滑りとかカウンターステアとか、ダメなんですよ。横に滑ってはダメ。まっすぐ車を走らせないとダメなんです。でも、雪道は横に滑りますよね。横に滑らせてうまく走らないといけないんですが、それができなかったので…そこから始まったんです。
「これは本当に(ラリーに)転向して大丈夫なのか?」と思ったんですけれども、でもその3年後には、雪のラリーで、WRC2という世界で最高峰のカテゴリーの1つ下のクラスで優勝してしまったんですね。ラリーは特に経験値が成績を左右すると言われているんですが、でも、それを跳ね除けて、3年で世界トップに上がるなんて考えられなかったですね。
あの時は、地元の百戦錬磨の選手もいましたし、その中で優勝したので、すごく価値があったんです。「これは本物なのかな」と思いました。

──どうして貴元選手はここまで世界で活躍できるんでしょうか。

僕もわからないです(笑)。フォーミュラでやってきたことがすごく活きているなとは思いますね。
サーキットのドライバーって、例えば1コーナーのグリップの限界というものを全部分かっているわけです。だから、そのコーナーを曲がれる速度の限界も分かっています。ですから、本当にタイヤの限界ギリギリを使って1千分の何秒を争うレースから培ったものというのは、非常に大きいと思います。
どちらかというと、ラリーで育ってきた僕たちは、“限界ギリギリで攻める”ということができないんです。“ちょっと一歩引いて攻める”というのが、今までのラリーの走り方だった。でも海外に行くと、例えばラリー1のトップクラスに行くと、それだと全然通用しないんです。ギリギリを攻めないといけない。映像を見ていても、運もすごいし、テクニックもすごいし、全てがすごい。だから、(貴元選手が)その中でやっていけるのは、フォーミュラでずっと1千分の何秒を戦ってきた経験がすごく活きていると思いますね。

──ラリードラーバーとして、「親子だな、似てるな」と感じる部分はありますか?

ありますね。忘れ物が多い(笑)。
ラリーでは、今は僕の方が貴元から教わっている部分が多いですね。「こういうところはどういう風に入っていくのか」とか、今は僕が教わっています。色々知っておいて損はないですし、あわよくば、貴元のシートを狙っているので(笑)。

──逆に、ラリードライバーとしての違いは、どういうところが大きいですか?

(貴元選手は)すごく勝ちに貪欲ですね。「絶対に負けたくない」という気持ちが強い。だから、2位や3位では全然満足していないんです。この前も、サファリ・ラリーで今年3位になったんですが、僕が「おめでとう」と送って返ってきた返事が「あざーす」だったので(笑)、納得していないな、というのはひしひしと感じましたね。だから、やっぱり2位3位じゃダメで、“1番を獲りたい!”という気持ちが人一倍大きいと思います。

──息子さんの走りも非常に楽しみですけれども、勝田選手ご自身の、ラリージャパンの目標、意気込みをぜひお聞かせください。

それはクラスで一番を獲るのと、世界で活躍しているFIAの車とどれくらい違うのかというところを見たいので、全力で頑張ります。

──さあ、そしてこの番組では、毎回ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。今週も勝田選手の心の支えになっている曲を教えて下さい。

“心の支え”というか、よく聴く曲で、安室ちゃん(安室奈美恵)の「HERO」。僕はこの曲が大好きで、最近はドライブの時とかによく聴きます。

──最後に、いよいよ来週に迫った「ラリージャパン2022」に向けて、ファンの方や初めてご覧になる方に一言メッセージをお願いします。

このラジオをお聴きのみなさん、コロナ禍で2年中止になって待ち遠しかったラリーファンのみなさん、いよいよ来週は「ラリージャパン2022」です。ぜひ、世界の走り、世界最速の車と世界最速の男たちのラリーを観に来てほしいと思っています。絶対に価値があると思いますし、世界観も変わると思います。

──「ラリージャパン2022」、本当に楽しみです。みんなで盛り上がっていきましょう!


今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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