TOKYO FM & JFN38 STATIONS EVERY SAT.10:00-10:50

SPORTS BEAT supported by TOYOTA

TOKYO FM & JFN38 STATIONS EVERY SAT.10:00-10:50
TOP > SESSION-1
2022.10.08

パルクール日本選手権直前!「自分のベストを見せたい」

今週の「SPORTS BEAT」は、パルクールアスリートの泉ひかり選手をゲストにお迎えしました。
泉ひかり選手は、大阪府出身。
TOKIOインカラミ所属の26歳。
高校時代にパルクールを始められました。
2019年のFIG パルクール ワールドカップシリーズでは、スピード部門で1位、フリースタイル部門で2位に輝きます。
昨年の日本選手権では、スピードランで優勝するなど、国内外で活躍されています。



──泉選手、お久しぶりです。以前、この番組にゲストで来ていただいたのが2019年ということで、あれから3年経つんですね。

そうですね。まさか3年ぶりに戻ってこれるとは思っていなかったので、すごくワクワクしています。

──あっという間に3年経ったという感じですけども、その2019年に得意のスピードラン部門でワールドチャンピオンに輝いたりと大活躍をされていて、ご自身でも手応えを相当感じているのではないですか?

そうですね。元々パルクールを始めた時には“競技”というイメージが全くなく、大会なども少なかったので、この3年でパルクールの競技化が進んだことによってこんなにも大会に出れる機会がもらえるとは想像もしていなかったので、“手応え”というよりは、なにか不思議な感じですね。

──大きな大会が2つあるという。まずは10月9日に有明アーバンスポーツパークで『パルクール日本選手権』が開催されるということで、これに向けての目標と意気込みを聞かせてもらえますか。

日本でこういう大きな大会が開催されることは少ないんです。でも、開催されることで日本の方々に実際に現地に来て選手の動きを観てもらえたりするので、その中で自分らしい動きだったり、パルクールを楽しんでもらえるように全力を尽くしたいなと思います。

──いわゆるパルクールの日本一を決める大会でもある、ということですよね。

そうですね。ここで勝った人たちと、1年間の結果が出ている選手が、次の週にある世界大会に出場できるので、たぶん、みなさん全力で自分らしい動きをかましてくると思います。

──今世界選手権にまだ出場が決まっていない選手も、日本選手権の頑張り次第では世界選手権に出場することができるんですか?

そういうことです。やっぱりそこ(パルクール日本選手権)で、応援してる選手が「世界選手権決まりました!」となったら、観ている側の方々もすごく楽しいだろうなと思うので、“この選手を応援したい”という選手や“この人の動き好きだな”という選手を見つけて応援してくれると嬉しいなと思います。

──そして明日は日本選手権なんですけれども、その翌週14日から16日にかけて、同じく有明アーバンスポーツパークで、第1回パルクール世界選手権が開催される。これは元々は違うスケジュールだったんですよね?

そうですね。何回か延期になって、やっと少しコロナが落ち着いてきて海外選手も来れるということで、このタイミングになりました。

──大きな大会が続くというのは、逆に調整しやすかったりするものなんですか?

今まで“(大会の)一週間後に次の大きな大会”みたいなことはあまりなかったんですが、今回の感覚としては、前の週に大会をやって、大会のメンタルをそのまま次の週に持っていけるというか、ずっとフォーカスしながらいられるので、1ヶ月2ヶ月開いてしまうとかよりはやりやすいんじゃないかなと、個人的には思っています。

──これは2週続けて行われるんですが、そのセットは違うものになるんですか?

セットの詳細は聞いてないんですけれども、同じ場所で開催されるので、もしかしたら一緒かもしれないとは思っています。

──そうなると、明日の選手権で戦って、その場所をよく知っているというのはアドバンテージになりますね。

なりえますね。今までの大会は、毎回その前日に行って初めてコースが分かる、みたいな感じだったので、(もしセットが同じならば)日本人は少し有利なのかなと思います。
実際にセットに触れて、1回動いてみて“これが良かった”“悪かった”と考える時間があるので、そこで調整も上手くいけばいいのかなと思っています。

──大会の前日に初めてセットを見るとおっしゃってましたけれど、そこで練習はできるんですか?

できます。世界の大会は、大体、前日にけっこう長めの練習時間があって、そこで実際のものに触りながら、“自分が考えていた流れで動きができるのか”などを試して次の日の本番に備えます。

──全選手が同じ時間帯に練習するものなんですか?

