TOKYO FM & JFN38 STATIONS EVERY SAT.10:00-10:50

SPORTS BEAT supported by TOYOTA

TOKYO FM & JFN38 STATIONS EVERY SAT.10:00-10:50
TOP > SESSION-1
2023.03.11

WBC開幕!大差で連勝!序盤2戦を振り返り

今週の「SPORTS BEAT」は、WBC特集! ニッポン放送「ショウアップナイター」解説者で、2006年の第1回WBC優勝メンバーの里崎智也さんをゲストにお迎えし、生放送でお話を伺っていきました!
日本代表「侍ジャパン」は、3月9日(木)の初戦、中国を相手に8-1で勝利。
そして、10日(金)は韓国と対戦。この試合も13-4で勝利し、現在、2勝0敗としています。
この後は、11日(土)午後7時にチェコ共和国と、12日(日)はオーストラリアと対戦が予定されています。




──初戦の中国戦、予想外に重たい展開になりましたね?

前半、ピリつきましたね。サッカーでも言われますが、初戦はみんな緊張するというのもありますし、確かに中国とは力の差がありますけど、今年でWBCは5回目ですが、(日本が)中国をコールド負けにしたのは、初戦の2006年だけなんです。イチローさんが活躍した、世界一になった2009年は中国と4対0なんですよ。だから、中国だからといってコールドに出来るほど甘くない。そして、初戦の入りはみんな硬かったというのはありますね。

──相手のフォアボールも多く、塁にランナーは出るのに残塁で終わってしまうという展開でしたよね。

選手に取材してみると、「ボールが指にかかっていない感じで軌道が安定せず、ストライク、ボール共にまとまっていないから、イメージし辛かった」と言っていました。

──それは、“WBCの球が違う”ということもあったと思うんですが、ピッチャーだけでなく、キャッチャーもWBC球だと投げ辛い、とかあるんでしょうか。

そうなんです。みんなピッチャーばかり言うんですが、野手はもっと大変なんですよ。
ピッチャーは自分で握りを確かめて自分の好きな握りで投げられますけど、野手は好きな握りで投げられないので、指が縫い目に一切かからない可能性があるんです。そうなった時は滑りますから。
(WBCで使用されるボールの)革の部分がツルツルなんですよね。日本の球はザラザラなんですよ。日本は牛で、アメリカのメジャー球は馬なんですよね。もう、そこから違うんです。
昨日、村上(宗隆)選手が、ちょっと抜けて暴投になったじゃないですか。ああいうことが起きるんです。なので、爪を立てて、指先を立てて、抜けないように握りこみます。
だから、野手も滑り止めを使っています。キャッチャーも滑り止めを持っていたり、あと、手を乾燥させなようにとか、色々していますよ。

──レベルの差があり過ぎると、いつもとは違う戦いになってしまう部分もあるんでしょうか。

それはあります。“いつでも打てそうだな”と思うんですよね。で、“あれ? おかしい?”となってしまって、打てないパターンもありますよね。

──そんな中、今までなかなか調子の出なかった山田哲人選手。そして、甲斐拓也選手にヒットが出ましたね。

あれは良かったですね。あの回も、途中出場の山田まで打席が回らず終わるかもしれなかったところを、満塁で山田哲人まで回した。
何が良かったかというと、3ボールから、多分、山田の状態が悪かったから、みんな“振るな”と思っていたと思いますが、あれを、空振りでしたけど、フルスイングで振れたのは良かったですね。3ボール1ストライクになってから、もう1回振ってタイムリーですから。ここ1週間ぐらいで1番の笑みをファーストで見ました(笑)。

──山田哲人選手は国際大会の良いところでホームランを決めてきた選手なので、これから大事なところで起用されて、決めてくれますよね?

