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2022.12.24

“ミスターパーフェクト”に訊く!WBCの展望は?

今週の「SPORTS BEAT」は、プロ野球・読売ジャイアンツの投手として大活躍! 1994年には完全試合も達成し、「ミスターパーフェクト」の名でもお馴染み、槙原寛己さんをゲストにお迎えしました。
槙原寛己さんは、1963年生まれ。
1982年、愛知県の大府高校を卒業後、ドラフト1位で読売ジャイアンツに入団され、1994年には完全試合を達成されました。
プロ生活で唯一放ったホームランが、球団5000号のメモリアルアーチ。
プロ20年間で通算468試合に登板し、159勝128敗56セーブ。
人気、実力、運も備えた投手として大活躍。
現在はプロ野球の解説のみならず、様々なメディアでコメンテーターなど活動の場を広げています。


──去年は東京オリンピック、今年に入って北京(冬季)オリンピック、そして先日までサッカーのワールドカップと、スポーツが日本を熱く盛り上げてくれています。来年2023年には、いよいよ野球はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が開催が開催されますね。

今回、アメリカは…。

──ドリームチームですよね!?

本気ですよ。これ、メンバーがヤバいですよ(笑)。一番単純な比較として報酬で比べたとしたら、1人で日本のチームをまかなってしまいそうな人だっているわけじゃないですか。圧倒的に違いますよ。
だけど、こちらには大谷(翔平)がいますからね。(年棒)40億円がいますから(笑)。お金だけじゃ測れないかもしれないけど、何年後かには大谷がアメリカで一番になっている可能性はありますよね。

──大谷選手は(WBCに)参加を表明しましたけれども、二刀流になるのか、それともバッターかピッチャーどちらかに専念するのか、どう思われますか?

二刀流をやってほしいのは山々です。アメリカで決勝ラウンドが行われる3月の中旬くらいまでには、とりあえず肩はだいぶ出来上がっていると思うんです。だけど、大谷選手が2月あたりから日本チームとも合流したとしたら、多分、ピッチャーとしての投球練習は密にできないと思うんですよ。
そうすると、「アメリカラウンドへ行った時だけ投げてくれ」というのも酷な話になると思うので、本人とも話し合うんでしょうけれども、僕はバッターとして使った方がいいかなという気がするんですよね。

──また嬉しいのは、ダルビッシュ有投手も参加を表明しましたね。

これは精神的な支柱になると思います。発信力もあるし、いろんな選手とコミュニケーションも取れるタイプの選手みたいなので、非常に良いですよね。

──今シーズンのパドレスでの活躍ぶり、安定感といったら半端なかったですよね。

そうですよね。彼も、ちょっと打たれると“やっぱり年齢かな?”と思われるような歳なんですよ。だけど、今シーズンを終えて“俺、まだやれるな”と思ったと思うんです。今年は胸を張って“僕は行けます!”と言ってくれたんだと思うし、また、シーズン後半、良かったじゃないですか。

──良かったですね。

9月10月って、一番大事なんですよ。ポストシーズンのすごく大事なゲームがあるじゃないですか。
ワールドシリーズにしてもリーグチャンピオンにしても、そういう時期に(勝利を)挙げてくれるピッチャーってものすごく重宝されるので、そういう意味では“まだまだやれる”というところもあるし。

──メジャーリーガーたちを相手に負けられない試合で、あのピッチングができたというと、これはWBCでも投げてくれるよなって期待しちゃいますね。

僕は、彼は準決勝、決勝で投げると思っているんです。球数制限が少し緩和されるんですけど、ある程度投げてくれて、もし打たれたとしても、“ダルビッシュが打たれたならしょうがない”というところもあるでしょうし、逆に、ダルビッシュも上手くボールを動かして打ち取ってほしいなと思いますね。

──準決勝、決勝辺りで大谷投手も投げられるようになっていたら、先発が大谷投手で、2番手にダルビッシュ投手という、豪華な…。

「いいんですか!?」って感じですよね(笑)。各国も、日本チームの布陣を見た時に“こういう奴らもいるんだ、侮れないぞ”という気持ちにもなるし、マスコミの扱いもやっぱり全然違うじゃないですか。それが僕はすごく良いことだと思うんですよね。
ジャパンチームは2月から宮崎でキャンプをやるんですよ。その時期は、宮崎はホテルが取れないと思います。

──それくらい夢のチームですよね。

だって、“生大谷”見たいでしょ?

──見たいです。

“生ダルビッシュ”もそうでしょうけど、大谷のバッティングを見たい人はすごくいると思いますよ。

──これはやっぱり、(日本チームの監督が)あの日本ハムで大谷選手やダルビッシュ投手を指導していた栗山(英樹)監督になったというのも非常に大きいんじゃないですか?

