「永遠のホームラン王」ベーブ・ルース。
引退までの22年間に12回のホームラン王を獲得、通算本塁打714本は、ハンク・アーロンに破られるまでの39年間、メジャーリーグの頂点にあった。
彼が多くの人から愛され「アメリカの国民的ヒーロー」となった理由は、数字だけではない。
1926年、
ニューヨーク郊外の病院に入院している一人の少年がいた。
ジョニー・シルベスター、11歳。
医者も見放すほど重い病気だった。
ベーブ・ルースのことが大好きな息子を少しでも喜ばせたい…
父親は無理を承知でルースに手紙を書いた。
手紙を読んだルースは、少年を見舞いに行き、そして一つの約束を交わした。
「ワールドシリーズでのホームラン」
迎えたワールドシリーズ 第4戦、第一打席。
ルースは腰の回転を利用した鋭いスイングでボールをとらえると、大歓声の待つ、ライトスタンド上段に飛び込む特大のホームランを放った!!
ルースはこの試合、ワールドシリーズ記録となる3本のホームランを放った。
ジョニーとの約束を見事に果たし、そして病気に立ち向かう勇気を与えたのだ。
その後、ジョニーは、病気から奇跡的に回復。
ベーブ・ルースとジョニーとのエピソードは、
「約束のホームラン」としていまもなお語り継がれている。