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2024.12.21

パリ五輪からリーグワンへ 「常に挑戦する側でいたい」

今週の「SPORTS BEAT」は、パリオリンピックに7人制ラグビー男子日本代表として出場した、トヨタヴェルブリッツ 谷中樹平選手のインタビューをお届けしました。
谷中樹平(たになか・きっぺい)選手は、2000年生まれ、兵庫県出身。
小学生の頃からラグビーを始め、花園でプレーしたいという気持ちから、ラグビーの名門、奈良県立御所実業高校へ進学。
その後、帝京大学へ進学し、大学日本一を2度経験。
大学在学中から7人制ラグビーの日本代表に招集されるようになり、トヨタヴェルブリッツ加入後、7人制ラグビーの日本代表としてパリオリンピックに出場されています。


──谷中選手は、今年、7人制ラグビー男子日本代表として、パリオリンピックに出場されました。谷中選手がオリンピックに心のベクトルが向かったきっかけは何だったんでしょうか?

まず最初に日本代表に招集していただいた時は、“オリンピックがあるから7人制をやろう”とはあまり思っていなくて、自分の今の実力でどれぐらい世界に通用するのか挑戦したいという気持ちが大きくありました。
ただ、ワールドシリーズという世界大会を回らせていただく中で、今チームがパリオリンピックに向けて取り組んでいるという背景や、その活動の内容を知っていく中で、オリンピックに出場してみたいという気持ちが芽生えてきた感じですね。

──そして、いざ挑んだパリオリンピック。スタッド・ド・フランスでの試合はどんな刺激になったでしょうか?

ワールドシリーズでも、たくさんの観客の前や、大きいスタジアムで試合をさせていただく機会はあったんですが、(パリオリンピックは)そのどれとも比べ物にならないぐらいの歓声と観客でした。今でも、最初の試合で入場した時に身震いしたことを覚えています。すごかったですね。

──会場に入る時に、身震いがするほどの大歓声。

そうですね。1試合目は結局大敗してしまったんですけれども、もちろん負けてすごく悔しかったんですが、それ以上に、試合が終わってロッカールームに戻ってからも興奮が冷めなくて。それは鮮明に覚えています。

──また次にオリンピックに挑む際には、その時の経験が糧になって、新たな感じ方があるかもしれませんね。
日本代表としてのやりがいというのは、パリオリンピックでどのように感じましたか?

オリンピックだけではなく活動自体を通してもそうなんですが、自分が強く感じたのは、いろんな国の代表と戦えるのはやっぱり日本代表だからこそで、経験値として、いろんな海外の選手とラグビーができた、試合ができたということが、自分の中でのやりがいになっていると思っています。

──一方で、世界との差も感じたりはしましたか。

そうですね。7人制ラグビーはすごく身体能力が求められるので、身体能力の差であったり、1人1人の身体の強さもそうですし、7人制ラグビーに対しての取り組み方が国として違うところもすごく多いんです。僕たちは15人制と兼任でプレーしている選手が多かったんですが、海外では7人制だけに専念してオリンピックのために7人制をやっているという選手がたくさんいたので、そういうところで差を感じました。

──身体能力の差も感じたとおっしゃっていましたけれども、具体的にどういったところで“ここが日本の選手と違うな”と感じましたか?

やっぱりスピードとか高さとか、そういうところで感じました。
海外の選手はジャンプ力や瞬発力などがすごくレベルが高くて、ジャンプも僕より高く跳んでいる選手もいますし、自分より体の大きい選手がこんなにキレキレで動けるんだと。まだまだ自分の実力不足も感じましたし、もっと頑張らないといけないなと思いました。

──その後のトレーニングは何か変わったりしましたか?

そうですね。今までも現状で満足したことはないんですが、やっぱりもっと頑張らないとその上のレベルには勝てないし、それは7人制だけではなく15人制にも通じる部分があるので、もっともっと努力しないといけないなと、マインドの部分は変わりました。

──改めて、15人制に取り組んで感じたラグビーの魅力というのは?