それもあるし、来季からロッテの監督を務めることになっている吉井(理人)さんが、ロッテのキャンプを見ないで(WBCに)ピッチングコーチで行くんですよ。あれもなかなか大変なことですよね。

──そして野手の方ですが、これはどんなメンバーになると思いますか?

これは“神様”を入れて、要するに、軸は“村神様”(村上宗隆選手)で行くんじゃないでしょうか。4(番バッター)を決めれば、3(番バッター)は誰だ、1(番バッター)は誰だ、となってくるじゃないですか。
僕の持論ですけど、大谷はたくさん(打順が)回った方がいいと思っているので、1番か2番で。

──エンゼルスでも前の方の1番2番を打っていたりしますよね。メジャーリーグは、2番は「繋ぐ」じゃなくて強打者を置く感じですものね。

ただ、栗山監督は、本選に行ったらそんなに点を取れないので、2番にはちょっと小技もできる選手を置いた日本独自のスタイルを貫く可能性もありますよね。

──あと、やっぱりポジションが被ってしまうじゃないですか。セカンドには菊池(涼介)選手もいるし、山田哲人選手もいるし…。

浅村(栄斗)選手だっているし、牧(秀悟)選手もいるし。

──これまた、監督が悩むところですよね。

まだ選手は発表されてませんけれども、僕は次の世代を見据えて人選もしてほしいと思っているんですよ。

──若手も積極的に、ということですね。

最強世代を組んだら、次の年に財産が残らないじゃないですか。そこで経験させる“若い選手枠”もある程度いると…今度はどういう開催サイクルになるかわかりませんけれども、その時に財産を残したいですよね。生きた財産を残す人選。
“どっちかな?”と思った時にもしかしたら若い選手を選ぶ可能性もあるので、そういう配慮みたいなものも残してほしいと思います。

──あと、栗山監督は、日系人選手としてガーディアンズの(スティーブン)クワン選手も日本代表になれるということで(予備登録として)選出しました。1年目でいきなり3割近いアベレージを残した選手ですが。

ちょっと選手枠が増えたんですよね。だから、そういう(日本国籍ではないが出場資格を持つ)選手たちも含めて人選しますよ、ということなんでしょう。そういうのも良いんだということでどんどん変わって、また、WBCで優勝することによって認知がどんどん増えていって、野球人口が増えるようなきっかけになればいいなと思っています。

──厳しい戦いは続きますが、アメリカラウンドまで行って、さらには準決勝、決勝まで進んでほしいですね。

楽に勝っていきたいんだけれども、「厳しい戦いだからこそ注目が集まる」みたいなところもあると思うので、そういう熱くなるゲームを期待しています。

──さて、この番組で毎回ゲストにCheer Up Songをお伺いしています。槙原寛己さんの心の支えになっている曲を教えてください。

ジグソーの「スカイ・ハイ」ですね。
この曲は、昔、ミルマスカラスというプロレスラーの人がいて、このテーマ曲で入場してきたんですよ。この曲は、何か“ゾクゾク”ってくるんです。これを聴いてマウンドに上がるというのがあったので、これを聴くといまだにゾクゾクってきますね。

──マウンドに上がる前に、“打たれたら”という恐怖心はないんですか?

自信満々で(マウンドへ)出ていくようなフリをしているんですけれども、多少は(恐怖心は)ありましたよ。そういう時に、こういう音楽で“大丈夫、大丈夫”と思える時もあるんです。そういうところで、選手たちも(登場曲には気持ちを)上げる曲を選んでいると思います。登場曲は自分で選べるので。

──最後に、来年3月に始まる WBC。侍ジャパンのキーマンになるのは誰だと思いますか?

大谷選手です。大谷が出てくれるんですよ。そこでやっぱりすごいのを打ってくれて、マスコミにドーン!と出る。それに負けてられないと、村上が打つ、そして鈴木誠也も「俺だっているんだぞ!」となってくれたらいいなと思いますね。

──相乗効果で良い雰囲気になっていってほしい。

侍ジャパンの選手たちも、やっぱり、大谷選手や鈴木誠也選手、ダルビッシュ投手の一挙手一投足に注目すると思うんです。聞きに行くと思うんです。「どういう風に投げるんですか?」とか、「どう打てば良いですか?」とか。それが全体的なレベルアップにつながる良い交流になればと思います。


今回お話を伺った槙原寛己さんのサインボールを、抽選で1名の方にプレゼントします。
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そして、今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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