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2023.03.18

いよいよ決戦の地・アメリカへ!準決勝の展望は!?

今週の「SPORTS BEAT」は、先週に引き続き、WBC特集! 投手として日米通算で900試合登板を達成している五十嵐亮太さんをゲストにお迎えし、生放送でお話を伺っていきました!
日本代表「侍ジャパン」は、1次ラウンドを全勝、1位で勝ち抜け、3月16日(木)、準々決勝でイタリアと対戦。
9対3で日本が勝利し、準決勝進出が決まりました!
この後は、アメリカ、フロリダ州マイアミで、日本時間の3月21日(火)朝8時から準決勝。メキシコとの対戦が予定されています。




──イタリア戦の大谷(翔平)選手の気迫、すごかったですね!

自分は3塁側のベンチ横でリポートをしていましたが、大谷選手の一球一球、投げる声がしっかり聞こえていました。
(大谷選手は)シーズン中、あんなに初回から声を出すことってないんですよ。「ここぞ」という場面でないと、あんなに声は出ないと思います。
自分がそういった姿勢を示すことで、チームを鼓舞する、そして守っている選手にそういった気持ちを示すという意識は、かなり強かったと思います。

──イタリアの応援は静かだったので、日本の投手が投げる時はシーンとしているという、不思議な感じでしたね。

日本のピッチャーは違和感があったと思いますよ。相手チームの応援があった方が(気持ちが)紛れて良いということもあるので。異様な雰囲気でしたよね。
アメリカに行くと、ホーム感はなくなって、アウェーの中で(試合をする)ことになりますよね。戦い方も変わってくるでしょうし、日本の応援とは違った雰囲気もありますし、アメリカの野球の雰囲気を初めて体験する選手もいると思うので、それはいい意味で刺激を受けながら戦ってくれるんじゃないかなと思います。

──イタリア戦、快勝と言っていいんじゃないですか?

驚きました。プールAの試合をずっと見てきたんですが、イタリアは本当にいいチームなんですよ。シフトを敷いたり、すごく緻密な野球をするチームで。ピッチャーもコントロールが良かったですし、もっと接戦になると思っていました。
でも、なかなかピアッツァ監督の思い通りにいかなかった。下位の終盤に投げるような良いピッチャーからどんどん投入していったんですよ。そうなると後半持たないよな…と思ったんですが、それぐらいしないと日本には勝てない、スタートから日本優位な状態で始まったんだなと、終わってみて感じましたね。

──イタリアは1次リーグの最終戦でいいピッチャーを使ってしまって、日本戦で使えない状態になっていましたよね?

ハービー投手がエースなんですけれど、彼が使えないという中で、次に誰が先発かとなった時に、2試合目に投げた先発の選手を投げさせたんですね。…なんですが、本当は3試合目に投げた選手の方が良かったんですよ。でも彼が投げることはなく、“え?”と思ったんです。
結果、2試合目の投手が2イニングを0で抑えたので、そこはピアッツァ監督のイメージ通りだったと思うんですが、その後のピッチャーなんですよ。本当は終盤でしっかり抑えるピッチャーなのに、彼が打たれたことで、多分、ピアッツァ監督のプランが崩れ落ちたという感じですね。

──大谷選手の、まさかのセーフティバントでしたね。

多分、全員驚いたと思います。イタリアのチームってシフトを敷くんですよ。
だからその時、サードはショート寄りにいたし、セカンドはセカンド寄りに。三塁側が大きく空いていたので、イタリアもさすがにセーフティバントはしてこないだろうと思っていたところをね。
あれでイタリアも驚いた。そしてあのバントがきっかけで岡本(和真)選手のホームランにつながったんです。
その後の大谷選手のコメントが、「チームの勝利よりも上回るプライドはない」。
「そこは、抑えられる、勝つことが一番だし、そのためのプライドなんて捨てられる」というコメントをした時、めちゃめちゃカッコいいなと思いました。

──(大谷選手は)サード側が空いていても、普段の試合ではあまり(バントを)しない?

(これまでは)そんなにしなかったですよね。
だから、ああいうセーフティバントをすると、チームも“絶対勝たなきゃいけないんだ”となるし、その前に、すでにピッチングで、初回から全力投球で示しているじゃないですか。見ている方も、“やらなきゃいけない! なんとしても勝つぞ!”という気持ちが絶対に強くなるんですよ。
あれでまた、日本代表チームが全体的に強くなったというか、(大谷選手に)引っ張られるような、そんな良い雰囲気になっていきましたよね。

──イタリアはメジャーの選手も多いということで、大谷選手も打たれましたよね。

イタリアは、コンパクトに打つバッターが多いんですよ。
イタリアは、9人中6人が左バッターなんです。だから大谷選手は、中国戦ではスライダーをよく投げていて、このままだと左バッターが相手だと三振は取れないなと思っていたんですが、(イタリア戦では)フォークボールをしっかり投げてきたんです。
バッターによって大谷選手もピッチングを変えてきたのは良かったんですが、イタリアのバッターがコンパクトに打てるバッターが多いので、プールAではホームランが1本もなかった…そのぐらい短打でつないでつないで、という野球をやってきた。ですから、(イタリアに)2~3点は取られるかなと思っていましたね。

