松本健吾(まつもと けんご)投手は、1999年、東京都中野区出身。
小学生の頃から野球を始め、高校時代には夏の甲子園大会に出場し、ベスト4入りを果たしています。
高校卒業後は亜細亜大学を経て、2022年、トヨタ自動車に入社。
トヨタ・レッドクルーザーズの一員として、一昨年(2022年)の日本選手権で優勝、続く秋の日本選手権でも、4大会ぶりの優勝。
去年(2023年)の都市対抗野球では、全5戦中2戦に登板し優勝と、チームの勝利に大きく貢献。
そして、2023年秋のドラフト会議にて、ヤクルトスワローズから2位指名。
鋭く落ちるスプリットと最速152キロの直球、そして高い制球力を兼ね備える即戦力右腕です。
──まずはドラフト2位指名、おめでとうございます。
ありがとうございます。大学4年の時に指名漏れをして、悔しい気持ちもあったので、“2年後、行ってやろう!”という気持ちでずっとやっていたので、そこは本当に嬉しかったです。
──清宮幸太郎選手たちと同学年ですが、同期の選手たちがプロの世界に行くというのは、悔しい気持ちがありましたか?
同期がプロの世界でもすごく活躍をしていて、それが本当に刺激になっていたというか、戦っている場所は違うんですけれど、僕自身も“頑張ろう”という気持ちになれましたし、悔しいというよりは、“負けないように頑張ろう”という強い気持ちになれたかなと思います。
──ドラフト指名を受けて、指名会見では「プロでは村上(宗隆)選手と対戦したかった」とおっしゃっていましたが、村上選手も同学年ですか?
同学年です。
ブルペンでピッチングをする時でも、「バッター村上!」ってイメージして(笑)、“自分だったらどうやって抑えるか”ということを考えながらやったりしていましたね。
──トヨタ自動車硬式野球部・レッドクルーザーズの一員として、一昨年の日本選手権、そして昨年の都市対抗野球の優勝に大きく貢献。 2021年から、元中日ドラゴンズのエース、そして日本代表・侍ジャパンの投手コーチを務めている吉見一起さんがテクニカルアドバイザーに就任されたということですが、具体的なアドバイスをもらう機会とかはあったんでしょうか。
気持ちの面だったり、考え方の部分のアドバイスがとても印象に残っています。
あとは、私生活の食事の面や体のケアとかについてたくさん教えてもらいました。
──吉見さんの考え方に驚かされた、なんてこともありましたか?
ピッチャーをやっている以上、やっぱりどうしても“1点もあげたくない”という気持ちになってしまうんですが、例えば、序盤のランナー3塁とかの場面で、「ここは1点(取られても)OKでいいんじゃない?」みたいな…どうしても考えを狭めていってしまうところを、そういう考え方ができるようになることによって、気持ち的にすごく楽になる。“心を大きく”というか、(広い視野で)考えて投げることができるので、メンタル的にも気持ちが楽になる。
プロの世界で投げているピッチャーは、やっぱり広く考えてやっているんだなと感じて、そこは驚きました。
──川尻(一旗)コーチの指導を受けて、大学の時よりも球速が4キロアップしたそうですが、球速って、そんなに上がるものなんですか?
社会人に入った当初は、本当になかなか結果が出なかったんです。打たれたりすることが多くて、このままじゃだめだなと自分で思って、川尻コーチに「1から教えてください」とお願いをして。
そこで、ピッチングのフォームからいろいろと…キャッチボールから一緒にやってもらったりして、二人三脚でいろいろ教えていただいて、そこから自分のピッチングがどんどん変わってきたなと感じています。
球速が上がったことももちろんですが、コントロール面が安定してきたのはすごく成長したなと思います。
──2022年一昨年の日本選手権は、松本投手がレッドクルーザーズに入って、初めての優勝を成し遂げました。2回戦に先発出場し、1安打完封勝利! 2023年、去年の都市対抗野球でも、レッドクルーザーズは7年ぶり2度目の優勝。 優勝の瞬間はどんな気持ちでしたか?
嘉陽(宗一郎)さんとかもそうですけれど、社会人野球で苦労して優勝したので、泣いてる人がたくさんいて。
僕自身はもう“やった!”という感じで、涙というよりは、“最高!”という、嬉しい気持ちが大きかったですね。
──もらい泣きとかはしなかったですか?
もらい泣きとかは全然しなかったです(笑)。泣いている人を見て笑ってました(笑)。
──会社の代表として戦うというプレッシャーもありますよね。
職場の方々は、東京ドームや京セラドームにたくさん足を運んでくださって、いつも会社に行くたびに、「応援してるよ」「頑張れ」と声をかけてくれて…。
僕は、プレッシャーになるというよりは、力になっていて、そのおかげで頑張れたと言っても過言ではないです。本当にありがたい。
──カローラの組立とかもされたことが?
そうです。オフシーズンは会社に行かせていただくことが多くて、僕は工場に勤務しているので、カローラ、ハリアー、RAV4を作っているラインの現場で、ほんの一部の作業なんですが、体験させていただきました。やっぱり作業者の方は本当にすごいなと思いましたね。
普段何気なく車に乗っていましたけれども、1つの部品がなければ走ることができないということを、本当に身にしみて感じましたし、1台作るのにもたくさんの方々が関わっていて。
その現場で体験をさせてもらって、僕自身、“1球へのこだわり”とか、そういうところですごく感じる部分があったので、本当に良い体験をさせてもらったなと思います。
──今度はプロ野球という新たなステージになるわけですが、ヤクルトスワローズからの指名を受けて、率直な感想は?
実家から近いなって(笑)。
中高大と神宮球場で投げさせてもらっていたので、また神宮球場。縁があるなと感じました。
──今、プロ野球の世界に対してどんな気持ちでいらっしゃいますか?
夢だったプロ野球選手になるわけですが、いつも通りというか、背伸びせずに、いつも通りの自分で臨んでいきたいなと思っています。
ワクワクとか、楽しみという気持ちもありますし、厳しい世界ということは分かってはいますが、背伸びせず、普段通りやろうと今は思っています。
──この番組ではゲストの方にCheer Up Songを伺っています。松本健吾投手の心の支えになっている曲を教えてください。
ONE OK ROCKの「キミシダイ列車」です。
この歌は本当に、すごく前向きな気持ちになれるというか。
球場に向かうバスの中でいつも聴いている曲なんですが、やっぱり、試合前ってすごく緊張したり不安な気持ちも出てきてしまったりするんですけれども、この曲の歌詞は、(気持ちを)前向きにさせてくれたり、強気にさせてくれるんです。
英語の歌詞もいいんですが、和訳を自分で調べたりして、自信を持たせてくれる曲だなと思って、普段から聴いています。
ピッチャーなので、いい意味でも悪い意味でも試合を左右してしまう、試合の勝敗とかも自分次第というところもあるので、試合前に聴くと、僕自身、気持ちが高ぶって、自信が溢れてくるような曲です。
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