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2023.05.20

日本女子ホッケー初のクラブチーム、東京ヴェルディ・ホッケーチームの魅力と可能性

今週の「SPORTS BEAT」は、先週に引き続き、ホッケーを特集! 東京オリンピックに出場し、現在も日本代表として活躍している及川栞選手をゲストにお迎えして、お話を伺っていきました。
及川栞(おいかわ しほり)選手は、1989年生まれ、岩手県出身。
お母様がホッケーの元日本代表キーパーだったこともあり、子供の頃からホッケーを始められます。
2018年、東京オリンピックの大陸予選を兼ねたアジア大会で日本の初優勝に大きく貢献し、アジア年間最優秀選手にも選出。
現在、タカラベルモントに所属し、プロのホッケー選手として、東京ヴェルディ・ホッケーチーム、そして2024年パリオリンピック・女子ホッケー日本代表「さくらジャパン」候補に選出され、日本の女子ホッケー界を牽引されています。



──2019年に、オランダから日本に帰って来られた。

はい。オランダリーグが5月に終わったので、それ以降、日本に完全帰国することを決めて戻って来ました。

──東京オリンピックに向けて、“日本のチームに所属したい”という思いでの帰国だったんですか?

そうですね。その当時の監督とお話をして、4年目の2019年に帰って来るかどうしようかと迷っていた時に、既にオランダのクラブチームからオファーをいただいていたんです。でも、2020年に東京オリンピックが開催予定だったので、“(オリンピックの)1年前(に海外に行く)は違うな”と。個人じゃなく、日本代表のチームとして不安なくピッチに立ちたいという思いがあったので、その思いを当時の代表監督に話して、「僕も代表の合宿に全部参加してほしい」ということで、最終的に自分で判断して、決断して、「日本に帰ります」と、オファーを断って帰って来ました。

──東京ヴェルディ・ホッケーチームは、2019年に新設されたチームだったんですね。

そうです。タイミングよく、2019年1月に、日本で初めての女子ホッケーのクラブチームが出来ました。
日本初です。基本的に(ホッケーは)企業スポーツなので、企業がホッケー部を持っていたんですが、“日本(女子)初のクラブチーム”という形のチームが出来ました。

──所属している選手たちは、みんなプロということですか?

いいえ。みんな“デュアルキャリア”です。いろんな会社や、学校の先生だった人もいますし、1人1人みんなバラバラで働いて、仕事が終わった後に集まってトレーニングする、という形で。本当に“クラブチーム”です。

──東京ヴェルディ・ホッケーチームは新しいチームということですが、前からあるチームがやはり強い?

強いです。でも、東京ヴェルディは、本当に“ホッケーが大好き!”という人たちが集まっているので、すごく向上心が高いですね。今後が楽しみなチーム。“何かを引き起こすんじゃないか”と思えるような、自分も一緒にやっていてワクワクするようなチームなんです。
あと、みんな1人1人、アスリートとしてもいち社会人としても活動している人たちしかいないので、これからのクラブチーム…ホッケーの中でのデュアルキャリアのロールモデルのクラブチームになっていくと思っています。

──東京ヴェルディは、どういうフォーメーションで、どのようなチームなんですか?

2人日本代表がいて、私がディフェンダーで、もう1人はミッドフィルダーなんですが、その2人を中心に、フォワードには元日本代表が2人いるので、そこを起点として、“うまいパスゲーム”というところが私たちの魅力なので、基本的には、4バック、3ミッド、3フォワードという形で、パスホッケーを見せていく、自分たちの強味としてやっていくチームです。


──東京オリンピックに参加されていかがでしたか?

本当に、何にも代えられない、私の人生の中で財産になる大会でしたね。
母国で開催で、日の丸を背負って出られる。そこのタイミングでホッケーの日本代表でいられるというのは運でしかない、というぐらい。
ただ、無観客だったということが、今でも私の中では悔いが残っているので、だからこそ、次のオリンピックでは、自分の両親やお世話になっている人たちに、現地へ応援に来てほしい。それが今一番のモチベーションになって、競技に向き合っています。

── 東京オリンピックの後は、オーストラリアのリーグに挑戦された?

実は、2019年に帰国してから、同じ年の9月から11月まで、オーストラリアに行っていました。あと、昨年2022年の9月から11月にも、もう1度、オーストラリアリーグに参戦させていただいています。

──オーストラリアも強いんですね。

強いです。2019年の時は世界ランク2位。オリンピック以降に世界ランクが変わったので、今は3位なんですけど、日本よりもランキングが高いので、そこでやり続けたい、やっぱり世界で戦いたいと思って参加しました。
2019年は東京ヴェルディ・ホッケーチームが出来立てだったので、日本で最高峰の「日本リーグ」にはまだ参戦していなかったんです。なので、日本での公式戦がすごく少なかったということもあって、その当時の代表監督がオーストラリア人だったんですが、「ヴェルディでは公式戦が少ないから、試合感覚を忘れないためにも、オーストラリアのリーグに行ってみないか」と声をかけてもらったことをきっかけに、2019年に行きました。
自分でもサプライズだったんですけど、(オーストラリアのホッケーリーグの)2019年のMVPに選んでいただいて。世界ランク2位のリーグのMVPに(笑)。サプライズ過ぎて…。男子のMVPはオーストラリアの代表だったんです。女子のオーストラリア代表もたくさんプレーしていたんですよ。“えっ!? まさか、ディフェンスの私が?”って。やっぱり、華を持っているのはフォワードですから。私は(ディフェンダーなので得点を)1点しか取っていないんです。ずっと守っていたんですよ。

──実際に、“評価が高いな”という手応えはあったんですか?

