TOKYO FM & JFN38 STATIONS EVERY SAT.10:00-10:50

SPORTS BEAT supported by TOYOTA

TOKYO FM & JFN38 STATIONS EVERY SAT.10:00-10:50
TOP > SESSION-1
2022.06.11

目標は“クイーン・オブ・モーグル ”!

今週の「SPORTS BEAT」は、北京オリンピック フリースタイルスキー女子モーグルに出場された、女子高生アスリート・川村あんり選手に、リモートでお話を伺っていきました。
川村あんり選手は、東京都出身の17歳。
4歳でモーグルを始めた川村選手は、中学3年生の時に初出場したワールドカップでいきなりの2位に輝き、注目を集めます。
2021年12月に行われたワールドカップで初優勝。
今年行われた北京オリンピックのフリースタイルスキー女子モーグルでは、高校2年生で初出場し、見事5位に入賞されました。


──川村選手は現在高校3年生ということで、やっぱり学校でもオリンピックの反響は大きかったんじゃないですか?

オリンピックの後は、ワールドカップや練習でかなり忙しかったので、まだ2回ほどしか学校に行けていないんです。学校に行く機会は少なかったんですけど、行った時には友達に「見てたよ」とか「お疲れさま」と声をかけてもらったり、オリンピックの前や後にメッセージはもらっていたので、オリンピックがきっかけでたくさんの友達とさらに連絡が取れるようになって、すごく嬉しかったです。

──今日もリモートでお話を伺ってるんですが、今、空港なんですよね? 海外に大会とかトレーニングに行かれるということですか?

自分の練習で、今回は、3ヶ月ぐらいカナダに行った後にアメリカ、アメリカに行った後にオーストラリアに回って来ようかなと思っています。

──初めて出場されたオリンピックで、5位入賞を果たしました。ご自身ではどうでしたか?

やっぱりメダルを目指して練習して大会に挑んだ部分もあったので、すごく悔しい気持ちもあるんですけど、オリンピックという夢の舞台に立って自分のスキーができたことを誇りに思いますし、これからのモーグル人生でもそうですし、人生においてすごく良い経験になったと思います。

──ワールドカップでは優勝されたりしていましたけれども、やっぱり「オリンピック」という舞台は違うものでしたか?

出場している選手もいつもと一緒ですし、コーチやチームメイトも変わらないので、少しコースが変わってオリンピックエンブレムが増えて…という中で、気持ち自体はあまり変わらなかったんですけど、でもやっぱり雰囲気などは違うので、自分が気付かないうちに、少し影響する部分はあったのかなと思います。

──川村選手ご自身は、「天才肌よりは努力型で、小さい頃から練習してきたことが貯金になって、今それを出せている」と発言していらっしゃいました。昔から特に大事に積み重ねてきたことがありましたら、教えてください。

小さい時から「どんなに小さいことや小さなステップでも、ちゃんと毎日積み重ねる」ということを両親に教えてもらって、ずっとそれに取り組んでいます。どんなに雨が降っていても、風が強くても、雪が降っていても、少しでも滑ったり、少しでも良くなるように…と心がけてスキーをやってきたので、それがどんどん積み重なって、少しずつの進化でもどんどん良いものになってきているのかなと感じています。

──そして、「小学生の時はスキーをするために毎年1年に2回転校していた」というのは本当ですか?

私がスキーを始めたのが3歳で、ちょうど幼稚園に入園した時だったんですけれども、入園した2年目ぐらいの時に、私の母親が私を連れて3ヶ月から4ヶ月程度、新潟県の湯沢町の方に連れていってくれて、毎日スキーをするという生活をしていたんです。
そのまま小学校に入学したんですが、(スキーで学校を)すぐ休んだりするのも厳しかったので、「スキーを本格的にやるなら、母親と2人で半年間、湯沢の現地の学校に転校しよう」と両親が決断してくれて、小学校6年間は、(1年のうち)半年間は(湯沢の小学校に)転校して…というのを繰り返して、中学校は完全に新潟県の方に住んで、スキーをしていました。

──ということは、小学校の6年間は、半年ずつ、東京と新潟に住んでいたということですか?

そうですね。5月末までスキーができるので、6月になったら東京に戻ってきて、また冬休みに入る12月の前半くらいになったら雪が降るので、湯沢の方に転校して…という生活をしていました。

──そうしたら、お友達も倍になりますよね。

そうですね。クラスメイトも倍になるので、楽しかったですね。

──平昌オリンピックのモーグルで銅メダルを獲得された原大智選手とも、幼い頃から知り合いだったんですよね。

そうですね。私が3歳の時に出会って、モーグルを始める時に一緒のクラブチームに入って、ずっと一緒にやっていました。

──その原大智選手は競輪に挑戦するということを宣言されて、大変驚いたんですけれども、やっぱり一緒にオリンピックに出場できたということはかなり嬉しい出来事だったのでは?