東京オリンピックもMVPですしね。東京オリンピックの時も、直前まで全く打てなかったんですよ。だから(試合に)入ったらスイッチが入る男なので、そこは期待してもいいと思いますね。

──初戦を勝てたというのは大きかったですよね。

最初こそ接戦でしたけど、全体的には、ほとんどの選手が良い形で終えたというのは、素晴らしい初戦の勝ち方だったと思います。

──そして韓国戦。序盤は意外過ぎる展開でしたね。

ピリつきましたね。ダルビッシュが打たれた瞬間、“あ、韓国の(応援の)方が、けっこういる!”って思いましたね。一斉に立ち上がりましたから。

──でも、3回裏で逆転してくれました。

初戦の中国戦は、1、2、3番が躍動したと思うんですよね。ヌートバー、近藤(健介)、大谷(翔平)のところが。
でも、韓国戦は、8番からの下位打線からの上位打線へのつながりが爆発力を生んだと思うんです。
3回裏も、源田(壮亮)選手が粘って粘って、フォアボールを選んで、中村(悠平)選手もフォアボール。ヌートバー、近藤と連打…という、いい打線の流れでしたね。

──近藤選手と吉田(正尚)選手の頼もしさ、素晴らしいですよね。

近藤は、本当にいいところで打つ大会全体のキーマンになっていて、いいジョイントになってますよね。

──吉田正尚選手は、今シーズンからメジャーリーグ、レッドソックスに大型移籍。WBCに参加出来たのは大きかったですよね。

日本にとっても大きかったですし、多分、この活躍を見て、レッドソックス関係者もファンも安心していると思うんですよ。参加しなくてもアジャストしているというね。

──ヌートバー選手については、あまり情報もなくて、侍ジャパンに溶け込めるんだろうかと思っていましたが、杞憂に終わりましたね!

溶け込めるどころか、ファンの心を鷲掴みですよね。“ペッパーミルパフォーマンス”も、街中からペッパーミルがどんどんなくなっているらしくて。かっぱ橋のお店も、(ペッパーミルを)増産しているらしいですよ。家庭用と球場用と買っているんじゃないですか(笑)。球場には、ペッパーミルを持ち込んでもいいけど、中身は入れないように、ということになっているらしいです(笑)。
受け入れ態勢も素晴らしかったですよね。今はもう、“ヌーイング”という(声援)があるんですよ。“ヌーーー!”っていう。応援団も、(ヌートバー選手のことを)“タツジ(日本名)”と呼んでいますよね。そういう、ファンのみなさんの受け入れ態勢も素晴らしいですよね。

──ダルビッシュは、いきなり実戦だったんですよね?

そうですね。大谷は(日本代表のキャンプに)参加は遅れましたけど、アメリカで実戦を経験してから(来た)。
ダルビッシュは、キャンプに最初から来てくれて。実戦感覚が遠のいてたということはありましたけど、本人のコメントを聞くと、「状態は、試合感覚が空いていることを考えると悪くなかった」と言っているので、決勝に向けて上げていってほしいですね。

──その次に投げた今永(昇太)投手は、球速が出るたびに球場がどよめく、自己最速を記録する素晴らしい球でしたね。

良かったですね! 昨年のオーストラリアとの強化試合もそうですし、今年は壮行試合から非常にいい球を投げていましたし。昨日は、壮行試合より球が走っていましたね。

──韓国はピッチャーを10人注ぎ込みましたね?

韓国は、オーストラリア戦が勝負だったんですよ。ところがプラン通りにいかなくて、ピッチャーを注ぎ込み過ぎて、接戦で負けて、日本戦だった。だから、オーストラリア戦で、もうプランは崩れていましたね。そこは韓国代表の監督も難しい決断だったと思います。
先発のキム・グァンヒョンがめちゃくちゃ良かったので、前半は“あれ?”と思いましたけど、(日本の)逆転劇は素晴らしかったです。
あと、ヌートバーのファインプレーね! あれが落ちていたら、もしかしたら同点だったかもと思うと、あのプレーも素晴らしかったですね。

──そんな中、ちょっと心配なのは、三冠王の村上選手ですが…。

周りが打つので、本人は余計に苦しい状況ですが…でも、団体スポーツはどこでもそうですが、“全員が絶好調”ということはありえないので。大会を通して“ずっと絶好調”もなかなかない。打てない、不調の選手が出てきても、周りがカバーしながら勝っていくと、最後に村上が恩返ししてくれると思うんですよ。
それが、2006年第1回目の福留(孝介)だし、2009年第2回目のイチローさんだし。あのヒットメーカー・イチローさんが全く打てなかったんですから。でも、決勝で打ってくれた。
みんなでカバーしながら、最後は村上が決めて、“なんだよ村上、早く打ってくれよ!”という感じで行ってくれることを願いたいですね。

──すごい選手ばかりの中で、4番を任されるプレッシャーもあるのでは?