全くないです。MVPの決め方も、“どうやって選ばれたんですか?”と聞いたんですけど(笑)、毎試合、審判が2人いるんですが、その2人が、(試合の)中で活躍した人を3人選んで、“1番はこの人”“2番はこの人”と(ポイントを付けていく)、ポイント制だったんです。だから、アンパイヤ(審判)にすごく態度が良かったのかなって(笑)。
審判は一番よくゲームを見ているので、だから本当に価値のある賞をいただいたなと思っています。

──そんな手応えのあるリーグ、また今年も行きたくなっちゃうんじゃないですか?

行きたくなりますよ(笑)。行きたいんですけど、今年はもっと大事な、パリ・オリンピックの予選であるアジア大会が控えているので、今年はそちらにフォーカスしています。

──日本リーグも4月から始まっています。

はい、始まっています。
試合を観に来ていただきたいですし、YouTubeでも観戦出来ます。日本ホッケー協会のサイトに行っていただくと、日本リーグを観られるところがあるので、現地に来れない方は、ぜひ、YouTubeで観戦していただけると嬉しいです!

──趣味がスポーツ観戦とか?

他の競技を観るのがすごく好きで。私自身がチームスポーツをやっているので、サッカー、バスケット、バレーボール、野球、ビーチサッカー…全部、チームスポーツですね。

──お母さまが元ホッケー日本代表で、お父様も?

器械体操の選手でした。そのおかげで、今も身体がすごく柔らかいです。
私も器械体操をやっていました。小さい時に、休日は、みなさんは公園に行ったりするじゃないですか。私は、土曜日は父親に連れられ、お昼寝をするところはトランポリンの上。日曜日は母親に連れられ、ホッケー場で、母親が教えている選手たちとボールを追いかける、みたいな(笑)。

──器械体操の技が出来るんですか?

小さい時にやっていました。バク転をやったりとか、宙返りとか。でも、物心ついた時に、父親から「宙返りをやってみろ、出来るんじゃないか?」と言われたんですが、“ちょっと怖いわ~”って。

──逆に、意識していない時の方が出来た?

出来ましたね。クルクル回っていました。

──それがホッケーに活かされている部分もあるんでしょうね。

めちゃくちゃ活かされていますね。だからこそ、怪我が少ないということが自分の強味でもありますし、身体が柔らかいので、トレーナーの人にも、「身体が柔らかいからカバーされている部分がすごくあるよ」と(言われた)。
「筋肉の質も柔らかい」と言われて、それは怪我をしにくいことに繋がっているので、両親には感謝ですね。

──この番組では、ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。今週も、及川栞選手の心の支えになっている曲を教えてください。

レイチェル・プラッテンの 『ファイトソング』です。
この曲は、2018年に私たちが初めてアジア大会で金メダルを獲る、その前の合宿から聴いていた曲です。
この曲を和訳した時に、“1本のマッチでも爆発出来る”歌詞があるんですけど、“1人1人の力が集まったら大きいパワーになる。だから1人1人が自分の役割をしっかりこなして、チームのために頑張ろう”という意味を込めて、(みんなで)聴いていたんです。
自分たちがチームとして目標を達成するために、“どんな時でも1人じゃないよ”という意味を込めてこの曲を常に聴いていて、アジア大会で優勝した時にもこの曲をずっと聴いていたので、自分の中では“勝ち曲”みたいなものになっています。
“私がチームでプレー出来るのは、私だけじゃなくて周りの人がいるから”ということも思い返させてくれる曲で、チームスポーツに合った曲だなと思って、この曲を選ばせていただきました。

──パリ・オリンピックに向けた予選となるアジア大会が、秋にあるんですよね。

そうです。今年の9月に中国で行われます。
(オリンピックで)メダルを獲る、そこだと思います。パリ・オリンピックでメダルを獲得するためにも、今年の9月のアジア大会がキーになってくるので、そこに焦点を合わせて、チームとして、選手と一丸になって頑張っていきたいと思います。

──「さくらジャパン」には、なんと言っても、オーストラリアリーグのMVPがいますからね!

任せてください!(笑)



今回お話を伺った及川栞選手のサイン入り色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。 ご希望の方は、番組公式ツイッターをフォローして指定のツイートをリツイートしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。

そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
放送できなかったトークが盛りだくさん! ぜひお聴きください!


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