小さい時から「大智と一緒にオリンピックに出たい」と言い続けてきたので、平昌で(原選手が)メダル獲った後も「北京に一緒に行こうね」という話をしていて、今回は原選手の方がギリギリまで(オリンピック出場が)決まっていない状態だったので、ちょっと“大丈夫かな?”と思ったんですけど、ちゃんと決めてくれて、2人でもすごく喜びましたし、「一緒に行けるんだ」という実感が、オリンピックが近づくにつれてじわじわと上がってきて、すごく嬉しかったです。

──普段は「大智」と呼ばれているんですね。

大智と一緒に遠征を回ったのは今シーズンだけだったんですけど、やっぱり家族みたいな感じで気を使わずに話せるので、すごく楽しかったです。

──そして川村選手は流暢な英語が評判ですけれども、英語はどのように学ばれたんですか?

小さい時に両親が英会話の教室に入れてくれていたんですけど、それでもけっこう苦手で、学校とかでも全然勉強はできなかったんです。でも、ヤンネ・ラハテラコーチというコーチがいまして、その方のターンが私は大好きで、日本チームにコーチとして入ってきたタイミングで「どうしても直接教わりたい」ということで、3ヶ月ぐらい、毎日1日6時間ぐらい(英語を)勉強していたら、喋れるようになって。それでコーチと話し始めるようになってから、東京にあるインターナショナルスクールの子たちと遊んだりするようになって、「東京にいる間は英語だけを使う」という生活をしていたら、上手になりました。

──やっぱりモチベーションって大事なんですね!

大事ですね。今でも言ってるんですけど、私は今のコーチのターンを目指して練習しているので、“本人から直接話を聞きたい”という思いがすごくあって、どうしても喋れるようになりたかったんです。

──憧れの人から言われてることが直接わかるようになる感覚って、どんな感覚なんですか?

今までは翻訳してもらって…いう形だったんですけど、もちろん翻訳をする方も大変ですし、一番良い方法で伝えてくださってると思うんですけど、(英語がわかると)直接聞いて感覚がそのまま伝わるので、スッと入ってきやすいというか、自分のフィーリングに合わせやすいので、理解度がすごく上がりました。
やっぱり、感覚が人それぞれでかなり違うスポーツだと思うので、間に人が入るよりは、直接お話できた方が、自分の中でも落とし込みやすい感覚はあります。

──さあ、この番組ではゲストの方にcheer up songを伺っています。川村あんり選手の心の支えになっている曲を教えてください。

アリシア・キーズさんの「ガール・オン・ファイア(Girl on Fire)」という曲が、私はすごく好きです。
何年か前に、アメリカのタレントショーみたいなテレビ番組で、小さな女の子がそれを歌って一番になったという映像を観てから(好きになって)、その曲の歌詞もすごく好きですし、力強いメロディーが好きで、大会前とかには必ず聴いています。

──現在高校3年生ということで、卒業後はどういう道に進みたいか、進路は決めてらっしゃる?

大学に進学しようと思っています。私はモーグル(の選手)を辞めたらコーチになりたいと思っているんですが、その時に役立つような身体の勉強や心理学の勉強を、大学では学びたいなと思っています。

──最後に、今後の目標を聞かせてください。

成績の面で言いますと、クリスタルグローブ、総合優勝を獲得することと、オリンピックや世界選手権のタイトルを獲得したいなと思っています。
モーグル人生としての目標は、「クイーン・オブ・モーグルになること」と言ってるんですけど、堀島(行真)選手が「キング・オブ・モーグル になる」って言っていたので(笑)、真似て…。

──パクりました?(笑)

全然パクりました(笑)。なので、「クイーン・オブ・モーグルになります」って、最近は言ってます(笑)。

──まだ高校生ですから、“クイーン”の前に“プリンセス・オブ・モーグル ”になっちゃいますからね。今シーズンも、ワールドカップの種目別で言うと、1ポイントで惜しくも2位、総合でも3位。来シーズンは…。

“プリンセス・オブ・モーグル”になれるように頑張ります(笑)。


今回お送りしたインタビュー、ディレクターズカット版を音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
放送できなかったトークが盛りだくさん! ぜひ聴いてください!
過去1週間分の番組が無料でお楽しみいただけるradikoタイムフリー
番組を聴いて気に入ったら、SNSで友達にシェアしよう!
6月11日(土)OA分の放送はこちら