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2022.04.09

東京オリンピックの舞台裏、そして「JDリーグ」の魅力とは

今週の「SPORTS BEAT」は、東京オリンピックで金メダルに輝いたソフトボール日本代表の峰幸代さんと渥美万奈さんをゲストにお迎えしました。
峰幸代さんは、2008年、北京オリンピックに当時最年少の20歳で選出され、正捕手として、日本初の金メダル獲得に貢献。

2014年に一度現役を引退しましたが、東京オリンピック開催決定を受け、2016年、トヨタ自動車から現役復帰。
昨年、自身2度目となるオリンピック日本代表に選出されると、戦略を分析するチームの頭脳として、金メダル獲得に貢献されました。

そして、渥美万奈さんは、2008年にトヨタ自動車に入団。
華麗なグラブさばきで不動のショートとして活躍
日本リーグでベストナインに2度輝くなどチームの勝利に貢献されました。
昨年の東京オリンピックの決勝戦では、先制タイムリーや奇跡のダブルプレーなど、攻守に渡る活躍が大きな話題となりました。


──まずはお2人、現役生活お疲れ様でした。引退しようと決意したのは、それぞれいつだったんですか?

渥美:私はもともと2020年にオリンピックがあると思っていたので、オリンピックが終わって1年間リーグの方に残って「ありがとうございました」という形で終わろうと思っていたんですけど、オリンピック自体が1年延びてしまったので、(オリンピック後のリーグには残らず)“オリンピックで終わろう”と、オリンピック延期が決まった時に決めました。


──そして峰さんの場合は、一度は引退されたわけですものね。


峰:はい。一度引退して、東京オリンピックが決まって、野球・ソフトボールが復活するというニュースを聞いて“もう一度チャレンジしたい”という気持ちになった時に、“それなら来年復帰をしてオリンピックを迎えて金メダルを獲って引退しよう”というところまで、スタートする時にもう決めていたという感じですね。

──復帰して代表に選ばれて金メダルを獲るところまで描いていて、それがちゃんと叶っている。有言実行で素晴らしいですね。
その東京オリンピックについて伺いたいんですけれども、13年ぶりにソフトボールが復活して見事金メダルに終わったわけですが、どんなオリンピックでしたか?


渥美:私は北京オリンピックは社会人1年目の時にテレビで観ていたんですけど、“やっぱりこの舞台で活躍したい、行きたい!”とずっと思っていたので、そこにまず選ばれたことが良かったですし、6年間この東京オリンピックで金メダルを獲る準備をしてきたので、“本番では楽しもう”という気持ちを強く持ってできたので、本当に楽しいオリンピックでした。

峰:私は2度目のオリンピックということで、オリンピック経験者として、“日本チームをどうやって金メダルまで導いていくか”という監督の戦略も理解していたと思っているので、そういう(前回のオリンピックとは)違った役割を全うできて、本当に良かったなと思っています。

──峰さんはチーム支える存在だったんじゃないですか?

渥美:そうですね。本当に経験豊富で、何かわからないことを聞いた時にもパッと返ってきたり、欲しい言葉をすぐに出してくれるので、自分にとって本当にすごく大切な存在でした。

──チームの中では、(峰さんが)みなさんにニックネームで呼ばれていたとか。

渥美:はい。「お母さん」と呼んでいます(笑)。

──いやいやいや(笑)。峰さんは「お母さん」と呼ばれて、どうですか?

峰:イヤになっちゃいますよね(笑)。でも、「お姉さん」じゃなくて「お母さん」って呼ばれるのは、“子供たちをいかに目標を達成させるように支えられるか”とか、そういう要素もあったのかなと思うので、ちょっと納得しています。


──そしてオリンピックでも大活躍されていた上野由岐子投手。決勝戦でも先発されて、再登板されましたよね。上野投手の存在というのは、どうでしたか?

渥美:“やっぱり最後は上野さんだな”と自分は思っていて。
上野さんが今までずっと日本代表を支えてきてくれたので、“必ず最後は上野さんが良い”と自分は思っていました。

──峰さんは、上野投手の球を受けてきたわけですよね。

峰:そうです。上野さんは、13年前の北京オリンピックとピッチングスタイルが全然違って、日に日に進化される姿というのは本当に素晴らしいなと思いますし、オリンピック期間中でも、初戦と決勝戦のコンディションが全く違う。まるで別人というぐらい、コンディションを決勝に向けて上げてきていたんです。だから、最強な姿でマウンドにいるというのを近くで感じられて、本当に心強かったですね。

──「ピッチングスタイルの変化」というのは、やっぱり速球だけではなく“引き出しが増える”ということなんですか?

峰:そうです。速球派でコントロールが良かったタイプだったんですが、そこから、外国人のバットのマシーンをかわすような細かい動きの変化球というのも練習されていて、変化球の鋭さは年々レベルが上がっていってるなと感じました。

──峰さんがチームの「お母さん的存在」だったら、上野投手はどんな存在なんでしょう?

