佐野恵太選手は、1994年、岡山県のご出身。
2016年のドラフト会議で横浜DeNAベイスターズから指名を受け入団。
2020年にはチームの主将に抜擢され、首位打者のタイトルも獲得。
今シーズンも3年連続のAクラス入りへ、チームの主軸として活躍していらっしゃいます。
今回は高見さんが横浜スタジアムを訪問し、お話を伺っていきました。
──7月は22試合すべてにスタメン出場、打率3割7分9厘、ホームラン2本、打点16点、得点圏打率は4割2分9厘と好成績を収めまして、7月の月間MVPを獲得されました。おめでとうございます!
ありがとうございます。
──交流戦を経てグッと成績が上がったような気がしますが、今シーズンに入ってからの調子はいかがだったのでしょうか?
そうですね。交流戦が始まるまでは、あまり自分の打撃というものができずに自分でもモヤモヤしていましたし、交流戦に入って2週目ぐらいですか、試合に出れたり出れなかったりした時期もありましたし、自分のバッティングというものを一度見つめなおすタイミングがそこで来たのかなという感じですね。
──バッティングを見直されて、どういったところを改善されたんでしょうか?
体のコンディショニング的に、今までのバッティングフォームとちょっとズレが生じてきていたので、まず、良かった時の、2年前、3年前の自分のバッティングフォームを一度確認して、それに戻す、近づける。そういった中で何かヒントがあればいいなと思いながら、コンディショニングのトレーナーの方と相談しながらバッティングフォームの変更に着手していきました。
──それで、みるみるうちに成績が良くなっていって、わりとすぐに調子は上がったんでしょうか?
3年ぶりぐらいにバッティングフォームの改善に取り組んだので、最初の10試合ぐらいは、“これかな、どうかな”というところがありながら…それがちょうど6月の真ん中ぐらいの時期だったので、7月に入る前あたりには、これで大丈夫かなという感覚にはなりました。
──調子が良い時に、その良い状態を保ち続けるために何か意識していることはありますか?
プロの世界に入ってから、変化していくものはしょうがない、というか、その時の自分の体や状況でバッティングフォームや感覚というものは変化していくので、あまり“前に戻す”みたいなことはせずにここまで来ていて、その前に戻すという作業を始めたのは初めてだったので、その不安はちょっとありました。
──入団後、筒香(嘉智)選手にバッティングの教えを請うなどしていたそうですが、筒香選手の5年ぶりの横浜復帰は、佐野選手にいい刺激があったのではありませんか?
もう一度プレーを一緒にできるということはすごく楽しみです。
また僕の成長したところも見てもらいたいなと思うんですが、ポジション的には(自分と)丸被りだったので、これは自分も頑張らないと出れなくなるなって(笑)。半々の気持ちです。
──筒香選手が復帰されてどんなコミュニケーションを取られたんですか?
5年前に戻ったかのような…自分も今年で30歳ですけど、25歳の時に戻ったような感覚でした。本当に、吸収すること、勉強することがたくさんある選手ですし、これからも自分の成長につなげていきたいなと思います。
──筒香選手との関係性も何かちょっと変わったような?
そうですね。本当に、5年前とは何か違う…多分、気を使ってくれているのもあると思うんですが、何かまた違った雰囲気だったり空気感を感じますね。
──筒香選手から佐野選手に主将を引き継いで、この度、牧秀悟選手に引き継がれましたが、何かアドバイスなどはされたんですか?
アドバイスといっても、牧は、野球はもちろんですけど、人間性も素晴らしいので、何も心配はしていないよということを伝えました。
ただ、真面目な性格で、それが故に自分のことを責めすぎたり変に追い込み過ぎるところがあることはちょっと心配していたので、キャプテンになってから今まで以上に自分のことも大切にしてほしい、ということも伝えました。
──牧選手に主将を引き継がれて、佐野選手は、今のチーム内のご自身の立ち位置はどのように感じていらっしゃいますか?
キャプテンをする前、23~25才の時は、本当に、“おふざけキャラ”じゃないですけど…(笑)をやっていて、(その後)4年間キャプテンをやって、もう今気づいたらチームでも真ん中より上あたりの年齢になってきているので、チームを盛り上げたり雰囲気を良くしたりというところは引き続きやっていきたいなと思います。
キャプテンは、本当に良い経験をさせてもらったなと思います。
小さい時から野球をやっていますが、なかなかキャプテンというものをすることがなく、ここまで来ていたので。あらためて、自分の言動を周りの選手は見ているんだよということを常に言い聞かせながら…そういうところは成長できたのかなと思います。
──横浜DeNAベイスターズ、3年連続のAクラスクライマックスシリーズ進出へ。どんな手応えを今、感じていらっしゃいますか?
つい先日まで大型連敗をしていましたし、今は踏ん張り時といいますか、常に大一番を戦っているという感じなので、目の前の一戦、一戦を落とせなくなってきたなという感じですね。
──チームとしてのお話を伺いましたけれども、個人としてはご自身にどんな期待を持っていらっしゃいますでしょうか?
試合の勝敗に絡んでいける、得点を生み出せるように、たくさんヒットを打ってチームを引っ張っていきたいなと思います。
──この番組では、ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。佐野選手の心の支えになっている曲を教えてください。
GReeeeN(現・GRe4N BOYZ)の「遥か」です。
中学生の時にGReeeeNがすごく流行りまして、「遥か」という曲は、(これから)甲陵高校の寮に入るという中学校3年生の時の当時の自分と、歌詞的にもすごくマッチしていて、寮に入る、家を出る不安な思いと曲が相まって、入寮前日に部屋で泣きながら聴いていました。
歌詞の“親元を離れる”みたいな感じが、(自分は)岡山から広島なのでそんなに遠い距離じゃないんですけれども、当時はすごく不安な思いが強くて(歌詞が自分と重なって曲に感情移入していた)。
今でもこの曲を聴くとその時の記憶がよみがえるというか、思い出の曲ですね。
──その頃の心境に戻るというと、寂しさも感じてしまいそうですが、逆にご自身を奮い立たせる要素もあったりするんですか?
そうですね。高校3年間で自分の野球人生というものが大きく変わりましたし、実家から通える高校にするという選択肢もあったんですけれども、それでも寮生活をして野球漬けの日々を送りたいという自分の選択は間違ってなかったのかなと今では思えますね。
──最後に、今シーズンにかける意気込みを教えてください。
もっともっと打撃でチームに貢献して、今、チームも苦しい状況になってきているので、そういう状況で活躍してチームを押し上げていけるように頑張りたいなと思います。
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