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2024.06.01

ラグビー・リーグワン、プレーオフ決勝の激闘を振り返る

今週の「SPORTS BEAT」は、ジャパンラグビートップリーグではベスト15、得点王、そしてベストキッカー賞の3冠に輝いたこともある大西将太郎さんをゲストにお迎えし、お話を伺っていきました。
大西将太郎さんは、1978年、大阪府のご出身。
地元、東大阪市でラグビーを始め、啓光学園高校3年生の時に全国高校大会準優勝。
高校日本代表では主将を務め、スコットランド遠征全勝の快挙を達成。
日本代表は通算33キャップ。
2007年ワールドカップフランス大会のカナダ戦では終了直前に同点ゴールを決め、日本代表のワールドカップ連敗記録を13で止めていらっしゃいます。
ジャパンラグビートップリーグでは通算143試合に出場し、2016年、競技生活から引退されています。

今回は、高見さんによるインタビューをお届けしていきました。



──ジャパンラグビー・リーグワン、プレーオフ決勝が、5/26、東京の国立競技場で開催され、5万6486人の観客が集まりました。レギュラーシーズンを16戦全勝で1位通過した埼玉パナソニックワイルドナイツと、2年ぶりにプレーオフへ進出し初めて決勝の舞台を迎えた東芝ブレイブルーパス東京が対戦。24対20で東芝ブレイブルーパス東京が見事勝利をおさめ優勝!
今のお気持ち、感想などをお聞かせください。

プレーオフに入って、本当にすべての試合が接戦で、さらにレベルが上がったなという印象を受けましたね。

──本当に、一進一退の展開でしたよね。

そうですね。リーグ戦では無敗という形でワイルドナイツが勝ち進んだんですが、やはり“一発勝負”といいますか、トーナメントになると何が起こるかわからないなと思いました。

──優勝したブレイブルーパスの勝因は、ズバリ何だったと思いますか?

一言で言うならば、「絆」ですかね。ブレイブルーパスは、「東芝府中」という時代から伝統がある、体を張ったラグビーというところはあるんですが、ちょっと最近勝てていなかった中で新しいラグビーも取り入れて、しっかりと原点に帰って、このようにチームを強くしていった。チームの中で一番大事な、選手と選手、そして個人とコーチ、そういった絆がすごく強くなってきたなという印象でしたね。

──リーチ・マイケルキャプテンの仕事ぶりというのはいかがでしたでしょうか?

もう、神様みたいに見えましたね。拝んでおきました(笑)。
リーチ自身も、日本に来て日本一になったことがないという話でしたので、彼もやはりどこかで日本一になりたいという強い思いがあったと思います。
選手みんなの、それを叶えてあげたいという思いも優勝に繋がったんじゃないかなと思います。

──昨日の決勝、試合を決めたシーンというのはどこにあったと思いますか?

やはり、ラグビーの「TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)」、ビデオ判定の結果でトライにならなかったという…ワイルドナイツにとっては本当に悔しいシーンだったと思うんですが、そういったところが勝敗の分岐点かなと思うところはあります。何より、前半をリードして終われたブレイブルーパスが良かったなと。(ブレイブルーパスは)前半から入りが良かったと思います。

──試合終盤の「TMO」、やっぱり会場はどよめいていましたか?

どよめいていましたね! 本当に大きな、もう人生が変わる判定ですから。レフリーの方もそこで判定をくだすというのは難しさもあると思うんですけれども、そのパスを出した選手が、今シーズンで引退する堀江(翔太)選手というのもね…またドラマがあったなという感じがします。

──パスが前に行ってしまったという判定だったんですよね。ビデオ判定で何回も観て、きわどいな、というところでしたよね。

あれは、僕らから見てもわからないですね。いろいろな細かな部分はあると思うんですが、レフリーも人ですから。人によっては取らない可能性もありましたし、本当に難しいですよね。


──今シーズン日本代表を牽引し日本代表の躍進を支えてきた、埼玉パナソニックワイルドナイツ・堀江翔太選手、NECグリーンロケッツ東葛・田中史朗選手が引退されました。このお2人の引退は、大西さんからご覧になっていかがですか?

