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2024.01.20

「人生で一番集中した」“幕張の奇跡”

今週の「SPORTS BEAT」は、千葉ロッテマリーンズの藤岡裕大選手をゲストにお迎えし、お話を伺っていきました。
藤岡裕大(ふじおか ゆうだい)選手は、1993年、岡山県出身。
4歳の頃から野球を始め、高校はプロ野球選手を数多く輩出している地元の名門、岡山理大付高校に進学。
その後、亜細亜大学に進学し、首位打者やベストナイン、リーグ100安打を達成、日米大学野球選手権大会やユニバーシアードの日本代表などに選出されるなど活躍するも、ドラフトの指名漏れを経験。
その後トヨタ自動車で活躍を続け、2017年、千葉ロッテマリーンズに入団。
昨シーズンは、クライマックスシリーズの1stステージ第3戦、負ければシーズン終了というゲームで、起死回生の同点3ランホームランを放ち、ファンからは「幕張の奇跡」と呼ばれる試合の立役者にもなっていらっしゃいます。

──プロ野球という勝負の厳しい世界にいらっしゃるということで、負けず嫌いで過去に悔しかったというエピソードはありますか?

小さい頃から負けず嫌いではあったと思います。
悔しかったエピソードは、たくさんあります。高校最後の夏(岡山県大会準々決勝)に負けたこともそうですし、やっぱり、大学の時にドラフト指名漏れを経験したのが、今のところ人生で一番悔しかったことです。

──そういう悔しいことを、どうやって乗り越えられたんですか?

“プロに行く”と思って、大学の時にプロ志望届けを出させていただいたので、(ドラフト指名に漏れた時には)社会人(野球へ行く)とか何も(決まって)なくて…。立ち直れたのは、社会人野球に行けるということが決まった時からです。

──トヨタ自動車レッドクルーザーズに入った藤岡選手ですが、大学時代、ベストナインを3度も獲得した内野手ではなく、外野手として出場。初年度の都市対抗野球では全国制覇に貢献し、若獅子賞を獲得していらっしゃいます。
当時レッドクルーザーズには、源田壮亮選手がいらっしゃいました。源田壮亮選手と言えば、この間のWBCで骨折しながらも再び戻ってきて守備についた。その闘志と守備力には世界が驚いたと思うんですけれども、レッドクルーザーズに入った時、源田選手についてはどう思われましたか?

“勝てないな”というのが正直な気持ちでした。
(球を)補ってからの速さであったり、送球の正確性が…補ってから送球までの流れがすごく美しい。そこはちょっと真似できないなと思いました。

──源田選手の存在もあり、外野の守備もされ、今でもユーティリティプレイヤーとしていろんなポジションを守れる藤岡選手ですが、レッドクルーザーズ時代に、源田選手からアドバイスを受ける機会はありましたか?

直接アドバイスはなかったと思うんですが、練習の時はずっと後ろについて守らせてもらったので、見ながら勉強することの方が多かったと思います。

──今は、チームも超えて一緒に自主トレしたりと選手同士仲が良くて、昔よりも聞きやすいような環境な気がしますけれども。

そうですね。自分も、プロ1年目とか2年目は源田さんと一緒に自主トレをさせていただいていたので、その時にもたくさんアドバイスをもらって、そのおかげで少しずつ守備も良くなってきたなと感じています。

──源田選手からもらったことで、一番胸に響いた、驚いたことは?

“投げるために補る”。
補ることが目的じゃなくて、投げるためにどうやってボールに入って行くのか、どういう足運びをするのかということを考えながら補りに行く。
そういうことは考えたことがなかったなと思いました。

──打球はとても速くて、打った瞬間にすぐ内野手のところに来ますから、まず、補ることが目的になってしまいそうですが…。

最初はそうなってしまうんですけれども、数をこなしていくうちに、“こうすればこうやって投げられる!”とか、そういう引き出しがちょっとずつ増えてくるということはあります。

──社会人野球というと、高校、大学とは違うステージでしたが、そこで学ぶことも多かったんじゃないですか?

プロの世界もそうですが、社会人野球は一発勝負が多いので、勝つことへの執着というものはすごいので。
プロでも、“ここは大事”という試合に集中力を持っていけたりするのは、そういう経験が生きていると思います。

──それが、この間のクライマックスシリーズ(2023年10月16日のファーストステージ第3戦)で「幕張の奇跡」と呼ばれた、10回裏の3ランホームランに繋がった?

