世界中のフットボールファンが最も注目するヨーロッパ最高峰の戦い、『チャンピオンズリーグ』。
前身となる『ヨーロッパチャンピオンズカップ』創設から数えて60年の歴史の中で3つの異なるクラブでチャンピオンズリーグの王者となった唯一無二の選手がいた。
オランダの天才的ミッド・フィールダー、クラレンス・セードルフ。
1976年、南米のスリナム共和国に生まれたセードルフは、3歳の時にオランダに渡り、名門・アヤックスで英才教育を受けた。
瞬く間に頭角を現し、クラブ史上最年少記録の16歳と211日でプロデビュー。
アヤックス黄金世代の中心選手として活躍し、19歳の時、1994から95年のシーズンのチャンピオンズリーグでACミランを破り、初めて頂点に立った。
長短自在のパスと懐の深いドリブル、どんな戦術にも順応するそのプレースタイルから、「セードルフは別格」と、国内外から高く評価された。
1996年にスペインの強豪・レアル・マドリードに移籍。
レアルで3シーズン目となる98年には、自身2度目となるチャンピオンズリーグ制覇。
2002年にACミランに移籍すると、最初のシーズンでチャンピオンズリーグ決勝に進出、
決勝の相手はユベントス。
セードルフは、豊富な運動量で中盤を支え、相手の攻めを機能させなかった。
試合は、ACミランがスコアレスドロー後のPK戦を制し、勝利。
アヤックス、レアル・マドリード、そしてACミラン、3つの異なるクラブでのチャンピオンズリーグ制覇。
「信じられないぐらい幸せだ」。
”優勝請負人”クラレンス・セードルフは、感激の涙を流した。