長きに渡って日本の女子レスリング界を牽引してきた吉田沙保里が、
33年間のレスリング人生にピリオドを打った。
3歳からレスリングを始め、
元全本王者の父・栄勝さんと自宅の道場で猛特訓。
吉田の代名詞で最大の武器とも言える高速タックルは、
親子二人三脚で作り上げたものだった。
予備動作が無く、組み手争いの高い構えから一瞬で相手の足を取る。
あまりの速さに「視界から消える」とまで言われたこの技を武器に、
吉田は、世界最強へ駆け上がっていく。
2004年、女子レスリングがオリンピック種目に初めて採用された
アテネオリンピックで金メダルを獲得。
2008年の北京も制し、
2012年のロンドンでは、優勝後、栄勝さんを肩車し場内を沸かせた。
オリンピック3連覇を成し遂げ国民栄誉賞を受賞、
まさに順風満帆なレスリング人生。
しかし、国際大会で連勝するにつれ、
海外選手も吉田のレスリングを研究し、次第にその包囲網は厚くなった。
それでも吉田は、高速タックルにこだわり続け、
2014年に栄勝さんを亡くした後も、
足の位置を改良したり、フェイントも取り入れながら、
父から授かった高速タックルに磨きをかけた。
そして、女子個人として前人未到のオリンピック4連覇を目指した
リオオリンピック。
「天国の父に金メダルを見せたい」と勝ち進んだが夢は叶わず。
決勝で敗れ、銀メダルに終わった。
表彰台でも涙を流し続けた吉田だったが、引退会見では、
「負けた人の気持ちがわかった。
リオの銀メダルが一番成長させてくれた」と語った。
国民の期待を背負い第一線を走り続けてきた
霊長類最強女子・吉田沙保里は、
さわやかな笑顔でマットに別れを告げた。
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