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2022.11.26

歴史的勝利を飾ったドイツ戦から次戦・コスタリカ戦を大胆予測!

今週の「SPORTS BEAT」は、いよいよ開幕したサッカーのワールドカップについて! スポーツジャーナリストの中西哲生さんをゲストにお迎えして、お話を伺っていきました。
中西哲生さんは、1969年生まれ。
大学卒業後の1992年にJ-Leagueの名古屋グランパスエイトに入団。
アーセン・ベンゲル監督のもと天皇杯優勝し、1997年に当時JFLだった川崎フロンターレへ移籍。
1999年には主将としてJ2初優勝、J1昇格に貢献。
2000年末をもって現役を引退されました。
引退後は、スポーツジャーナリストとして、様々なメディアでのご活躍はご存知の通り。
現在は、久保建英選手、また、レアル・マドリードの下部組織に所属している「ピピ」こと中井卓大選手などを、パーソナルコーチとして見ていらっしゃいます。



──今日は中西哲生さんに、現在カタールで行われているサッカーのワールドカップについて詳しく伺っていこうと思います。11月23日に行われた日本対ドイツ戦ですが、ビックリしました(2-1で逆転勝利)。

本当に、何十年に1回しか起こらないことが起こったという感じですね。サッカーのワールドカップ初戦で、しかもワールドカップ優勝経験国相手に逆転勝ちというのは、“あり得ない”というか、我々だってそんな簡単に勝てるとは思っていなかったですし。
ただ、「勝てるわけがない」とは思っていなかったです。今の日本代表チームは、たとえ相手がドイツだろうがスペインだろうが、“勝てるわけない”と思うんじゃなくて、“勝てる方法”を探す選手たちなので、そこが今までと決定的に違う。“どうやったら勝てるか”ということを考えて、「こういう方向で行こう」という議論できるレベルまで来ていると思っています。じゃないと、ドイツ相手に勝てないですよね。
しかもドイツは前回大会グループリーグを敗退していて、(今大会は)万全の準備で来ていて、ハンス・フリック監督は「準備の王様」みたいな感じの人なんです。

──そうなんですか。

コロナ禍でも、ずっとリモートで選手とミーティングしたり、上手くチームをまとめるためのことをやってきたのに、あんな結果になってしまった。僕はハンス・フリック監督のあんな顔を初めて見ましたね。あの、スコアを2対1にされた後の顔が…。

──映像でアップにされていましたね。

完全にもう、見たことのない顔になっていたので、“これは行けるかな”とちょっと思いましたね。あの後、まだ同点にされる可能性もあったし、もちろん逆転される可能性もあったんですけど、“ちょっとドイツが平常心じゃないな”というのを、ハンス・フリック監督の顔からも伺い知ることができたので。

──ドイツから勝ち点3を上げたので、これはコスタリカ戦に集中するのか、その後のスペイン戦を狙っていくのか、ターンオーバーはどちらの試合をメインに…。

いや、次のコスタリカ戦、一戦必勝です。もうここにかかっていると言っても良いくらいです。日本代表としては、スペインと決勝トーナメント進出をかけて戦うような状況にはしたくないと思います。そのためには(コスタリカ戦で)勝ち点3をしっかり獲ることが大事です。それでドイツがもしスペインに敗れれば、2勝しているチーム同士(日本とスペインの)勝ち抜けが決まるんです。比較的、ドイツはスペインと相性が良くないんですよ。あまり良い印象を持ってないと思います。

──試合時間の関係で、日本対コスタリカ戦の方が先にあるわけですよね。先にスペイン対ドイツ戦の結果が分かっていると、戦い方を変えられる余裕があったんですが。

その通りです。だから(コスタリカ戦に)勝つしかないんです。

──引き分けでも厳しい感じですか?

(グループリーグ敗退の)可能性はありますね。だからここは本当に「コスタリカ戦一戦必勝で勝ち点3を獲る」というところに集中することが大事だと思います。選手たちもそういう気持ちでしょう。試合が終わった後に「本当に喜ぶのは今日だけ」みたいな話をしてましたけど。
今回見てきて思いましたが、“ワールドカップって本当に何が起こるかわからないな”と。アジアのイランとカタールが厳しいスタートを切った中で、サウジと日本がアルゼンチンとドイツに勝ってしまうというね。世界の方が逆に驚いていると思いますよ。

──明日のコスタリカ戦なんですけれども、コスタリカはどういう風に戦ってくると思われますか?

