2017年、ロンドンで行われた陸上の世界選手権、
男子400メートルリレーで、日本は銅メダルを獲得した。
世界陸上のリレーで、メダルは初の快挙、
その裏側には、レース直前でのメンバー交代があった。
決勝が行われるおよそ6時間前、
日本の短距離チームは、予選とメンバーを入れ替えるという
大きな決断をする。
予選の38秒21は、全体で6番目のタイム。
3走の桐生祥秀と4走のケンブリッジ飛鳥の
バトンパスでタイムロスがあったことと、
足の怪我の影響で本調子ではなかったケンブリッジに代えて
控えのベテラン、31歳の藤光謙司を抜擢。
メダル獲得の為、短時間でチームの立直しを図った。
藤光は、リオ・オリンピックの時からチームの一員として練習を積み、
桐生とのバトンパスの相性は抜群、
また、コーナーから直線へ入る走りを得意としていた。
迎えた決勝、日本は、最も外側の9レーン。
1走の多田修平は、スタートから飛び出すと、中盤もグングン加速し、
2走の飯塚翔太にバトンを渡した。
飯塚は、上位争いをキープしたまま、3走の桐生祥秀にスムーズにバトンパス。
コーナーワークのスペシャリスト、
桐生が高速でカーブを駆け抜けアンカーの藤光へ。
イギリス、アメリカが先を行くなか、3位争いは、日本の藤光と
ジャマイカの人類最速男、ウサイン・ボルト。
バトンを受け取ったのはほぼ同時、しかし、
ボルトは走り出してまもなく足を痛めコースに倒れ込んだ。
それを横目に、藤光はひた走り、3番目でゴールへと飛び込んだ。
38秒04で見事、銅メダル。
若手が台頭する中、控えながら常に準備をしていたベテラン・藤光謙司が、
大舞台で輝いた。
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