竹中七海(たけなか ななみ)選手は、1998年、愛知県名古屋市のご出身。子供の頃から新体操を始め、中学2年生で強化選手、高校1年生で新体操日本代表フェアリージャパンのメンバー入りを果たします。高校3年生で迎えたリオデジャネイロオリンピックにはリザーブ選手として現地に同行。2019年の世界新体操選手権で団体総合銀メダル、種目別ボール優勝の快挙を達成。2021年にトヨタ自動車に入社。東京オリンピックでは8位入賞を果たし、現在、パリオリンピックへの出場を目指していらっしゃいます。──フェアリージャパンは、3月2日・3日にドイツで行われたインターナショナルトーナメントで総合1位! 種目別フープ1位! 種目別リボン・ボール1位! おめでとうございます。すごい成績ですね。
ありがとうございます。久々の表彰台で、優勝はとても嬉しかったです。
──インターナショナルトーナメントはどのような大会なんですか?
私も初めて出場したんですけれども、ワールドカップとはまた少し違った海外の試合で、でも、ヨーロッパの何ヵ国かが出場している大会でした。
今シーズン初戦の大会だったので、これを自信に変えて、これからどんどん挑戦していきたいと思います。
──演技そのものは、ミスは少ない状態だったんですか?
演技自体にミスは出てしまったので、ちょっと悔しい内容だったんですけれども、それでも、“そのミスからどう対処するか”というところまで練習は積んでいたので、そこは良かったところの1つかなと思います。
──オリンピックシーズンの第一線で優勝するというのは、縁起もいいですね。
本当に私たちチームみんなの自信になりましたし、やっぱりここからが勝負だと思うので、これを糧にしてまた頑張りたいと思います。
──現在25歳。中学2年生の時に強化選手としてフェアリージャパンの練習生になられてから、フェアリージャパンで10年以上過ごされているんですね。
そうですね。あっという間に10年経ったなという感じはあります。
本当に昔から憧れていたチームで、そこに入って活躍したいと思いながらずっと(新体操を)やってきたので、あっという間に感じます。
──去年の世界選手権ではメンバーに入っていらっしゃらなかった。
はい。この時はメンバーから外れてしまって、本当に悔しい経験だったんですが、その時に、“客観的に他のチームと比べて日本チームはどういう印象があるのか”ということや、地元の方で練習をした時に、改めて私のことを応援してくださっている方がたくさんいるということに気付くことができました。あの経験があったから今があるなと感じています。
──外から見たフェアリージャパンの強みというのは、どんなところでしたか?
やはり、動き1つ1つの綺麗さとか、“正しくやる”というところは日本チームの強味だなと感じました。
ただ、それが(日本の)強みでもある反面、海外のチームのエネルギーというか、“どんなものでも見せ切る!”みたいなところが海外の強みだなとも感じたので、日本チームの綺麗さがありつつ、そこを(日本チームにも)活かせたら、より良いのではないかと感じました。
──新体操はどうしてもミスがついてくる競技ですが、試合前や試合中は緊張しますか?
もう、心臓バクバクです(笑)。
ミスがないことが一番なんですが、1つ危ないところやミスがあった後には、試合中なんですけど、“どうしよう!”と思いながら…でもすぐに次の技がやってくるので、そこに集中して、その後からはしっかり(力を)出し切れるようにやっています。
──試合前の緊張を乗り越える方法はあったりするんですか?
やっぱり緊張は絶対にするものなんですけど、その緊張に左右されてやってきたものが出し切れないのは一番もったいないと思うので、その緊張感がある中でどれだけ自分がやってきたことを出し切れるか、という方に焦点を置いて、練習も取り組んでいます。
試合で良い演技ができて、応援してくださってる方々が「わあ!」と盛り上がってくださる瞬間が一番好きなので、そこを目指してやっています。
──フェアリージャパンは、5月にウズベキスタンの首都タシケントで開催される大陸別予選でパリ・オリンピック出場権獲得を目指すわけですが、現在の代表の中で、竹中選手はどのような立ち位置なんですか?
これまでいろんな試合を経験させていただいた分、試合の中でも練習の中でもその経験を下の子たちに伝えていく、という部分と、やっぱり“安定感を持って演技をする”ということが自分にできる大事な部分かなと思うので、“どんなものが来ても対応できるように”“次からすぐ修正できるように”というところは意識して行っています。
キャプテンがもう1人いるんですが、彼女がしっかり周りを見てサポートする分、そこでサポートしきれない部分を補足的に私がサポートしたり、大事なことは伝えていく、というところを意識的にしています。
──試合が始まる前に、何か掛け声みたいなのがあったりするんですか?
ルーティンはあります。道具のことを「手具(しゅぐ)」と言うんですが、真ん中に手具を置いて、5人で手をつないで、深呼吸して、あとは「できる!」とみんなで言い聞かせてやっています。1人1人、5人全員で目を合わせながら、それぞれに「できる!」と言っていって。目を合わせてやっています。
──それは、フェアリージャパンで受け継がれているルーティンなんですか?
そうですね。入った時から試合前はこれをやっていました。最初は“憧れてたやつだ!”と思いながらやっていました(笑)。
──この番組では、ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。竹中選手の心の支えになっている曲を教えてください。
サンボマスターさんの「できっこないをやらなくちゃ」です。
サンボマスターさんはもともと好きなんですけれども、この曲を聴いた時に、“これはもう、試合前や練習の時に聴くしかない曲だ!”と思ったんです。
このサビのところの歌詞が本当に好きで、いつも元気をもらっています。
──最後に、パリ・オリンピックにかける意気込みを教えてください。
「パリ・オリンピックでメダル獲得」が目標なんですが、そのためにも、まずは第一に5月のアジア選手権でしっかり優勝を目指して、パリの枠を獲得できるように頑張りたいと思います。
今回お話を伺った竹中七海選手のサイン入りTOYOTAタオルを、抽選で1名の方にプレゼントします。ご希望の方は、番組公式X(旧ツイッター)をフォローして指定の投稿をリポストしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。放送できなかったトークが盛りだくさん! ぜひお聴きください!