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2023.02.25

日本中が沸いた「完全試合」の裏側

今週の「SPORTS BEAT」は、プロ野球特集! 昨シーズン、パーフェクトゲームを達成し、ギネスブックにも掲載された、千葉ロッテマリーンズ・松川虎生選手のインタビューをお届けしました。
松川虎生選手は、2003年生まれ、大阪府出身。
高校時代は春のセンバツで甲子園に出場。
2021年のドラフト会議で千葉ロッテマリーンズから1位指名され、入団されます。
元気溢れるプレーを信条に、昨年、開幕戦からキャッチャーとしてマスクを被り、4月10日には佐々木朗希投手とバッテリーを組み、完全試合を達成。
「プロ野球における完全試合を達成したピッチャーとキャッチャーの最年少記録」としてギネスブックにも認定。
また、高卒新人キャッチャーとして初めてオールスターにもファン投票で選出されました。

今回は、藤木さんが千葉ロッテマリーンズのキャンプ地である石垣島を訪れ、松川選手にインタビュー取材してきました。



──キャンプに入って1週間ちょっとですが、キャンプの方はどうですか?

キャンプインから1週間経ちましたが、本当に良い状態ができていると思いますし、もっとレベルアップしないといけないなと思っています。

──キャンプ中というのは、やはりキツイんですか? 練習量は多いですか?

今年に関しては、自分の課題に向き合う時間があるので。あまり全体としては練習量は多くないですけど、自分と向き合う時間が多いかなと感じています。

──去年は高卒ドラフト1位でのキャンプ一軍でしたが、去年のキャンプと比べていかがですか?

去年は、どういう動きをしたら良いのかわからない中で、なんとか自己アピールしたいと思って、毎日必死にやっていたなと思います。

──プロの選手たちに囲まれて、“戸惑い”というか、今までとは違うものを感じたりしましたか?

テレビ越しに観ていたすごい選手たちとプレーするので、本当に緊張しますし、ちょっとのミスで(勝負が)左右されるんだなとすごく感じました。
みなさんの取り組んでいる姿勢だったり、全てのことに関して本当にすごいと思いましたし、今もそうですけど、一瞬一瞬をすごく大切にしてやっているんだなと感じています。

──結果として開幕戦でマスクを被ることになりましたが、このことはいつ頃聞かされたんですか?

開幕戦の前の日だと思います(笑)。監督とバッテリーのコーチに、「明日いくぞ!」という感じで言われました。

──“ひょっとして出られるかも?”みたいな予感はしていたんですか?

開幕スタメンは自分の中でも狙っていたので、本当に言われた時にはちょっとびっくりしましたけれども、嬉しさはすごくありました。
──プロとして初めての試合でもある開幕戦、どんな心境でしたか?

試合前はめちゃくちゃ緊張していましたけど、試合に入ると、みなさんが「思いっきりやれよ!」と言ってくださったので、本当に思いきりやって、良い形で開幕戦を勝利できたのですごく良かったですし、試合をやっていく中で緊張感はほぐれていったと思います。

──開幕戦はピッチャーがエースの石川歩投手でしたが、何か言われたことはありましたか?

石川さんは、試合中もあまり話さない方なので、ちょっと僕からも…(笑)。

──試合中は、ピッチャーとキャッチャーだったら、ベンチに戻ってから話したりコミュニケーションを取っているイメージがありますが…。

そういう時は自分から話していきますけど、石川さんから“ここはこうだ”ということは、たまに言ってくれるぐらいなので、開幕戦の時から自分から話して、だんだん石川さんの持ち味がわかってきたかなと思っています。

──松川選手は“新人らしくない”というか、「十年選手だよ」なんてよく言われると思いますが(笑)、実際、緊張することはあまりないんですか?

いや、緊張してますね、毎日。試合前は緊張しています。

──あまり表に出ない?

そうですね。自分の力をしっかり発揮するだけだと思うので。
“やってやるぞ!”という気持ちは、すごく感じています。>

──結果として、開幕戦は0点に抑えることができたことは、かなり“自信”というか、手応えになったんじゃないですか?

そうですね。初戦だったので、(シーズンの)“入り”をすごく大事にしているので、本当にいい形で入りましたし、自分の中でもいいリードができたんじゃないかなと思います。

──そして日本中が大騒ぎになった、佐々木朗希投手との完全試合。あの時は、例えば試合前に“完全試合になりそう”という手応えがあったんですか?

