東京オリンピックのレスリング、女子50キロ級、身長1メートル53センチの小さなレスラーが、圧倒的な強さで頂点まで駆け上がった。
須崎優衣、22歳。
初戦から決勝までの全4試合、10点差以上の大差を意味するテクニカルフォール勝ち。
しかも、失点ゼロという完全優勝だった。
オリンピック3連覇を果たした吉田沙保里、4連覇の伊調馨、その2人でさえ、「全試合テクニカルフォール勝ち」は成し遂げたことが無い。
無敵の強さを見せた須崎だが、東京オリンピックまでの道のりは険しかった。
2018年11月、練習中に左ひじを負傷、国内選考でも敗れ、オリンピック出場は絶望的な状況だった。
それでも、代表有力と思われていたライバル選手が、世界選手権で結果を出せなかったことで、再び巡ってきたチャンスをものにし、崖っぷちから日本代表の座をつかんだ。
目標は、オリンピックの金メダル。
頂点を目指し、須崎は、徹底的に鍛え直した。
持ち前のスピードに乗ったタックルにパワーも加わり、さらに、投げ、組み手、寝技、全てを世界最高レベルへと引き上げた。
オリンピックという大舞台で、その強さを十分に発揮。
決勝は、2016年リオデジャネイロオリンピックの銅メダリストが相手だったが、開始およそ1分に、素早いタックルから背後を取ると、そのままローリングでテクニカルフォール勝ち、わずか1分36秒で撃破した。
表彰台のてっぺんで最高の笑顔を見せた須崎優衣、その視線は、パリ大会でのオリンピック連覇をとらえている。
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