Legend Story
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16.09.03
体操男子団体 日本が金メダル 3大会ぶり

高く上げた両手を下ろし、内村航平はふっと息を吐いた。
体操男子団体総合の決勝。
最終種目の床運動で最終演技者のエース内村が、勝利を決めにいく最後の助走に入る。

美しい放物線を描き3回ひねりの着地。
弾む床を押さえ込み止めると、内村は穏やかな笑みを浮かべた。
6種目全てに出場したエースを仲間の4人が笑顔で迎える。

日本の5人は肩を組んで他の国の演技終了を待つ。
2位ロシアが最終演技を終えた。
電光掲示板に視線が集中する。
一番上に「JAPAN」の文字。
アテネ以来12年ぶりとなる金メダルが確定した瞬間、5人は両手を突き上げ輪になって喜んだ。
  
決して簡単な道のりではなかった。
予選ではミスを連発しまさかの4位通過。

決勝、ブラジル独特の大歓声の中、日本はあん馬からスタートした。
トップバッターの内村が完璧な演技で、チームを勢いづける。
続く山室光史が落下してしまうが、加藤凌平の安定した演技で締めた。

6位で迎えた2種目目のつり輪は、田中佑典をはじめ、内村、山室全員がノーミス。
続く跳馬では内村が大技「リ・シャオペン」、白井が「シライ/キムヒフン」を繰り出し、2位に浮上。

5種目目の鉄棒も3人が15点台をマークし、全体トップに立って迎えた最終種目の床運動。
“ひねりの天才”白井健三が大技「リ・ジョンソン」を決めて16・133の驚異的な得点を叩き出すと、加藤が安定した演技でつなぎ、最後はエース内村が締めた。

「栄光の架け橋第2章」の完結。
それは、「体操ニッポン」の復活を世界に示した瞬間でもあった。