テニスの4大大会で通算22勝、世界ランク連続1位は、女子で最長となる186週、女子テニスで数々の偉業を成し遂げた、シュテフィ・グラフ。
175センチ、59キロ、ブロンドのヘアに青い瞳、その美しさから女子テニス界のアイコンとして存在した。
その気品あふれる佇まいとは一転、プレースタイルは超アグレッシブ。
得意とするフォアハンドからの強烈なショットと、バックハンドからの切れ味鋭いスライスを武器に、あらゆるコートで相手を圧倒した。
1969年、旧・西ドイツで生まれたグラフ、4歳でテニスを始めると、瞬く間に才能が開花、13歳でプロ転向を果たした。
87年の全仏オープンで4大大会初優勝、88年には、4大大会全てを制覇し、ソウルオリンピックでも優勝、「5冠」の偉業は、金メダルにちなんで「ゴールデンスラム」と呼ばれた。
4大大会最後の優勝は、99年の全仏オープン。
決勝の相手は、世界ランク1位のマルチナ・ヒンギス。
グラフは、2年前に左ひざを手術、8か月半もツアーから遠ざかり、前年は引退も伝えられていた。
第1セットは、鉄壁な守備を誇るヒンギスを崩せず落とし、第2セットも、あと1ゲームという、絶体絶命のピンチ。
しかし、経験豊富なグラフは、劣勢な時も冷静にプレー、一方、ヒンギスは、微妙なショットがアウトになるとそこから集中力を失い、イライラを募らせていく。
グラフは、ヒンギスのミスを引き出し、3ゲームを連取して第2セットを奪い返した。
そして、最終セット、グラフは、強打からコントロールのテニスに変え、ヒンギスを左右に走らせた。
コートを支配したグラフがゲームカウント6対2でものにし、通算22度目の4大大会優勝を果たした。
怪我を乗り越え新旧女王対決を制したシュテフィ・グラフ、その目には涙が滲んでいた。
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