──ピンチを、日ハムの伊藤(大海)投手が止めましたね。

ランナーを置いた緊迫した場面で、なおかつ大谷選手の後ですよ。僕も中継ぎをやっていましたけど、大谷選手の後は、荷が重いです。よく抑えましたよ。バッターも160キロ越えの球を見た後に、スピードは落ちるわけですから。そういう中であのピッチングができるって、伊藤選手は強いですよね。
彼はここぞという場面でしっかり抑えられるので、だからこそ、ああいった場面で栗山さんも使ってきたと思いますが、みごとに結果を残しましたね。

──日本代表への声援もすごかったですが、一番大きかったのは、村上(宗隆)選手への声援でしたね!

苦しかったですからね。本人が一番ホッとしているでしょうけれど、あのヒットを打った瞬間のあの歓声はすごかったですね。
僕は、あの前に村上に会ったんですよ。「村上、大丈夫か? 元気か?」と言ったら、「大丈夫です! やります!」と言って、ちょっとハグしたんですよ。本当に打って良かったなと思いました。あの後もいい当たりでしたしね。


──今永(昇太)投手が1イニング出場しましたね?

安定感抜群ですね。まっすぐのキレ、変化球共に。彼の場合、速いし、コントロールもいいんですよ。
一番の強味は、“インコースに投げ切れる”というところですね。左バッターは左ピッチャーが優位というのはわかるんですけど、右バッターに対しても強いというところが…コントロールであったり、角度をつけたインコースをズバっと投げられる強さがあるからこそ、ということは感じましたね。

──日本はコントロールがいいですよね。

そうですね。どのチームを見ていても、フォアボールでランナーをためて失点、ということが多いんですよ。今回の日本を見ていると、崩れてフォアボールということがないですよね。そういう試合が少ないかなと思います。

──今永投手の活躍は、五十嵐さんのおかげとか?

いやいや。毎年春になると、キャンプ取材をするじゃないですか。その時に今永投手と話す機会があって、「カーブはどういう感じですか?」 と(訊かれた)。野球選手は、いろんな人に話を聞いて、吸収できることは吸収しようというスタンスなので、そんな特別な話じゃなくて、「カーブはこういう感じかな」「腕の使い方はこういう方が合ってるんじゃないかな」という話をしただけなんです。
もともといいものを持ってる選手なので、こんなことで変わるぐらいだったら…そんな選手じゃないですよ(笑)。

──アメリカラウンドでの登板も期待したいですよね!

あると思いますよ!

──日本がイタリアとの準々決勝を戦う直前、WBCの主催者であるアメリカメジャーリーグ機構が記者会見を開催し、日本が準決勝に進出した場合の対戦相手が、メキシコ対プエルトリコの勝者に変更となることが発表されましたね?

僕はその時現場にいましたが、メディアの人がまあまあドタバタしていましたね。
今回のWBCは、(どのチームと)当たる当たらないもそうですし、得失点差とか細かいルールある中で、計算しながらやらなければいけなくて、難しいというか、専門の人がいないと難しい戦いではありましたよね。
プールAで試合を見た時に、全チームが2勝2敗だったんですよ。(勝敗数では)並んだんです。そこで点数などが関わった結果、イタリアが勝ち上がったんですけど、イタリアも最終戦であそこまで点数を取っていなかったら(準々決勝に)上がってこなかったんじゃないかなと思うので、試合の前に“今日は何点取るぞ!”みたいなことをやっているのかなと思いますよね。

──試合相手が誰になるのか、今、まさに試合の真っ最中ですが…。
(※放送後に試合が終了し、メキシコが準決勝の相手となりました)

「絶対に負けちゃいけない」となった時に、投手の出し惜しみはしないんですよ。佐々木(朗希)投手が最初に来た場合、山本(由伸)投手も継投として入ってくる可能性があると思っています。大谷投手の後にダルビッシュ(有)投手が投げたようなスタイルで、佐々木投手からの山本投手。間に中継ぎを入れて、山本投手が最後まで行けたら行くし、もし崩れたら抑え投手を投入するという、準々決勝と同じスタイルで来るんじゃないかなと思います。

──例えば、山本投手を、準決勝の試合展開によっては決勝に回すということはできないんですか?

やろうと思えばできますけど、試合展開を見ながら変えるという余裕はないと思います。山本投手は先発ピッチャーなので、「今日はこの回から投げるので準備しておいてください」という形にはなると思うんですよね。

── 五十嵐さん、今の時点で、侍ジャパン、優勝の可能性は!?

準々決勝よりちょっと下がるので、60から70%…難しい試合、接戦になってくると思います。


来週も五十嵐さんをお迎えして、WBC特集をお送りします!


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そして今回お送りしたインタビューを、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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