森重航(もりしげ・わたる)選手は、2000年、北海道 野付郡 別海町生まれ。
8人きょうだいの末っ子で、保育園の頃から地元のリンクに通うと小学2年の時に地元少年団に入団。
中学3年の全国大会では500m、1000mと二冠を達成。
スケートの名門、山形中央高校に進学後、2019年、多くのオリンピック選手を輩出する専修大学に入学。
2021年にナショナルチームの練習に参加すると、体力、技術ともに急成長し、初参戦したワールドカップでも日本人選手で2人目となる33秒台をマークし、初優勝。
北京オリンピックでは500mで見事、銅メダルを獲得。
男子スピードスケートでは実に3大会ぶりのメダル獲得という快挙を成し遂げられました。
今回は高見さんが専修大学にお邪魔してお話を伺ってきました!
──まずは北京オリピック銅メダル、おめでとうございます!
ありがとうござます。
──改めて北京オリンピックについて振り返っていきたいと思います。オリンピック初出場ということでしたけれども、雰囲気はいかがでしたか?
今までテレビでしか会場の雰囲気を知らなかったので、会場入りした時に”これがオリンピックの雰囲気なんだ”と思ったり、滑った時には綺麗なリンクや環境が整っていて、本当に楽しみな気持ちでいっぱいでした。
──レース中は、どんなことを考えて滑っていらっしゃるんですか?
自分はレースの500mの間に、ポイント、ポイントでレースで意識することを思い出すようにしていて。例えば100mだったら“ここからこういう風に滑ろう”とか、コーナーの入り口だったら“ふくらんで入ろう”とか、技術的なことをポイント、ポイントで思い出すようにしてます。
──これまで積み重ねた練習で意識しているポイントというものを、改めて。
“それをレースで発揮できるように”としか考えていないですね。
──この1年でワールドカップ初優勝、オリンピック銅メダルと大活躍されましたが、何がきっかけになったとご自身では思いますか?
コーチともメンタル的な部分の強化をしてきて、レースに臨む姿勢というのを(以前とは)変えてきたので、それでうまく力が発揮できたのかなと思っています。
──ナショナルチームに入られたというところも大きいですか?
そうですね。技術面、体力面も同時に強化されたので、(ナショナルチームに)入れたことは大きいかなと思っています。
──ご自身でも、変化というのは劇的に感じていらっしゃいますか?
はい。10月あたりから滑りという部分では大きくハマった感覚があったので、そこからはずっと調子がいい状態でした。
──それがどんどん自信へと繋がっていって、また良い成績になっていくんでしょうか。
伸び伸びとできたのが良かったのかなと思っています。
──頼もしい限りです。そして北京オリンピックでは、1000mでは順位は16位でしたけれども、3位の選手とは僅か0秒99差の大混戦でした。手応えというのはいかがでしたか?
約1秒になってしまうんですけど、自己ベストでは3位の選手とそれほど変わらないタイムだったので、“自己ベストを出せばメダルには届いたのかな”という部分で、あの日のベストのレースはできたのかなと思っています。
──ご自身の力を全て出し切れたと。
そうですね。「ラスト1周が課題」といつも言っているんですけども、その点があの日は良くなかったのかなと思っています。
──「ラスト1周」には、どういった課題があるんですか?
1年を通して500mに集中してやってきたので、(1000mでは)最後の1周になると早く足が限界を迎えてしまうことがあったので、そこが次の課題かなと思っています。
──今も練習は休まずにされているんですか?
3月15日に昨シーズンが終わったんですけれども、そこから大体1ヶ月ほど休みをもらっているので、4月に入ってから徐々に体を動かしています。
──今は思いきり体を休めて。
そうですね。「心も身体も休めろ」と言われています。
──どんな息抜きをされているんですか?
温泉に行くことが多かったです。大学のメンバーとがほとんどなんですけど、けっこう温泉に行きました。
──どちらに行かれたんですか?
この前は草津温泉に行きました。
──何度か草津温泉には?
いえ、今回が初めてでした。みんな初めてだったので「草津に行ってみよう!」ということで。
──草津のお湯はどうでしたか?
ものすごく熱かったです(笑)。でも、すごくリフレッシュできました。
──そして専修大学としては、1994年のリレハンメルオリンピックで堀井学さんが500mで銅メダルを獲得されて以来のメダルとなりましたが、強豪復活の期待というのもかかるんじゃないでしょうか。
最近の専修大学のスピードスケート部は、本当に強い選手ばかり集まってくるんです。今もインカレを連覇しているんですけど、どんどん連覇の記録を更新していってくれるんじゃないかなと思っています。
──ずばり、次なる目標をお聞かせください。
4年後とかは考えられていないんですけども、来シーズンは日本記録を目指して頑張りたいなと思っています。
──日本記録、楽しみにしております。
ありがとうございます。
──さあ、この番組ではゲストの方にcheer up songを伺っています。森重航選手の心の支えになっている曲を教えてください。
175Rさんの「ハッピーライフ」です。
──175Rさんをお聴きになられるんですね。
そうですね。昔の曲なんですけど、けっこう聴いています。
──どういったきっかけで、この曲を?
きょうだいが多いので、1番上や2番目(のきょうだいが)がそういう曲を聴いていて、自分もそれに影響されて、今でも聴いています。
──森重選手は、ごきょうだいは何人いらっしゃるんですか?
8人きょうだいです。
──森重選手が?
8番目です(笑)。
──未っ子さん。1番上のごきょうだいの方とは、何歳離れてらっしゃるんですか?
15(歳)離れています。
──15歳! 仲はどうですか?
みんな本当に仲が良くて、(故郷に)帰ったら、いつも遊んでいます。
──音楽の話も共有されたり?
けっこう「最近の流行りは…」とかの話もします。
──逆に、森重選手がお兄さん、お姉さんに最近の流行りの曲を。
お勧めしてるって感じです(笑)。
──最近は、どういった曲を?
最近だったら、Vaundyさんだったりヨルシカさんだったり、本当に最近流行っている曲をいっぱい勧めています。
──いいですね。ごきょうだいが多くて良かったなと思う部分はどういったところですか?
本当に仲がいいので、帰った時にはたくさん話せることが良いのと、大事な大会やいろんなレースでメッセージをたくさんくれるので(そういった意味で)兄弟の支えも大きかったかなと思っています。
今回お話しを伺った、森重航選手のサイン入り色紙を抽選で1名の方にプレゼントします。
ご希望の方は、番組公式ツイッターをフォローして指定のツイートをリツイートしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。
そして今回お送りしたインタビュー、ディレクターズカット版は音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。放送できなかったトークが盛りだくさん! ぜひ聴いてください!