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2023.11.11

代名詞「お掃除スタイル」を武器にパリ・オリンピックへ!

今週の「SPORTS BEAT」は、ダンススポーツ・ブレイキンで来年のパリ・オリンピック出場をめざしている、B-GIRL AYUMI選手をゲストにお迎えし、お話を伺っていきました。
AYUMI選手こと、福島あゆみ選手は、京都出身。
19歳の時にカナダのバンクーバーへ留学し、ブレイキンを始めます。
カナダやアメリカで参加した数々のイベントで好成績を収め、2007年に帰国。
その後も数多くのイベントで活躍しつづけ、2017年、世界最高峰の大会、Red Bull BC ONE World Finalに女性として初進出。
2021年12月には、フランスのパリで開催された世界選手権で見事優勝。
来年に迫ったパリ・オリンピック出場には、AYUMI選手の代名詞となっている「お掃除スタイル」で出場をめざしています。

今回は、リモートでお話を伺っていきました。


──「お掃除スタイル」というのは、どのようなスタイルなんでしょうか?

これは、こんな風に言ってもらえるようになるとは自分でも思っていないくらい、すごく軽い気持ちで…(笑)。
“ブレイキンは1人1人スタイルがある”と言われるんですが、昔、外国で、「(あなたのスタイルは)どういうものですか?」というインタビューに答える時に、いろんな人が「クール」とか、「クリーン」とか、「スムーズ」とか、いろんな言葉を使うんですけど、“自分的にはどれに当てはまるんだろう?”と。自分は「性格がせかせかしている」とよく言われていて、そのせかせかを活かしたようなダンススタイルなんですよ。次から次へといろんなものを細かくしていく、というのが、自分的には強く頑張っているところで。プラス、何個か自分が持っている代表的な動きに、お掃除の動きからインスピレーションを受けて考えた動きが何個かあって、それをリンクさせて、「お掃除スタイル」と言ってしまって(笑)。
それが、いろんな人の耳に残っていって、言ってもらえるようになったんです。

──実際に掃除から得たムーブもあるということですか?

雑巾をかける動作であったりとか、本当にちょっとした動きなんですけど、自分で“こんな風にやったら面白いのかな”と考えた部分は何個かあります。

──「お掃除スタイル」ってやっぱりインパクトがありますよね。

そうなんですよ。しかも、外国の人と喋る時だったので、英語にしたら「クリーニング」だけど、それはちょっと違うイメージになってしまって…。もう、“日本人だから日本語でいいや”と思って答えてしまったのが、すごく面白い部分なのかなと(笑)。

──他にも日常からインスピレーションを得るということはあるんですか?

けっこう、みんなあると思います。
ブレイキンの中だけにおさまって考えるのは限界があると思うので、軽い動作とか…私はお笑いの人とかにインスピレーションをもらって、それを自分的に取り入れたりしていました。

──(笑)。お笑いというと、コントとか、1発ギャグとか、どういう部分を?

私は京都(出身)なので、小学校の時に、土曜日の昼にいつも吉本新喜劇を(テレビで)やっていて、家族で観てお昼ご飯を食べていたんです。
それで、当時新喜劇に出られていた方の動きとか、坂田(利夫)さんとか、ちょっとした一発ギャグみたいなところが自分にはインパクトがあって、大人になっても覚えているし、あんなに人が覚えられる動作ってすごいなと、自分では思っていて。

──それを聞いちゃうと、AYUMI選手のダンスの見方が変わってきちゃいますね(笑)。あんなにカッコいいと思っていたのに、“あれ? ここ、坂田師匠が出てきたぞ”って、笑いに変わりそうです(笑)。

そうなんです(笑)。本当に、ブレイキンって1人1人全然違うスタイルなので。カッコいいブレイキンの部分にちょっと違う要素を入れたりとか、あえてそういうことをやるというのも、武器な部分でもあるんです。
表現の仕方が自由なので、いろいろ自分がやりたいことをやるというところがブレイキンなので、面白いです。

──そのブレイキンがオリンピック種目に選ばれましたが、それを聞いた時はどう思われましたか?

