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2024.03.09

“メンタルにも影響”メイクを通してアスリートを支える

今週の「SPORTS BEAT」は、アスリートビューティーアドバイザーの花田真寿美さんをゲストにお迎えし、お話を伺っていきました。
花田真寿美さんは、バドミントンの選手として、全国高校選抜団体で3位、インカレに出場するなどの活躍をした後、モデルに転身。
ミスユニバース愛知ファイナリスト、World super model japan関西エリア代表などを経て、アスリートを「美」の面からサポートするアスリートビューティーアドバイザーという新しい職業の確立を目指し『Precious one』を設立。
現在も様々なカタチでアスリートを支援する活動をなさっています。

──「アスリートビューティーアドバイザー」というのは、花田さんが考えられたのでしょうか?

そうですね。私自身が起業をするにあたって、“自分の強みはなんだろう?”と考えた時に、もともとアスリートだったことと、モデルとしてビューティーを磨いてきたことだと思ったので、“アスリート”と“ビューティー”をかけ合わせて、この肩書きを作りました。

──具体的にはどのような活動をなさっているんですか?

現役のアスリートたちの試合の時や、表彰式の前、記者会見の時、メディア対応時などに現場に行ってメイクのサポートをしたり、選手たちが自分でメイクできるようにメイクレッスンも行っています。

──アスリートだった時から“美”を追い求めていたんですか?

もともと小学校、中学校時代からオシャレが好きだったんですが、高校ではオシャレを求めることが禁止になって、「覚悟があるなら髪を切れ!」と言われて角刈りのような髪型をしていて、封印していたという過去があります。
「伝統だから」ということだったり、覚悟があるかどうかを髪型で見られる、というか…。キャプテンに何度も呼び出されるという経験をしましたね。

──だんだん髪型などを強制するのはやめようという方向になってきていると思いますが、髪を短くすることによって打ち込めるということもあるのか、オシャレとスポーツは両立するのか、難しい部分だと思うんですけれども。

すごく難しい部分だと思いますね。やっぱり指導者の方も、(選手が)髪を長くしたりメイクをしたりすることで、“どこか(競技に)集中していないんじゃないか”とか、“自分の手に負えなくなってしまうんじゃないか”とか、そう感じてしまうところがあるので、そこには根深い問題はあると思います。

──本格的にビューティーを研究し始めたのは、モデルのお仕事をされた頃からですか?

その前に、大学に進学する時にはもう角刈りを卒業していて、“大学デビューしてやろう”と気合を入れてメイクとかをいろいろやってみたんですけれど、「それ、アート?」って聞かれるようなメイクだったり(笑)、スクワットも100キロとか持ち上げていたので、デニムも履けなかったり…。
そういう“オシャレが楽しめない”ということがあったりしながらも試行錯誤している中でモデルに転身するという経験をし、ビューティーを磨いていきました。

──現在の活動を始めるきっかけの1つに“ゆず”があるそうですね。

はい。有名な「栄光の架け橋」とか、「青」という曲などにすごく励まされましたし、すごく歌詞に背中を押されていました。
ゆずさんのコンサートに行った時に、ライブの会場にいる方々の感動している姿を見たんです。ステージに背中を向けて、いろんな観客の方の顔を見たんですね。その時に、涙を流している方だったり、幸せそうな顔をしている方を見て、“悔しいなぁ”と思って(笑)。
おこがましいんですけれど、私もこんな風に人にエネルギーや何かを与えられるような仕事をしたいなと思ったのがきっかけになりました。

──実際にどのようにアプローチし始めたんですか?

私は体育会系の大学だったので、周りに学校の先生が多いんです。なので、その友達に、「あなたの教え子たちに、誰かメイクレッスンが必要な人はいない?」と聞いて。教え子からスタートしていくうちに、「教え子の前に私たちも!」と(笑)、学校の先生や体育の先生たちから依頼が入るようになって、そこから少しずつアスリートに近づいていった、という流れです。

──普段のメイクとスポーツする時のメイクとでは、明確な違いはあるんですか?

