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2022.09.03

ビーチバレーブームの立役者!「仕掛けが大事」

今週の「SPORTS BEAT」は、先週に引き続き、元バレーボール日本代表の川合俊一さんをゲストにお迎えしました。
川合俊一さんは、新潟県出身の59歳。
ロサンゼルスオリンピック、ソウルオリンピックと2大会連続で出場。
全日本のキャプテンも務め、男子バレーボール界を牽引されました。
1990年に現役を引退後、日本人初のプロビーチバレーボール選手となります。
現在は、日本バレーボール協会会長、日本ビーチバレーボール連盟名誉会長、トヨタ自動車ビーチバレーボール部ゼネラルマネージャーなどの肩書きを持ち、多方面で活躍されています。



──川合さんは現在、日本ビーチバレーボール連盟の名誉会長、さらにトヨタ自動車ビーチバレーボール部ゼネラルマネージャーをされていらっしゃいますけれども、どんなことされているんでしょうか?

ビーチバレーボール連盟の方はずっと会長をやっていまして(現在は名誉会長)、ビーチバレーの普及・発展などに携わっていました。あと1年ぐらい会長をやっていたら表彰されそうだったんですけど、そちらを辞めてバレーボール協会の会長になっちゃったので、表彰されずに終わるという(笑)。
ビーチバレーボール連盟の方は、貢献度が高くて会長になったようなものなんです。僕らの時って、ビーチバレーをやるとお客さんが3万人ぐらい来てたんですよ。その後、僕が辞めて、ビーチバレーの宣伝をしながら芸能のお仕事をしていたんですけど、何年間かは全然現場には出ていなくて。それで戻って見てみたら、まず観客席がなくてびっくりして。「観客席は?」って聞いたら、関係者の人が「観客席は観客が来るから作るんです。今は川合さんの時代と違って、観客なんて選手の親戚とか親兄弟しか来ないんですよ」って言われて、これはなんとかしなきゃいけないと思ったんです。(ビーチバレーは)オリンピックには毎回、男子、女子で行っていたので、オリンピックに出ていてもこれか…と。じゃあ、なんとか人を集める手段を考えなきゃいけない。そうだ、モデルさんみたいに可愛い子がビーチバレーをやったらいいんじゃないか、と。
それで「春の高校バレー(全日本バレーボール高等学校選手権大会)」というバレーの全国大会を見に行って、津商業という高校の1年生だったんですけど、浅尾美和っていう女の子がいて、「この子をスカウトしよう!」と思ったんですけど、監督に「まだ1年生だからちょっと待ってくれ」と言われて(笑)。で、3年経って(高校を)卒業して、うちの事務所に入れて、コーチとかを付けてバーっと売り出したんです。そうしたら、2年目、3年目ぐらいかな、一気に売れて。

──大ブームでしたよ!

それがきっかけでビーチバレーが一気にバーっと(ブームが)きて。そんなことを一生懸命やっていたら「会長になってください」と言われて、そこでビーチバレーの会長になったんです。

──浅尾さんのあのブームで、一気にビーチバレーの知名度、注目度が上がりましたよね。

だから、良かったなと思って。本当に運が良かったんです。たまたま僕が行っていたスポーツジムに、テレビのスポーツ番組のプロデューサーがいたんですよ。それで、そのプロデューサーに「1人可愛い子がいるんで、出してくれないですかね?」って言ったら、「ビーチバレーなんて、そんなマイナーなスポーツ出さないよ」って言われて(笑)。「1回でいいから出してくれ!」と頼んで1回出してもらったら、視聴率がどんどん上がっていって、オンエアの次の日に電話がかかってきて、「川合さん、次、いつ出てくれますか?」って(笑)。そこから一気に人気が出て、すごかったですね。

──でも、あの時は浅尾さんの人気だったじゃないですか。それをなんとかビーチバレーの人気に繋げなきゃ続いていかないわけですものね。

それから女子選手がだんだん人気が出てきて、違うチームにもスポンサーがついたりとか、少しずつ広がっていったんですよね。やっぱりああいう仕掛けっていうのは大事なので。
(6人制)バレーボールの選手はみんなちゃんと所属が決まってますけど、ビーチバレーはプロスポーツなので、スポンサーを付けて(プレーする)って人が多いんですよ。そのためにも、やっぱりなるべく露出は多くしなきゃいけないという部分はありますよね。

──浅尾さんは高校でバレー部に入っていたんですよね。川合さんから「ビーチバレーをやろう」と言われて、本人のリアクションはどうだったんですか?