試合前のブルペンでは全く良くなかったと思います。真っ直ぐ(ストレート)がシュート回転していたり、フォークの落ちるところがあまり良くなかったりしたので、“今日は(調子が)あまり良くない”と感じていました。ブルペンでそう(今日は苦労するかもと)感じたので、その後は、シンプルにいくことだけを考えて試合に入りました。

──実際試合に入ったら調子が上がったのか、それとも調子が良くない中でも打ち取っていけたのか、どちらだったんでしょう?

バッターがバッターボックスに入るのと入らないのとではピッチャーの投げ方もボールも違うと思うので、試合に入ってだんだん調子が良くなっていったんじゃないかと思います。

──佐々木朗希選手と、イニング間に完全試合の話をしたんですか?

それは全くしていないです。僕もいらんことを言って(うまくいかなくなると)嫌なので(笑)。

──それまで、ノーヒットノーランや完全試合というのは達成したことはありましたか?

いえ、なかったです。初めてでした。

──となると、やっぱり緊張するものでしたか?

この9回だけは、すごく緊張しました。

──味方のエラーも許されないじゃない中、配球も変わってくる?

変わってくると思いますけど、途中でカーブ2球を挟めたことが、すごく後半に活きたかなと思ってます。あの時は本当に“シンプルに”というだけを考えてやっていたと思います。

──佐々木朗希投手は、「“打たれてもいい”と思って投げていたのが良かった」とおっしゃっていましたが。

でも、本当は"打たれたくない”って思っていたと思いますよ(笑)。

──そうですよね(笑)。でも、開き直りも必要だったりしますよね?

必要だと思います(笑)。


──投手の調子はあると思うんですが、キャッチャーの調子の良し悪しはあるんですか?

特にキャッチャーとしての調子というものはないと思うんですが、“今日のピッチャーがどのボールでストライクを取れるのか”という見極めをするのが早い方が良くなっていくんじゃないかと思っています。

──リードする時というのは、データ、バッターとの駆け引き、もしくは勘が働くとかは、どのように重きを置いていますか?

毎試合、データをベースにミーティングはありますけど、その場に立ってやるのは僕たちだと思うので、そこで雰囲気や空気を感じながら配球をしていたと思います。

──普段の生活とかでも、“この人の心理状態を読んでみよう”とか、そういう“勘を働かせよう”みたいな努力もされたりするんですか?

そうですね。結構、僕は、“この人は何を考えているんだろうな”と思いながら見ている時が多いと思います。

──練習を拝見していて、キャッチャーって、守備やバント処理だったり、スローイングの練習もあったり、本当に大変だな、忙しそうだなと思ったんですが、リード面の練習というのはあったりするんですか?

リード面は、もう、試合をやっていくしかないと思うので。
野球に関しては答えがないと思いますので、自分で感じたことをやっていった上での正解はあると思うんですが、100%の答えはないと思っています。だから、しっかり失敗をして、毎日ビデオを見ながらノートに書いたりとか、そうやって、しっかり次に活かしていくことが大事かなと思います。

──オールスターにも選ばれました。憧れの舞台だと思いますが、1年目から選ばれると想像していましたか?

していなかったです。ファン投票でも1位に選んでいただいたんですけど、やっぱり選手間投票で1位に選んでいただいたことがすごく嬉しかったです。

──普段は敵として戦っているパ・リーグのメンバーが、チームメイトになりますよね。その時に交流はされましたか?

そうですね。(自分が)一番年下だったので、あまり座れずに立っていたら、西武の山川(穂高)さんが“横、座れよ”と言ってくださって、横に座っていろんな会話をさせていただいて、すごく勉強になりました。

──今の時代は、選手間の交流は意外とあるんでしょうか。

そうですね。今年、僕も自主トレで松山(愛媛県)に参加させていただいて、山田哲人選手や、中村悠平選手、川端慎吾選手…いろんな方と交流させていただいて良い勉強になりましたし、“少しでも自分のものにできるように”と思って参加させていただきましたが、本当にすごく良い1月を過ごせたと思います。

──そしてこの番組では、毎回ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。松川虎生選手の心の支えになっている曲を教えてください。

登場曲でも使わせていただいている、レゲエなんですが、BANTY FOOTの「交差点」です。
たまに、僕も音楽を聴いていて、歌うんじゃなくて、“歌詞を読む”というか…それで(この曲に)感情を感じたので、“すごくいいな”と思いました。

来週も引き続き松川虎生選手のインタビューをお届けします。お楽しみに!


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そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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