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2024.10.19

日本セーリング界20年ぶりの快挙!銀メダル獲得の裏側

今週の「SPORTS BEAT」は、パリオリンピック、セーリングの混合470級で銀メダルを獲得した岡田奎樹選手のリモートインタビューをお届けしていきました。
──まずはパリオリンピック銀メダル獲得、おめでとうございます!

ありがとうございます。

──いろいろなメディアでも、日本セーリング界20年ぶりのオリンピックでのメダル獲得と話題になりました。ゴールした瞬間のお気持ちというのはいかがでしたか?

やっぱりすごく嬉しかったですし、自分たちのやってきた成果が結果に表れて、とても良かったと思います。

──岡田選手とペアを組む吉岡(美帆)選手とのゴールの瞬間を収めたとある写真で、岡田選手はガッツポーズなのに対して、吉岡選手はどこか冷静な佇まいといった1枚がありました。岡田選手と吉岡選手のゴールした瞬間の温度差というものはあったんでしょうか?

(最後)あとは走り抜けるだけだったので、自分はフィニッシュする前からもう少し喜んでいたんです。マラソンなどでも、ゴールテープを切っていないけれどちょっと手を上げてゴールする、みたいなことがありますよね。そんな感じで、ちょっとガッツポーズしながらフィニッシュラインを切るという形だったので。吉岡さんはフィニッシュしてから喜ぶ、という感じだったみたいです(笑)。

──セーリングの470級というのは、2人乗りのヨットで海面に設けられた「マーク」と呼ばれるブイを決められた順序で回りながら順位を競う競技ということなんですけれども、このセーリングの470級というのは、メダルレースはどういった形で進められていくのか、また470級の魅力をぜひお聞かせください。

メダルレースは得点が2倍になりまして、通常だと1位が1点、2位が2点というところを、1位が2点、2位が4点という風に点数が加算(合計点数が一番低いチームが優勝)されまして、逆転しやすいようなレースの形式になっています。レースの時間も、通常だと35分、40分ぐらいのところを、20分から25分ぐらいで終えるような長さになっていて、一瞬で勝負が決まると。20分は長いかもしれないですが、そのようになっています。
やっぱり大自然の中でスポーツをするということがセーリングの魅力の1つで、470級はそんなにスピードが速い方ではないので、チェスのように1つ1つ駒を進めていきながら、相手との駆け引きをしていくというところが大きな魅力です。

──岡田選手は「メインセール」と呼ばれる一番大きな帆と舵を操る「スキッパー」という役割ということですが、レース中はどんなことをされているんですか?

風速の変化と風向の変化があるので、それを読みながら自分たちの進路を決めていく、ということが主な仕事になります。他にもいくつか仕事はあるんですが、主な仕事はそういうところです。

──470級ではどういったことが大切になってくるのでしょうか?

種目的にも集団化しやすいというか、大きな差になりにくいんですね。なので、その集団に巻き込まれたりすると、大きく後退してしまったり、逆にそこから抜け出すと一気に前に出たりというところがあるので、より多くの集団、1つ1つの艇を見ていくということが大切になってきます。

──そのメダルレースの前では、岡田選手、吉岡選手ペアは3位でしたが、どういったことを吉岡選手とは相談されていたんでしょうか。

自分たちの点数的に2位になれる可能性はすごく高いけれども、金メダルを獲れる可能性は点数差もそれなりにあったので難しいのかな、という判断でした。吉岡さんは「銅メダルでもいいからそのポジションをしっかりと守るレースをしていこう」という意見でしたが、自分は「銀メダルを目指したいから1つでも上に上がれるようなレースをしていこう」といった流れで、少し話のゴールが違ったんですが、最終的には自分の意見を通してもらって、「銀メダルを目指そう」というレース内容にして、何とか銀メダルを獲れたので良かったなと思います。

──ペア選びはどういったところに重きを置いて選ばれるんでしょうか?

自分の性格は、セーリングに対してはガツガツ行く方で、結構、我が強いところがあるので、周りを全体的にオブラートに包んでくれるような選手が自分と合うのかなと思っています(笑)。そういったところで、やっぱりペア同士の人間性の相性ということと、あとはどうしても身体的な能力も必要になってくるので、そこも重視しながら、コミュニケーションもちゃんと取れるような人がいいなと思います。

──そんなペアを組んだ吉岡選手とは既にペア解消を発表されています。そして岡田選手は、オリンピックから帰国した時の記者会見では、さらに輝く色のオリンピックメダルを目指すともおっしゃっていました。4年後のロサンゼルスへ向けては、お話できる範囲で、今、すでに何か動いているのでしょうか?

はい。もしかしたら乗る種目も変更するかもしれないですし、ペアも変わるので、そのペアとの相性でどういう船が良いのかというところを選んでいかなければならないので、その辺はしっかりと見ながら選択していきたいなと思います。

──470級ではないかもしれない!? それは、心境の変化というか、どういった事情があったんでしょうか?

470級で男女混合になって3年間やってみた中ですと、自分のポジションよりも、吉岡さんのポジションの操作する選手は身長がそれなりに高く体格が良い方が有利なんですが、吉岡さんは177センチだったんですけれども、それでも海外から見ると小さい方で、かなり苦戦もあったんです。
男性は180センチぐらいある選手はいるんですが、混合種目なので女性とペアを組まなくてはいけなくて、女性で180センチ以上ある選手がなかなかいないというのが現実的なところです。それで、かつ身長だけではなく、やはりヨットのスキルなども必要になってくるので、1年や2年でそれを獲得できるわけでもないので、そのあたりの選択が難しいところです。

──岡田選手はお話できるのはここまでとおっしゃっていましたけれども、ペアで臨まれるんですか?

そうです。1人種目だと自分も身長的なスペックが足りないので、ちょっと厳しいかなという感じですので。

──では種目は変わるかもしれませんが、岡田選手、更なる輝きの色のメダルを目指して、また4年後に新しい歴史を作っていただきたいと思います。

はい、頑張ります。

──応援しております。
さあ、この番組ではゲストの方にCheer up songを伺っています。岡田奎樹選手の心の支えになっている曲を教えてください。

AK-69の「もう1ミリ(feat. 般若)」です。
セーリングでは、実際にゴールする時は10m、20mという差になっているんですが、それは40分かけてその差なので、1秒1秒あたりには本当にもう何ミリかの世界でしか差がついていないというところで、「その瞬間瞬間、1ミリでもいいから相手の船よりも前に前に行こう」というコツコツの努力がすごく大切で、そのコツコツ感がある歌だなと思っています。

──この曲はどういった時に聴かれますか?

どちらかというと、苦しい時、ちょっと負け気味な時に聴くことが多いです。負けそうになるというか、点数的にしんどくなってきて「ここがちょっと踏ん張りどころだな」みたいな時によく聴きます。


舵社から出版されている、ヨット、モーターボートの雑誌「月刊KAZI(カジ)」に岡田奎樹選手のサインをいれて、1名の方にプレゼントします。
こちらには、20年ぶりの快挙となった、パリオリンピック銀メダルを獲得した岡田奎樹選手と吉岡美帆選手が特集されていますので、ぜひご覧ください!

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そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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