川井麻衣(かわい まい)選手は、1996年、茨城県出身。
東京成徳大高等学校時代にはU-18日本代表としてアジアカップで準優勝。
トヨタ自動車アンテロープスでは、2021、2022のWリーグ優勝に貢献。
日本代表としても、今年2月に開催されたオリンピック世界最終予選3試合すべてに出場し、パリ・オリンピック出場権獲得に大きく貢献なさっています。
──まずはパリ・オリンピックの出場権獲得、おめでとうございます。最終予選、とても熱い戦いだったと思うんですけれども、まず初戦で強敵のスペインを破った時には、“これはいけるんじゃないか”という手応えがあったんじゃないですか?
そうですね。正直、1勝でもすれば予選突破だったので、ハンガリー戦というのは一番ポイントに置いていたところはあるんですけれども、初戦のスペイン戦で勝利することができたので、1つホッとする材料ではありました。
──そのハンガリーはランキング的には日本の方が上でしたけれども、やっぱり地元の応援のパワーというのは強かった?
いやもう、本当にすごくて。体育館自体がすごく小さかったので、ブブゼラ(の大きな音)でやられました。完全に浴びせられて。どアウェーで(笑)。
──やっぱりプレーに影響が出たりするんですか?
そうですね。コールが聞こえなかったり、ヘッドコーチの指示が聞き取りづらかったりということはあるので、やりづらさはありました。
──4チームが全て1勝1敗で迎える最終戦で、負けた場合は当然、パリへの道は遠くなったと思うんですけれども、その時、チームの中の雰囲気はどうだったんですか?
正直、負けた後は少し落ちてはいました。みんな個人で考えるような雰囲気もあったんですが、でもその後の食事の時には、反省をしている選手だったり、それぞれコミュニケーションを取って次に向かっているなと思ったので、不安はなかったです。
──最後のカナダも強敵でしたが、見事勝利を得た瞬間はどのようなお気持ちでしたか?
何でしょう…すごくホッとしたというか、胸を張って日本に帰れますし、前回の大会で銀メダルを獲得して、そのプレッシャーもずっと背負ってきていたと思うので、1つ報われたというか、苦しかったものを払拭できたという安心感がすごくありました。
──川井選手にとって、パリ・オリンピックはどのような舞台ですか?
Wリーグに所属してから、簡単には「(パリを)目指してます」とは言えなくて、“遠いな”と感じることがすごく多かったんですが、ここにきてメンバーに選ばれる可能性がある立ち位置に来たからこそ、今年1年間は“パリに行きたい!”という思いを強く持ってやってきました。
──そのパリ・オリンピックですけれども、12チームが出場して、予選リーグは4チームずつが3つのグループに分かれて総当たりで対戦。先日、その予選のカードが発表になりましたけれども、オリンピック初出場となるドイツ、そして世界ランキング6位のベルギー、そしてオリンピック7連覇中のアメリカと同じグループになりました。このグループ分けを聞いてどう思われましたか?
正直、OQT(FIBA女子オリンピック世界最終予選)と同じように一番苦しいグループに入ったなとは思いました。ただ、アメリカと試合ができるというのはなかなかないことなので、初戦ですし、もうぶつかっていこうという気持ちになりましたし、逆にこの中で勝ち抜いたら“面白いんじゃないか”と思ってもらえると思うので、OQTの時と同じようにいけるんじゃないかと思っています。
世界ランクを見てもそうですし、(日本より)上のチームが多いので、もう挑戦する気持ちを持って挑むだけだなと思います。
──そのアメリカの強さはどういうところにあるんですか?
やっぱり体は明らかに強いですし、2回り大きいですし、体が大きい分スピードがあるように見えないと思うんですが、実際はすごく速いし、シュートもうまいです。
大きい選手はそう(スピードがあるように)見えないことも多いんですが、試合をしてみると速いなとか、見えない圧もあると思うので、そこに負けないことかなと思います。
──川井選手のポジションはポイントガードですが、どのような役割を求められますか?
ガードは“コート内の監督”と言われているポジションで、頭を使って指示を出したり、コールを出してコートの中を整備するような役割です。
──当然、試合に入る時にはヘッドコーチからの作戦というか指示があると思うんですけれども、コート上では実際どのくらいご自身が指示を動かされるものなんですか?