男女と種目で分かれているんです。その種目ごとに練習しているので、スピードランの時は“みんなずっと走っている”みたいな感じで、フリースタイルの時は“いろんなルートを確認しながら譲り合いながら使っている”という感じですね。

──そうなると、他の選手たちがどんな技をどこでやるかとついつい気になってしまったりしないんでしょうか。

すごく気になりますね。あと、今までは世界大会に出る日本人選手は少なかったんですけど、今回の日本選手権で“世界規模のセットで日本人選手が動くとどうなるか”というところを見ることができるので、動きの引き出しとか、“こういう使い方があるんだ”みたいなところも参考にしながら世界選手権に臨めるのかなと、ちょっと期待しています。それも含めてすごく楽しみですね。

──そう聞くとかなり有利なことになりそうな気もしますけれども、練習中に、他の選手と相談とか、話をしたりするようなことはないんですか?

全然あります。(例えば)何個かルートがあって“ここに行ってもいいし、上に行っても下に行ってもいいな”みたいな時に、「どっちに行ってみる?」「どっちの方がやりやすかった?」とか話し合いながら(練習をしたり)、「ここをこうしたらうまくいったんだよね」という話をすることもあったり、けっこう選手同士でコミュニケーションを取ったりしますね。

──ライバルでもあるけれど、友達とまでは言わなくてもコミュニケーションも取っている、という感じなんですね。

大会があるから点数がつくし、“ライバル”みたいな感じになってしまうと思うんですけど、元々パルクールは、コミュニティとして、カルチャーとしての色が強いので、人と比べて“この人に勝ちたい”というよりは“自分のベストを出したい”という気持ちの方が強いんです。大会に行く理由も、“いろんな国の人たちと交流する機会が得られる”というところが自分の中ですごく大事なので、そういう意味ではよくコミュニケーションを取りますね。

──去年の夏、東京オリンピックの時に、スケートボードで“みんなで称え合う”というシーンがすごく印象的で、“ライバルでもあるけれど、そうじゃないんだ”と思ったんですが、パルクールの中でもそういう雰囲気がある?

すごくあります。勝てる勝てない関係なく、その人その人のスタイルがよく出ている動きとかを見ると、すごく盛り上がったりしますね。
本当に誰が優勝しても誰が勝っても嬉しいし、本当に選手同士仲が良くて、仲間意識が強いのかなと思います。

──世界選手権の意気込みを聞かせてください。

日本選手権からの世界選手権で2週に渡って大会があって、世界選手権という大きな大会を日本でいろんな人に見てもらえる機会なので、そこで自分のベストな動きを出せればいいなと思います。

──2週に渡って日本選手権、世界選手権が観られるわけですよね。続けて行くと、世界とのレベルの差というものにも気付けるかもしれないですね。

やっぱり、国ごとで練習できる環境って全然違うじゃないですか。日本人はフリップだったり綺麗なアクロバットのイメージが強いんですけど、海外のヨーロッパの選手だったら移動系が強かったりするんです。そういう、普段練習している場所によって選手それぞれの引き出しも違うところが面白いと思うので、日本選手権も世界選手権も両方観てほしいなと思います。

──さて、この番組では、ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。泉選手の心の支えになっている曲を教えて下さい。

日食なつこさんの「水流のロック」です。この曲を初めておすすめされた時に、“テンポ感”というか、曲の始まりからワクワクするような曲調で、流れるような無駄のないメロディが、自分の好きなパルクールに通ずるなと思っていて、歌詞もだんだん曲が進んでいくにつれて前向きになっていくので、パルクールをする前に聴きたい曲になっています。

──明日の大会も水流のような流れる演技を!

はい! 目指したいと思います。

──最後に、パルクールを観戦するにあたって、泉選手ならではの競技の見どころを1つ教えていただけますか?

パルクールは、毎回セットが変わって、そのセットによっていろんな選手が色々な動きの引き出しを見せてくれるスポーツなので、観ている方々も“このセットだったら自分はどういうふうに動くんだろう”とか“どういうふうに移動したら面白いんだろうな”とか想像しながら観ていただけるとすごく楽しいかなと思います。

──毎回、大会によってセットが違うというのは、すごく新鮮で観ていて楽しいスポーツなのかもしれないですね。

はい。他の競技だとコートが決まっていたり道具が決まっていたりするんですけど、パルクールは道具もなく、コースも毎回違って毎回全然違う動きが見られるので、“1人の選手にフォーカスしても毎大会違う動きが見られる”というところも、すごく面白いかなと思います。



今回お話を伺った泉ひかり選手のサイン入り色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。 ご希望の方は、番組公式ツイッターをフォローして指定のツイートをリツイートしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。

そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
放送できなかったトークが盛りだくさん! ぜひ聴いてください!
過去1週間分の番組が無料でお楽しみいただけるradikoタイムフリー
番組を聴いて気に入ったら、SNSで友達にシェアしよう!
10月8日(土)OA分の放送はこちら