ラグビーには本当にいろんな選手がいるので、例えば僕であったら、自分のスピードを生かしたプレー、僕はランニングというプレーが得意なんですが、それが苦手な選手もいますし、でもその選手にも得意なプレーがある。僕は、ラグビーはそれぞれがお互いをカバーし合えるスポーツだなと思っていて、そこが一番の魅力かなと思います。

──今シーズンのジャパンラグビー リーグワンも、いよいよ開幕です。
明日12月22日、トヨタヴェルブリッツの今シーズン開幕戦が秩父宮ラグビー場で行われます。 ヴェルブリッツでは若手の熾烈なポジション争いがあるそうですが、谷中選手と同じフルバックのポジションには、ティアーン・ファルコン選手。オーストラリア出身でU20ニュージーランド代表歴もある選手ですけれども、 刺激やライバルの意識というのはいかがですか?

もちろん負けたくない気持ちは少なからず持っているんですが、ただ、自分にしかできないこともありますし、ティアーンにしかできないことももちろんあるので、相手の土俵で戦うのではなく、自分にできること、自分の強みというものを活かしてチームに貢献できたらなと思っています。
同じポジションもそうですけど、ヴェルブリッツにはいろんなポジションに日本代表や世界を舞台に戦っているワールドクラスの選手が在籍しているので、彼らと一緒にプレーできるというのは自分の中ですごく刺激になっています。

──谷中選手はスピードが強みですけれども、チームメイトには、同じくスピードのあるヴィリアメ・ツイドラキ選手。お父様がトヨタ初の外国人プレーヤーで、そしてツイドラキ選手のお兄様もチームメイトなんですよね。
ヴィリアメ・ツイドラキ選手についてはいかがですか?

本当にすごいですね。本当に体も強くて足も速くて、日本語も喋れるのでコミュニケーションも取れますし、普段も明るいんです。この前も日本代表の合宿に行っていて、どんどん成長しているすごい選手なので、自分も負けないように頑張りたいなと思います。

──やはりライバルがいることで、ご自身の成長にも繋がりますか?

そうですね。自分よりレベルの高い選手が周りにいるとやっぱり引き上げられる部分もありますし、自分は常に挑戦する側でいたいと思うので、すごく嬉しい環境です。

──ジャパンラグビー リーグワンのシーズンは5月まで続いていきますが、谷中選手の個人としての目標と、そしてチームとして目指す先をぜひお聞かせください。

個人としましては、まず試合に出場すること。自分のポジションに関わらず、どこでもチャンスがあれば試合に出たいと思っています。
チームとしては、「今年こそはリーグワンで優勝する」という目標を毎年掲げているんですが、今年は去年と違って、メンバーも新しく変わりましたし、すごくいい雰囲気で戦えているので、培ってきたことをリーグワンの舞台でみんなで発揮できたらと思っています。

──ジャパンラグビーリーグワン、トヨタヴェルブリッツの開幕戦は、明日12月22日日曜日午後2時30分から、東京、秩父宮ラグビー場で開催予定です。
さて、この番組ではゲストの方にCheer up songを伺っています。 谷中樹平選手の心の支えになっている曲を教えてください。

The ROOTLESSの「One day」という曲になります。
僕は「ワンピース」がすごく大好きで、漫画もアニメも小さい頃からよく見ているんですけれども、そのアニメの主題歌になっていて、その中で一番好きな曲です。
ちょうどこの曲が流れているアニメのシーンで、 主人公のルフィがすごく大きな挫折をしてしまう出来事があって、心が折れかけてしまうシーンがあるんです。結局、心が折れそうになったところを踏みとどまらせるきっかけになるのが仲間の存在だったというストーリーなんですが、この曲を聴くと自分もその背景を思い出しますし、僕自身も一緒に戦ってくれているチームメイトや応援してくれている人がいるので、ちょっと(ルフィを自分に)重ねながら聴いてしまうこともあって、心の支えになっています。

──「諦める言葉は転がってるけど 諦めないゴールは一つだけ 喜び悲しみ乗り越えては 少しずつ歩いていくよ」という歌詞が、本当に背中を押してくれるメッセージですよね。

僕もそこが一番好きです。
本当に良い曲なので、ぜひ聴いてみてください。


今回お話を伺った谷中樹平選手のサイン入り色紙を、抽選で1名の方にプレゼントします。
ご希望の方は、番組公式X(旧ツイッター)をフォローして指定の投稿をリポストしてください。当選者には番組スタッフからご連絡を差し上げます。

そして今回お送りしたインタビューのディレクターズカット版を、音声コンテンツアプリ『AuDee』で聴くことができます。
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