ユースオリンピックで先にやっていたのを知っていたので、“ユース、すごいな”という意識だったんですけど、まさか大人向けに始まるなんてことは全く誰も思っていなかったので、“わぁ、すごいな!”と思いました。ビックリしました。

──オリンピックに出場出来る可能性が出てきたわけですよね。

みんなに対してその可能性が広がったなということはあると思います。

──ご自身が日の丸をつけたい!みたいな思いは生まれたりしたんですか?

それが、発表された時は、全然そんな風に思っていなくて。“あ、始まるんだ”という意識しかなく…。
ただ、予選が始まったのがコロナ禍だったので、初めはビデオ投稿で、オンラインでやったんですね。

──コロナ禍の中でやるのは大変だったんじゃないですか?

私はチーム活動をやっているので、チームのみんなにすごく恵まれていて。自分より後輩の子たちと練習をしていたので、その子たちが「絶対にやろう!」みたいな感じで、自分が練習している横でビデオを撮ったりしていたので、「じゃあ、私もやりたいな」ということで、みんなと一緒にやった、という感じでした。

──共に目指す仲間がいたから自分も頑張ろうという気持ちになれた?

そうです!

──「オリジナリティが大事だ」と仰っていましたが、オリンピックでもオリジナリティの追求なんですか?

ブレイキンって面白くて、ちゃんとベースがあるんですよ。難しいベースが出来る人もいれば、これぐらいのベースの人もいる、という感じで、それを元にダンスをどんどん自分流に変えていく感じなので、やっぱり出来ることの数とかは必要にはなってきますよね。
なので、オリジナルだけを推している人もいれば、テクニックを推している人もいるし、ミュージカリティを推している人もいる。
自分がどういう風にやりたいかというところが大事なのかなと思います。

──パリ・オリンピックへの道なんですが、来年開催予定のオリンピック予選シリーズで上位7人、かつ日本人2位以内が条件と。

そうなんです。もう大陸予選がほとんど終わっていまして、そこで1勝された方は決まっているので。
この前(9月~10月に行われたアジア競技大会)、日本だったら、しげちゃん(Shigekix:半井重幸選手)が男子で(オリンピック出場が)決まったんですけど、その枠(大陸予選)はもうないので。
最後の枠がちょうど7なんです。OQS(オリンピック・クオリファイヤー・シリーズ・イベント)という大会があるので、その2つの合計点で上がるという感じです。

──Shigekix選手は、以前、この番組にもゲストで来てくださいましたが、日本のブレイキンのレベルって、世界的に見るとどうなんですか?

日本のレベルというのは、私たちの先輩の時から高いですね。
どんどん高くなっているというか、日本人の良さというものがあるので。繊細な動きの型であったり、1個のムーブへのこだわりとか、オリジナルな部分であったりとか。
本当に、“真面目な人間性”というか、そのくらい練習を頑張る人が多いなと、私もすごく思っている部分で。それが強さにつながっているのかなと思います。

──来年のパリ・オリンピック、期待しちゃいますね。

ありがとうございます!

──この番組ではゲストの方にCheer Up Songを伺っています。AYUMI選手の心の支えになっている曲を教えてください。

宇多田ヒカルさんで、「道」という曲です。
宇多田ヒカルさんがすごく好きで、自分と世代も一緒で、よく聴いて育ったというか。
(どの曲も)めちゃくちゃ全部好きなんですけど、「道」という曲のリズム、テンポの良さ、歌詞の内容が、自分的にはグッときて、いつもバトルの前とかには聴いています。

──最後に、来年のパリ・オリンピックに向けて、AYUMI選手の意気込み、そしてファンのみなさんにメッセージをお願いします!

来年に向けて、自分のベストが出せるように、OQSという大会に向けて、全力を尽くして頑張りたいと思います。
みなさん、もしよろしければ、ブレイキンを観ていただけたらとても嬉しいので、応援よろしくお願いします。


今回お話を伺ったAYUMI選手のサイン入り色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。 ご希望の方は、番組公式X(旧ツイッター)をフォローして指定の投稿をリポストしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。

そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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