本当にその通りだと思います。あの打席は、本当に今までの人生で一番集中していましたので。

──打った瞬間の気持ちは、どんな気持ちだったんですか?

そんなにすごく興奮しているわけではなく、ダイヤモンドを走っている間は、“よかった”という気持ちが強かったかもしれません。
ベンチに帰る時は、みんながすごく喜んでくれたので、その時は高ぶりました。

──野球のいいところは、チーム競技で、“仲間のために”というところがあるから頑張れる部分はありますよね。

ありますね。


──藤岡選手は、トヨタ自動車レッドクルーザーズで2年を過ごしたのち、現在の千葉ロッテマリーンズに入団。プロ1年目からショートで全143試合に出場と活躍中です。
2020年、元阪神タイガースの鳥谷敬選手がチームメイトになりましたが、驚きですよね。

(鳥谷選手がチームメイトになるとは)思わなかったですね。
グラウンドでは競い合って…もちろん鳥谷さんも(試合に)出るつもりですし、自分もそこで負けていたら出られないので、憧れの中に“負けたくない”という思いはありました。

──グラウンド外では別の顔だったんですか?

そうですね。本当に誰とでもコミュニケーションを取って優しい先輩でしたし、すごく接しやすい方でした。

──練習量が球団で1番という方で、ストイックで近づきがたい人なのかなと。

自分も、(鳥谷選手が)入って来られる時は、“喋っていいのかな?”みたいな感じでしたけれど、質問とかをしても何でも答えてくれますし、本当に、鳥谷さんの練習に取り組む姿は今でも忘れられません。

──今、ライバル視している存在はいらっしゃったりするんですか?

ライバル視というか、“こうなりたい”と思うのは、自主トレも一緒にさせてもらっている同級生なんですが、ソフトバンクの近藤健介選手です。ああいう選手になりたい、近づきたいという気持ちはあります。

──近藤選手は、獲ったタイトルがホームラン王と打点王。まさかその2冠だとは…3冠を達成してほしかったと思いませんでしたか?

3冠王にも、あと一歩のところだったので。
でも、「モデルチェンジをする」「ホームランを増やしたい」みたいなことは言っていたので、それが本当に、1シーズンであそこまで有言実行できるのか、と。見ていてすごいなと思いました。

──間近で見て、近藤選手の一番のすごさはどこですか?

追求できるところですかね。自分をちゃんと客観視できますし、何が足りないかとか、そういうことを理解した上で、“こうしていこう”とか、徹底的に追求しているところはすごいなと思います。

──そういった選手と一緒に練習できる環境というのは恵まれているのではないですか?

そうですね、本当に。
毎年得るものがあって、自分としても、少しずつですが成長できてるなとすごく思うので、いい経験をさせてもらっています。

──では、藤岡選手も2冠を目指して?

そうですね。近づけるように頑張ります。

──この番組ではゲストの方にCheer Up Songを伺っています。藤岡裕大選手の心の支えになっている曲を教えてください。

Hardwell feat. Jason Deruloの「Follow Me」。自分の登場曲です。
単純にテンポがいいいなと思って登場曲に選んだんですが、この曲を聴くと“スイッチが入る”というか。
シーズン中は、やっぱり勝負師なので、スイッチを入れるタイミングで聴いたりしています。
登場曲なので、(曲を聴きながら)気持ちを高ぶらせて打席にも行ける。
球場でも、今は(観客が)手拍子をしてくれるんですが、このテンポだったらそういう感じになるんじゃないかなと思って選んだので、そうなってよかったです。

──最後に、応援してくれている千葉ロッテマリーンズのファンの皆さん、そしてこれから注目してくれる方々へメッセージをお願いします。

リーグ優勝して、日本一になりたいと思っています。
毎年これを言うのがお決まりみたいになっているんですが、選手みんな、本当に実現させたいという思いを持っていると思うので、少しでも多く球場に足を運んでもらって、たくさん応援してほしいなと思います。

──千葉ロッテマリーンズは、本当に応援がアツいですよね。

はい。あの応援を受けて、頑張りたいなと思います。



今回お話を伺った藤岡裕大選手のサイン入り色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。
ご希望の方は、番組公式X(旧ツイッター)をフォローして指定の投稿をリポストしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。

そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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