今年の夏、4大会目のパラリンピック出場で悲願の金メダルを手にした全盲のスイマー木村敬一。
1990年生まれの木村は、2歳の時、病気のため視力をほぼ失った。
10歳から水泳を始め、2008年、北京大会でパラリンピックに初出場。
2012年のロンドン大会では、100m平泳ぎで銀メダル、100mバタフライで銅メダルを獲得した。
4年後のリオ大会では、50m自由形で銀メダル、しかし、金メダルが有力視されていた100m平泳ぎは銅、100mバタフライは銀、100m自由形で銅と銀・銅2個ずつ、日本人選手で最多の4個のメダルを獲得。
しかし、またしても金メダルには手が届かなかった。
その悔しさから、2018年、木村は、単身でアメリカに渡った。
知り合いもおらず、英語もほとんど話せない状態、それでも木村は、「一から再スタートしたい」の強い思いで、家族の同行を拒否。
2年間、アメリカで武者修行を行った。
厳しい環境での生活は、木村を心身ともに強くした。
1年延期の末、迎えた東京大会。
木村は、まず、100m平泳ぎで銀メダルを獲得。
そして、迎えた本命種目の100mバタフライ。
前半は、練習仲間で良きライバルでもある富田宇宙と首位争いを展開。
50メートルの折り返しを、自己ベストより0.2秒早いペースでターンしトップに躍り出た。
後半、コースロープに当たり、一気にしんどくなったという木村だが、「何としても勝たないと、と思いながら泳いでいた」と、金メダルへの懸命の泳ぎで、トップでゴール。
4大会目のパラリンピックで、ついに金メダルを手にした。
やっとの思いで表彰台の一番上に立った木村敬一、国歌を聞きながら大粒の涙を流した。
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