東京オリンピック、ボクシングの女子フェザー級・決勝、判定勝ちがコールされた瞬間、入江聖奈は、リング上で両手を広げ、カエルのように高く跳んだ。
日本ボクシング界では、史上3人目、女子では史上初の快挙、さらに鳥取県出身者としても初の金メダリストとなった。
リング外で見せる天真爛漫な笑顔、カエルが大好きという愛らしいキャラクター、二十歳の大学生は、瞬く間に人気者となった。
父親が好きだった伝説のF1ドライバー、アイルトン・セナにあやかって「聖奈」と名付けられた女の子は、ボクシングマンガ『がんばれ元気』の影響を受け、小学2年から地元・鳥取県米子市のジムに入会。
世界一になれるような素質があったかと言えば、そうではない。
いわゆるどこにでもいる、普通の女の子。
運動神経も決して良いとは言えず、鉄棒の逆上がりが出来ず、マット運動も苦手だった。
そんな入江が金メダリストになれたのは、努力以外の何物でもない。
中学では陸上部で汗を流しながら、早朝と帰宅後にボクシングを練習。
中学1年の9月、東京オリンピック開催が決定すると、「自分が出ると」と宣言し、毎日練習ノートを付け、コツコツと課題克服に取り組んだ。
その積み上げた努力は、今年の夏、大舞台で見事に花開いた。
決勝の相手は、2019年の世界選手権チャンピオン、フィリピンのペテシオ。
入江は、素早いフットワークと、左ジャブとワンツー、手数で上回り、終わってみれば5対0の判定で会心の勝利。
小学6年のとき、ノートに描いた「20歳で金メダルを取る」という夢をみごと実現させた入江聖奈。
メダルの色に負けない、トレードマークの“入江スマイル”が輝いた。
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