東京パラリンピックで、日本勢初の金メダルに輝いたのがボッチャの杉村英孝(すぎむら・ひでたか)。
ボッチャは、脳性まひなど、重い障害のある人のために考案された競技で、持ち玉をジャックボールと呼ばれる目標の白い球にどれだけ寄せられるかを競う。
先を読んだ戦略と、ミリ単位のコントロールが勝負のポイントとなる。
杉村は、ロンドン大会からパラリンピックに出場。
前回のリオ大会では、団体戦で司令塔を務め、銀メダルに貢献。
個人では、準々決勝で敗退しており、3大会連続出場となる東京大会では、団体と個人でのメダル獲得に挑んだ。
勝てば銀メダル以上が確定する、個人戦の準決勝。
相手は、2012年・ロンドン大会の金メダリスト、ブラジルのサントス。
試合は、手に汗を握る大接戦となった。
2対2の同点で迎えた最終第4エンド。
ジャックボールに近いのは相手の赤い球、という厳しい状況で、残すは杉村の2球だけ。
杉村は、最初の1球をミス、次の1球で相手より近づけなければ、負けとなる。
しかし、杉村は落ち着いていた。
持ち時間をすべて使い切って冷静に考え抜くと、残り0秒、左手から放たれた青いボールは、ジャックボールに吸い付くようにピタリ。
杉村の雄叫びが会場に響き渡った。
死闘を制し勢いに乗った杉村は、決勝で、前回のリオ大会で個人・団体ともに金メダルを獲得した、タイの英雄に完勝、悲願の金メダルに輝いた。
団体戦でも、2大会連続メダルとなる銅メダルに導いた杉村英孝は、「多くの方が関心を持って、ボッチャが広まってくれたらうれしい」と笑顔で語った。
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