ほぼ7割ぐらいはガードの責任だと私は考えています。ゲームが止まった時は監督の指示が聞けますが、そうじゃない時は選手1人1人の判断の上で(試合が)流れていくので、そこをちゃんとできるポイントガードが良いガードだなと思います。
──アンテロープスのヘッドコーチ・大神雄子ヘッドコーチはバスケットボール界のレジェンドでもありますけれども、大神コーチも現役時代はポイントカード。何か指示とかアドバイスとかあったりしますか?
そうですね。時間の使い方だったり、得点差と時間、負けている時、勝っている時(のプレー)などをよく伝えてもらって、私もその面では成長することができたなと思っています。
──アメリカと戦う時に、実際に自分がポイントガードとしてどういう風に攻める、もしくは守るというイメージは既にありますか?
あります。やっぱり走ることが一番大事なので、良いディフェンスからしっかりリバウンドを取って、相手よりも走る。そしてスリーポイント。そうやって重ねていけば相手は嫌なリズムになると思うので、「走ってスリーポイントを決める」というのが一番大事だなと思っています。
みんな練習で1日何百本と打ち込んでいるので、コートに立ったらチャンスはチャンスで打ち切るということが大事ですし、シュートは打たないと入らないので、どんどん打っていくべきだと思います。
──そして川井麻衣選手は、今シーズンの締めくくりとも言える「Wリーグオールスター2023-2024 in 愛知」で、西地区(ウエスト)でファン投票1位に選ばれています。これはすごくないですか!?
はい、正直驚きました(笑)。
去年のシーズンでの活躍を評価してもらってファンの皆さんが今年票を入れてくれたのかなと思うと、頑張って良かったなと素直に思います。
──モチベーションになりますよね。
そうですね。素直に嬉しいですね。ファンの方に評価されるというのはこのオールスターだけなので、嬉しいです。
──「1位に選ばれました」と連絡をもらった瞬間は、どなたかと一緒にいたんですか?
その時は1人だったんですが、私がネットで見るよりも先に弟から連絡が入って、「お姉ちゃん1位だけど何かあるの?」と言われて(笑)。
──(笑)。発表になる前に、事前に報告とかは来ないんですか?
知らなかったです。
──その後の周りのみなさんの反応は?
チームメイトのみんなにその後会った時に、何かちょっと冷やかされました(笑)。
──オールスターには去年も出場されていますけれども、どんな大会なんですか?
普段のリーグ戦とは全く違って、“楽しくお祭り!”というような感じで行っています。
チームも2チーム、今年は出身地で東と西に分かれていて、ゲームを40分間するんですけど、他にもスリーポイントコンテストやスキルチャレンジなどいろんなイベントを用意して行っています。
──そんなオールスターは5月の3日と4日に行われますが、5月3日にはWリーグ創立25周年を記念して、25年の歴史の中でWリーグを盛り上げ貢献したレジェンドプレーヤー25名が出場する「GREATEST 25 ~25years 25players~」が行われます。 トヨタからは大神雄子ヘッドコーチ、また、この番組にもご出演いただきました、OGの三好南穂さん、また同じくOGの矢野良子さんも出場されます。 川井選手も試合を見るのが楽しみじゃないですか?
すごく楽しみですね。今現役でプレーしている選手も何人か出るんですが、やっぱり私が幼少期に見ていた選手たちをもう一度見れるというのはすごく楽しみです。
──ということで、改めて、今年の「Wリーグオールスター2023-2024 in 愛知」は、5月3日金曜日、そして4日の土曜日に、豊田合成記念体育館ENTRIOで開催されます。川井選手は4日の出場となっています。 さあそして、この番組では毎回ゲストの方にCheer up songを伺っています。川井選手の心の支えになってる曲を教えてください。
AAAの「虹」です。
元々AAAがずっと好きで歌を聴いているんですが、この歌は歌詞がどストレートで刺さるんですよね。なので、すごく好きです。
──試合直前に曲を聴いて背中を押してもらう部分もあったりするんですか?
あります。その時その時でプレイリストを変えていて、「ゲームデー」というプレイリストを作って、自分の気分に合わせて歌を聴いて気持ちを高めています。
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