あると思いますよ。前が大谷ですからね。
今日あたりは打順を下げてみて、ちょっと楽な場面にして復調をうながすというのは、僕はアリだと思いますね。
イチローさんのように、打順を変えないで復調を待つ場合もありますし、福留選手のように、変えて復調した場合もあるので、何が正解かわかりませんが、ファンとしては信じて応援するだけなんですよね。
1本でいいんです。しょうもない当たりでもいいんです。1本ヒットを打てば、バッターは一気に変わりますから。その1本を早く期待したいですね。

──侍ジャパンは各チームの4番が揃っていますが、送るとか小技の部分ではどうなんですか?

小技を利かせなくてはならないということは、劣勢ということですよね。全員が打てば、4番ばかりでもいいんです。
それに、繋ぎのバッティングを4番が出来ないわけじゃないんですよ。ただ、チームで4番を任されているから、しないだけなんです。
例えば、第1回のWBCに三冠王の松中信彦選手がいたんですが、(WBCでは)ホームランは0本で、本人曰く、“ホームランは捨てた”そうです。王監督を優勝させるために、自分は繋ぎのバッティングでチームに貢献する。大きいものを狙わずにヒットを量産して、4割3分ぐらいヒットを打ったんですよね。でも、所属チームに戻ればホームラン王じゃないですか。

──というと、村上選手も、ホームランじゃなくて、まずは当てていく方がいいんでしょうか。

そうなんですけど、あまりこじんまりしちゃうと、フォーム全体のバランスが崩れてしまうので、自分のスイングの中でヒットになったらそれで良し、でいってほしいですね。

──今夜の相手はチェコですが、中国相手に勝っているんですよね?

そうなんですよ。しかも、勝負どころで最後にホームランを打って。負けることはないと思うんですけど、勝ち方ですよね。また今日も良い感じで勝って、まだ出ていない選手を使いながら、1次ラウンドプールでチームの状態を上げられれば最高ですよね。

──チェコ戦は、先発は佐々木朗希投手ですが、どんなピッチングが期待できますか?

佐々木朗希投手は、侍ジャパンの中で上位に入るぐらい、いい調整が出来ています。素晴らしい投球を見せてくれているので、間違いなく素晴らしいピッチングが観られると思います。
チェコの選手も、さすがに、165キロの(球は)見たことがないと思うので、そういうところで面食らうと思います。自分のピッチングをしてもらいたいと思います。
チェコは、データが豊富にあるわけじゃないんですが、そういう時は、まずは、ピッチャーの一番いいスタイルで投げさせることですね。
佐々木朗希投手は、まっすぐフォークが主体なので、それを中心に投げながら、(相手が)対応してきた場合はそこから変化させていくという作業をしていくので、まずは得意なところを持ち出すことがキャッチャーとしては大事になっていきますよね。

──しかも、今日は、3月11日です。いろんな思いがある中で、日本全国を明るくしてもらいたいですし、被災地の皆さんの力になるように…。そういういろんな思いを背負って、みんな頑張ってほしいですよね。
明日はオーストラリア戦ですが、勝ちたい試合ですよね。

多分、99%、準々決勝に行けることは確定しているんですが、1位で通過することが準決勝への近道になるので、今日のチェコ、明日のオーストラリアは絶対に負けられない。全勝で1位で次に進みたいですよね。

──ヌートバー選手のペッパーミルパフォーマンス、みんなやっていますが、山川穂高選手の“どすこいパフォーマンス”も見たいです。

この前教えてもらって、ヌートバーが“どすこい”をしていましたよ。
あとは山川だけが出ていないので、ひょっとしたら今日のチェコ戦でスタメンで出るかもしれませんね。“どすこい”、見たいですね。

──気の早い話ですが、現時点で侍ジャパンの優勝、どのくらいだと見ていますか?

富士山で言うと、今、8合目にいます。来ています。見えていますよ、頂上!


来週もWBC特集をお送りしていきます!


今回お話を伺った里崎智也さんのサイン入り色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。
ご希望の方は、番組公式ツイッターをフォローして指定のツイートをリツイートしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。

そして今回お送りしたインタビューを、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
ぜひ聴いてください!
過去1週間分の番組が無料でお楽しみいただけるradikoタイムフリー
番組を聴いて気に入ったら、SNSで友達にシェアしよう!
3月11日(土)OA分の放送はこちら