峰:「お父さん」と言いたいところなんですが、意外とやんちゃな一面があって、例えば面白いことが大好きで、時にはチームのムードメーカーになったりするので、兄弟の一番上みたいな存在になるんじゃないかなと思います。

──上野投手のやんちゃなところ、気になりますね(笑)。
でも、若い選手からしたら、レジェンドすぎる存在じゃないですか。そうやってムードメーカーとして振る舞って盛り上げてくれたら、チームメイトとしてやりやすい部分も出てくるんじゃないですか?


峰:本当にその通りで。気さくで、練習などもけっこう柔軟にやられているので、あまりピリピリもせず、チームのために自分の役割を果たすということを常に考えているタイプの先輩ですね。

──そして東京オリンピックの活躍もあって、先日ソフトボールの新リーグ「JDリーグ」が開幕しました。トヨタレッドテリアーズのチームの魅力というのはどういうところなんでしょうか。

渥美:今年から本当に若返って。モニカ・アボット選手はいるんですけど、その下の選手が(全員)27歳以下ということで、一気に上のメンバーが抜けて「新生トヨタレッドテリアーズ」ということで、若々しいプレーを期待しています。
戦力としてはやっぱり多少変わってきますし、今の戦力でどうやって勝つかということはこれからが楽しみなんですけど、やっぱり若い力というのは本当に勢いを作りますし、そういう部分ではこれからのレッドテリアーズは楽しみだなと思います。


──開幕戦は特に素晴らしい試合展開で、チームが勢いづきそうだなと思いました。若いチームならなおさら、自信を持ってこれからリーグを勝ち進んできてくれるんじゃないでしょうか。

峰:そうですね。新チームになって「勝った」という経験をこの大一番で出せたということは「これからのチームはこういう試合を作っていくんだ」という思いにもなりますし、「よし、私達ならできるぞ」という自信にもつながるので、色々な強さをこれからどんどん出してほしいなと思います。


──魅力たっぷりのJDリーグ、ぜひ多くの方にスタジアムに来て観ていただきたいですよね。
そして、この番組ではゲストの方にcheer up songを伺っています。渥美さん、そして峰さんの心の支えになっている曲をそれぞれ教えてください。

峰:中森明菜さんの 「DESIRE -情熱-」です。

──世代じゃないですよね? これ、僕の世代ですよ(笑)。どういうきっかけで好きになったんですか?

峰:実は母が好きな曲で(笑)。やっぱり会場に来られたお父さんお母さん世代により楽しんでほしいなと思って、これは現役の時にバッターボックスに入る時に流してもらっていた、登場曲として使っていた曲なんですね。
やっぱり反響も良くて、今時の曲もいいんですけど、なかなか知らないという方も多いので、こういう昭和ソングが球場全体に流れるとみなさんがちょっと踊り出しちゃう…みたいな、そういう楽しみ方もありかなと思っていました。


渥美:私は、SOUL'd OUTの「Starlight Destiny」です。
この曲はやる気を出したい時に聴いていて、元々SOUL'd OUTは兄が好きでずっと聴いていたんですけど、それをちょっと借りた時にこの曲が一気に入ってきたというか。
この曲の歌詞がすごく良くて、“何も失わずに手に入れたものなんていらないぞ”という曲なんです。


──それでは、お二方の今後の活動についてお聞かせください。


渥美:これは「復活したらいいな」という希望なんですが、もし(2028年)ロスオリンピックでソフトボールが復活した時にもう一度日本が金メダルを獲れる力をつけてほしいので、私は今大学生に指導をしている最中なんですけど、やっぱり今の大学生の年齢が次のオリンピックで活躍する世代だと感じたので、大学生の指導をして、これからどんどんレベルアップをして、かつ、日本リーグもどんどんレベルアップしてほしいなという思いをもっています。

──オリンピックにソフトボールが復活したら、そこで活躍する選手たちを今頑張って育てているということですね。
峰さんは今後の目標は?

峰:私は長年ソフトボールプレイヤーをさせてもらったので、その中で成功体験やメンタルの大切さというものを学ぶことができたので、その私の経験を活かして、今ちょっと悩んでいる子だったり、“ビジネスでもうちょっと上に行きたい”とか、そういう思いを持っている方たちのコーチングをやっていきたいなと思っていて、今、日々勉強中です。

──面白そうですね。アスリートに限らず、ビジネスシーンにおいてもメンタル的にサポートしていく。全ての人の「お母さん」になっていくってことですね(笑)。「ビッグママ」ですよ。

峰:いいですね(笑)。

──ということで、本日のゲストは東京オリンピックソフトボール日本代表の峰幸代さんと渥美万奈さんでした。ありがとうございました !

峰・渥美:ありがとうございました!




今回お送りしたインタビュー、ディレクターズカット版は音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
東京オリンピックの舞台裏、日本の新エース・トヨタ自動車 後藤希友(みう)投手、レジェンド・上野由岐子投手の素顔など、放送できなかったトークが盛りだくさん! ぜひ聴いて下さい!
詳しくはホームページツイッターをご覧下さい。

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