はい。明確な違いと言えば、“汗に強い”ですとか、あとは、ナチュラルだけれどしっかりウェアに馴染むかどうか、というところですね。外(屋外)の競技、中(屋内)の競技、といったところでも変わってきますね。

──汗に強いメイクというと、ウォータープルーフなどの特徴があるアイテムもありますが、メイク方法でも変わったりするんですか?

はい。崩れにくくするために、ベースメイクをする時に、例えばスポンジに水を含ませてからリキッドファンデーションを塗るということをすると、フィットしてくれて、崩れにくくなります。

──やっていくうちに手応えを感じた瞬間というのは?

(アスリートと)接していく中で表情が変わる瞬間を見ていくと、“これは絶対に需要があるな”と感じました。
2016年に起業したんですが、2017年に、「ワールドゲームズ」という競技の世界大会がポーランドでありまして、同行することができたんです。その時の選手たちや、行政の方、企業の方々の反応を見て、すごく必要とされている仕事だなと手応えを感じました。


──友達の先生方は教え子たちのために花田さんを呼ぼうと言ってくれましたが、花田さんの(学生時代の)部活では絶対に呼んでくれなかったですよね(笑)。やはり(時代は)変わってきているんじゃないですか?

東京オリンピック・パラリンピックの時にすごく変わったなという感覚は受けました。指導者の方々からの依頼、相談が増えてきたんです。今まではメイクをして練習に来たら「もう帰れ!」と言っていたけれども、SNSが普及しているこの時代の中で、ブランディングも含めて、もうそんなことを言っている時代じゃないね、ということで、必要性を感じている指導者の方が増えています。

──今まで、どのようなアスリートに携わってこられましたか?

オリンピック、パラリンピックに出場する選手たちだったり…例えば、バスケットボールでは、トヨタ・アンテロープスの川井麻衣選手。トヨタさんがサポートされている、レーサーの三浦愛選手。「柔道マガジン」の表紙のメイクを担当しているので、チームアスリートビューティーでは、阿部一二三さん、阿部詩さんのメイクをさせていただいてます。

──男性のアスリートにも携わっていらっしゃる。

ブラインドサッカーの選手だったり、パラのパワーリフティングの選手だったり。コロナ禍でオンラインの中継が増えたので、顔にカメラが寄ってくるので、さらに気になるということで、男性のアスリートからも依頼が増えています。

──そして、現在は「チームアスリートビューティー」として様々な方と一緒に活動をされているということですが、メイク以外にも色々とあるんですか?

そうですね。ピラティス、ヘアアレンジ、スポーツ栄養学、スポーツスキンケア、
スポーツ歯科、アンチドーピング、スポーツアロマなどなど、いろいろプログラムを提供しています。

──これだけ多岐にわたると、勉強しなくてはいけないというか、知ってなくてはいけないことがかなりあるんじゃないですか?

“先生たちの講座を聞きながら、私も一緒に勉強している”というような感じになっています。私が質問をされる時も、専門家の方々と一緒に居ることで、「この先生に聞いてね」という風に提供できる環境を作れたのが、自分にとってもすごくありがたかったなと思っています。

──多くのアスリートに携わってこられましたが、皆さん、変化はありましたか?

「気持ちのスイッチのオン、オフを入れられるようになった」と言ってくれています。メイクをしてる途中で、すごく“目力が宿る”というか、“スイッチが入る瞬間”があったり。あと、記者会見の時も「自然と背筋が伸びました」「堂々と発言することができました」というような声をいただいています。

──コンプレックスをカバーすれば、より競技に集中でき、気持ちも乗っていくのではないかと思いますよね。

私もそのように思います。やっぱり、メンタルにすごく影響する。強気になれるとか、積極的になれるとか、そういう風に作用すると思っています。

──この番組では、ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。花田さんの心の支えになっている曲を教えてください。
    
ゆずの「虹」です。
もう、高校生の時に何度も「栄光の架け橋」や「青」を聴いて、ずっと自分のモチベーションを上げていました。
「虹」は、起業するきっかけになった時のライブで歌っていた曲で、その演出とかにもすごくジェラシーを感じたんです(笑)。そんな思い出のある曲です。


今回お話を伺った花田真寿美さんのサイン入り色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。
ご希望の方は、番組公式X(旧ツイッター)をフォローして指定の投稿をリポストしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。

そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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