僕も一緒にやってきた選手たちですし、本当に日本のラグビーを支えてくれた選手たちだったと思います。
堀江選手、田中選手だけでなく、今シーズン引退される選手たちは、これまで日本代表で活躍してきた選手たちが多かったんです。ですから、1つの時代の終わりかなという印象を受けますが、やっぱり彼らのその思いをつないで次の時代に入っていくんだなと思いましたね。

──大西さんは、ラグビー協会の企画で日本代表・ブレイブブロッサムズのヘッドコーチ、エディ・ジョーンズさんと対談もされています。エディ・ジョーンズさんといえば、2015年、イングランドで開催されたラグビーワールドカップで日本を率いて、強豪、南アフリカを破り「スポーツ史上最大の番狂わせ」などと報じられる活躍を演出。今年から改めて日本代表のヘッドコーチに就任されています。
エディさんはどんな方ですか?

睨まれたらすごく怖いですけど(笑)。でも、本当にラグビーが大好きな人という印象ですね。やっぱりどの人よりもラグビーを見ているなということが、話をしていて感じられる人です。

──エディさんは、どんなプレーに関心を持っているんですか?

やはり、日本のラグビーの特徴というものを日本代表に活かしていきたい。世界で戦うためには“日本らしさ”を極めていくということは言われていましたので。
やはり、スピード、速さだと思いますね。

──超速ラグビーを掲げていらっしゃいますよね。

そうですね。わかりやすく言ってくださる人なので、1つの言葉を使ってみなさんに理解してもらうというところで、「超速」という言葉を思いついたと思います。
プレーの速さだけではなくて、やはりラグビーは判断の繰り返しのスポーツなので、その判断の速さであったり、ただ判断が速くても間違っている判断だったらダメなので、“正確で正しい判断を速く”という考えだと思いますね。
そして、“思考”。思考の速さも求めている。それも、ただ個人(の思考)が速くてもダメだと思うので、チーム全体で同じ方向を向きながら思考も速くしていこうという考えで、ラグビーの究極だと思います。
どのチームもそういったことはやりたいと思うんですが、やはり難しい。一瞬一瞬で判断していかなければいけないスポーツなので、そこは難しいんですが、追求していこうという意思表示ですね。

──大西さんが現役時代も、“速さ”というのは、ご自身の中では大事にされていましたか?

そうですね。判断の速さというところもすごく大事ですし、また、その判断を速くしたとしても、どうしようかな、やっぱり駄目かな、とか、そういう迷いがあると、すべてうまくいかないと思うんです。あるコーチには、「自分が最初に“これだ!”と思ったことがすべて正しいから、まずその判断に従って、そこに目を向けてやってみろ」と言われて、そこから迷いというのはあまりなくなりました。

──日本代表は2019年のベスト8が最高位ですが、エディさんは、ベスト4を目指していると。それは近い将来実現すると思いますか?

すると思います。実現しなければいけないなと思いますね。
やはりベスト8でずっと止まってしまうと、日本ラグビーの進歩はないと思うんです。
でも、相当難しいと思います。ただ、一丸となって日本ラグビーが前進できれば、絶対に叶えられる目標だと思います。あとは、エディさん自身も、優勝だけしていないんですよね。いろんな国でワールドカップに出ていますけど、エディさんの最高位も準優勝なんですよ。自分自身としても“優勝”という目標を心に決めてやっていると思います。

──この番組ではゲストの方にCheer Up Songを伺っています。大西将太郎さんの心の支えになっている曲を教えてください。

ケツメイシの「仲間」です。
ラグビーというのは、たくさんの人数でプレーをするもので、仲間がいてできるスポーツですから。
この曲は、ラグビーの良さであったり、ラグビーに必要なことが詰まった歌詞だったので、よく聴いています。
現役の時は、まだなかったかな? 学生にコーチしている時に、学生が「この歌いいですよ」みたいな感じで言ってくれて、「まさにラグビーだね」という話で盛り上がったんです。まさにラグビーの良さが詰まった歌だなと思いました。
最近でも、聴けば、自分自身も1人じゃない、仲間がいる。今まで作ってきた、ラグビーをしてきた中でできた仲間を大切にしていけたらなと思える。そういった歌なので、定期的に聴いています。まさに、決勝の夜も聴いていましたね。
結構、ラグビー選手みんなこの歌を聴いてるなということは、改めて最近思いますね。



今回お話を伺った、大西将太郎さんのサイン入り色紙を抽選で1名の方にプレゼントします。
ご希望の方は、番組公式X(旧ツイッター)をフォローして指定の投稿をリポストしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。

そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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