これが一番わからないんですよね。

──(コスタリカは)スペイン相手に4バックなのか5バックなのかという中で、4バックにしてあれだけ点を取られてしまった。

そうですね。しかも、ガラッとスタメンを変えてくる可能性もあるじゃないですか。
戦意喪失している選手もいるかもしれないですし、あの7対0の負けというのは、何か劇的な変化をもたらさないと、選手たちをポジティブパワーに入れ替えるのは難しい状況だと思うんですよね。

──もう失うものは何もない状態ですから、捨て身で来ますよね。どんな戦い方をしてくるのか。

そこに関しては、スタメンが出た時点でどういう並びになるのかをある程度予測して、選手たちの肌感覚でどういう風に対応していくのかをその場で決めていくしかないですよね。今のサッカーというのは試合の途中でシステムが変わっていくのは当たり前なので、どんどん変形していかないといけないし、そういう選手たちでないと、特にワールドカップでは勝てない。対応力が求められるし、示さないといけない一戦でしょうね。

──そして日本チームは、ある程度スタメンも変わってくると思うんですが、どのような布陣で臨むと思いますか?

ドイツ戦の前半で62本しかパスが繋げないという、とんでもない数字が出たんですけど、日本代表が前半で62本しかパスを繋げないなんてことは今までなかったと思うので、さすがに(コスタリカ戦では)それはないと思います。だから、ボールをある程度握れるはずなんですよね。

──そうですね。コスタリカ相手だと、ポゼッションできるんじゃないかと。

ボールを持てる可能性が高いと思うんですよね。それで、ちゃんとボールを持って自分の良さを出せる選手を使うべきなのかなと思います。もちろん前線からしっかりとプレスがかけられるかというのも重要ではあるんですが、うまくボールを収められるとか、ボールを受けて良いパスが出せるとか、ゴールを決められるとか、良いビルドアップができるとか、良い繋ぎができるとか、ボールを持っている時に力が発揮できるタイプの選手を並べるのが1つポイントになるかもしれないですね。

──1トップも、ひょっとしたら上田(綺世)選手を使うかもしれないですね。

可能性はあると思います。

──ドイツ戦では、前半に久保(建英)選手がなかなか…。

あれは戦術的に厳しかったと思います。ボールもほとんど収まらないし、持った瞬間に囲まれて、相手はテンション高く“何もやらせないぞ”という感じだったじゃないですか。戦術的な理由で後半に交代しましたけど、逆に次の試合で活躍する可能性はあるでしょうね。

──そして、ドイツ戦では出番がなかった守田英正選手。「間に合った」みたいな報道もありますけれども、コスタリカ戦で先発するという可能性も?

可能性はあるかもしれないですね。これは推測なんですが、冨安(健洋)選手や守田選手は筋肉系の怪我なので、ドイツ戦のように身体能力の差の大きい選手たちと戦う時は出すのは難しかったのかなと思います。でも、次のコスタリカ戦であれば、そこまで身体能力の差は大きくはないと思うので、そういう意味では使える状況になる可能性はあるかなと思います。
あとは、左サイドバックの長友(佑都)選手のところを今度は伊藤洋輝選手にして、彼は左利きなので左足で縦パスで良い球を供給できますし、左サイドバックも左センターバックも3バックの左もできるので、途中でシステムを変える時に柔軟に対応できるタイプなので、そういう選手を入れておいた方が変形しやすい。あとはデリバリーキックも上手いですから、そういう選手を入れておくのは手ですよね。


──何はともあれ、最大のチャンスは明日のコスタリカ戦ですよね。僕たちができることといえば…。

応援することだけです。僕はいつもそう言っているので。最終的に僕らにできるのは応援することだけなので、精一杯応援しましょう!

──さあ、そしてこの番組では、毎回ゲストの方にCheer Up Songを伺っています。中西哲生さんが日本代表をCheer Upしたい曲を教えてください。

Mrs. GREEN APPLEの「僕のこと」です。日本代表はまだ1試合しか終わっていないので、“もっと上に行ってほしい”という気持ちもあったりして。僕にとっては、サッカーの時に聴くと元気をもらえる曲なんです。

──最後に、注目してほしいという日本代表選手を1人、あえて挙げるとしたら?

三笘(薫)選手ですね。彼は日本人で世界の中でもかなり大きな違いを生み出せる選手なので、もっと、世界中が驚くぐらい切り裂いてほしいです。

──プレミアでも輝きを放ち始めて、みんなが大注目し始めている選手ですから。

「それをワールドカップでやっちゃってください!」という感じです。本当に彼は研究熱心。彼はフロンターレから筑波大学に行っているんですが、その筑波大学の卒論がドリブルの論文だったんです。だから、自分のことを客観視して、論理的に“どうやったら抜けるか”ということを、ちゃんと自分で言語化・文章化ができているわけです。それができている選手というのは、必ず再現性が生まれるんですよね。
ドリブラーというのは感覚的な選手が多い中で、三笘選手は論理的な選手だと思います。


中西さんには、来週もスタジオにお越しいただきます!


今回お話を伺った中西哲生さんのサイン入り色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。
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そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
放送できなかったトークが盛りだくさん! ぜひ聴いてください!
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