みんな同じなんですよ。「え? ビーチバレーですか?」って言うんです。多分、ビーチバレーのことをよくわかってなかったと思います。
でも、ビーチバレーの方がちょっと難しいんですよ。風があるから、ものすごい(ボールが)変化しますから。本当に色々難しいので、最初は躊躇するんですけど、1つ良いことは、6人制と違って、補欠がいない。全員レギュラー。

──交代選手がいなくて、2人1組のチームだけ。

自分と知り合い1人がいたら、それで1つチームができますから。だから、よく中学校とかで「4人しかバレー部員がいません、バレーができません」っていうところがあったりしますけど、「え? ビーチバレーだったら2つチームができますよ」って(笑)。
ビーチバレーボールの良いところというのはまだまだ日本には伝わっていないですけど、オリンピックでは、1番人気か2番人気ぐらいなんですよ。

──驚いたのが、リオオリンピックでのビーチバレーの観客動員数が、50万人ぐらいなんですよね。

そうなんです。リオでは、サッカーとビーチバレーが一番人気だったんです。ロンドンの時には、観客動員数がビーチバレーが全種目中1位ですから。だけど、日本にはなかなか(良さが)伝わっていないという。

──そして、今年5月に行われた国内最高峰のビーチバレー大会、「マイナビジャパンビーチバレーボールツアー」では、トヨタ自動車の橋本涼加選手のペアが準優勝。橋本涼加選手はどんな選手なんですか?

もともと彼女はバレーボールをやっていたんですけど、センターで、サーブ練習をしない子なんです。だから、彼女は本来は(ビーチバレーの)適性じゃないんですよ。

──いわゆる、役割が決まっていた選手。

だけども、果敢にビーチに挑戦していて、今は狙われてもなんとか頑張ってやるようになって。だから、努力がすごいですよ。

──逆に、伸び代がすごくある選手ということ?

あります。毎年毎年どんどん良くなってきています。すごく良いのが、「もしかしたら私は考え方が合っていないかもしれないので、メンタルトレーナーの方を付けてもらってもいいですか?」って言ってきたんです。自分で進んで考えてやっている。あと、「私は大学を出ていないので」ということで、今、プレーをしながら大学に入って、通信で勉強したりしていますね。本当に前向きな選手で、すごいんですよ。

──これから注目してみたい、楽しみな選手ですね。その他に、川合さんが注目しているトヨタ自動車の選手はいらっしゃいますか?

ちょっと残念だったんですけど、マルキ(ナシム)選手という、去年2回ぐらい日本のトップツアーで優勝している選手がいるんですけど、「さあ、今年は来るぞ!」と思っていたら、今年のツアー初戦で肩を脱臼しちゃったんですよ。治って復帰するまでに半年以上かかるので今期はちょっと難しいんですけど、彼が肩のリハビリをしっかりやって戻ってこれたら、来年からとんでもなく良い選手になると思います。サーブのスピードだったら、多分、日本でナンバーワンですね。
彼は、6人制(バレー)のその年代でも日本代表に選ばれるような、トップレベルの選手だったんですよ。そういう選手がビーチバレーをやってくれて、「さあ、これから!」という時に怪我をしてしまってちょっと残念なんですけど、このマルキ選手が復帰してくれたら、やってくれるんじゃないかと思います。

──そして、この番組ではゲストの方にcheer up songを伺っています。今週も、川合さんの心の支えになっている曲を教えてください。

先週は『トップガン』だったんですが、今週も『トップガン』で、「Playing With The Boys」。『トップガン』の第1作目の方で、ビーチバレーをやっているシーンで使われてる音楽なんです。

──『トップガン』の中にビーチバレーのシーンがあるということですか?

あるんです。トム・クルーズと、ライバルのアイスマン(ヴァル・キルマー)と組んでビーチバレーをやるんですよ。僕らから見るとそんなに上手くないんですけど、上半身裸でジーパンを穿いてやるんですよ。あれがもうカッコよくて! その時に初めて(ビーチバレー を)見たので、「ジーパン穿いて上半身裸でやるバレーボールって何!?」みたいな(笑)。

──(笑)。最後に、川合さんご自身の、今後の夢を教えていただけますか?

バレーボールとしては、男子・女子バレーボール、男子・女子ビーチバレーボールの4つ、オリンピックに出れる可能性があるんですよね。この4つ全部がオリンピックに出られたのは、過去に1回だけしかないんです。だから、今後の目標としては、この4つ全部のカテゴリーで同時にオリンピックに出る。これが当面の夢ですかね。「(観戦の)スケジュールが大変だ」ってなるぐらい、嬉しい悲鳴をあげたいですね。


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そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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