Legend Story
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16.10.29
ラルフ・ブライアント、4打数連続ホームラン

1989年10月12日。
3位・近鉄バファローズは、自力優勝の可能性が消滅した状態で、敵地西武球場で首位・西武ライオンズとのダブルヘッダーを迎えた。

この日、ひとりの男が神がかり的な活躍を見せ、近鉄のリーグ優勝を一気に手繰り寄せた。
最強助っ人外国人選手の一人、ラルフ・ブライアント。
  
第1試合、0対4と西武の一方的な展開で迎えた4回表、ホームラン王争いトップに立つ3番ブライアントは、西武のエースから、ライトスタンド中断へ46号ソロアーチ。

1対5と再び4点差とされた6回表、ノーアウト満塁、打席には、ブライアント。
その初球…、振り切った打球は、西武ファンの悲鳴とともにライトスタンドへ飛び込んだ。
5対5の同点。
引き分けで終わっても優勝が決まる西武は、8回表、ブライアント・キラーの渡辺久信をマウンドへ。

渡辺が投じたインサイド高めは、ブライアントのウィークポイント。
しかし、次の瞬間、ボールはライト上空を舞う。
ブライアントは両腕を突き上げ、渡辺はマウンド上で膝をついた。
最上段に飛び込む特大のホームラン。
  
0対4と敗色濃厚の試合をブライアントは1人でひっくり返し、6対5の逆転勝利を呼び込んだ。
さらに第2試合の3回、2対2の同点からレフトへ勝ち越しの49号ソロ。
勢いづいた近鉄は14対4で大勝し、首位に浮上した。
西武の4連覇と5連覇の間でひときわ輝く近鉄の9年ぶりのリーグ制覇は、ブライアントの4本のホームランによってもたらされた。

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