Athelete News
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21.04.03
東京オリンピックで後輩たちに期待すること
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今週の「Athlete News」は、元フェアリージャパンで2008年の北京オリンピックに出場された、坪井保菜美さんをゲストにお迎えしました。

坪井保菜美(つぼい・ほなみ)さんは、1989年、岐阜県生まれ。
5歳から新体操をはじめ、早稲田大学時代に、新体操団体の日本代表=フェアリージャパンで、2008年・北京オリンピックに出場されました。
翌年の世界新体操選手権大会では、種目別で4位入賞。
この年現役を引退され、現在は、新体操の指導者、ヨガのインストラクター、絵を描くアーティスト、タレントとしても活動中です。



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──フェアリージャパンは、東京オリンピックの金メダル候補にもあげられています。この躍進の理由というのは、何なのでしょうか?

私が入った初期のフェアリージャパンの時に比べて、今のフェアリージャパンの練習の環境はとても整っているので、世界に引けを取らない実力の子たちが揃っていますね。あと、練習拠点が私たちは日本だったんですけれども、今は「強い」と言われているロシアを拠点にして練習しているので、レベルもすごく上がっています。

──新体操といえば美を競う競技でもあるということで、メイクも重要な要素なんですか?

そうですね。遠くから観ているお客さんたちにもしっかり表情がわかるように、ということと、あとは“彫り(の深さ)”を出したりとか。日本のメンバーの子たちの顔を見て、色々と(メイクを)指導してもらっていました。

──専属のメイクコーチの方がいらっしゃるんですか?

そうですね。基礎からしっかりと学んで自分たちでもできるように、専属の方が付いてくれています。

──坪井さんはどんなところにポイントを置いてメイクをされていたんですか?

5人で1つの演技をするのを「団体」と言うんですけれど、5人の顔がそれぞれ違うので、五つ子のように見えるように、例えば「目をもうちょっと遠くから観ても大きく見えるようにアイラインを太くした方がいい」とかそれぞれ指示をされるんです。
私の場合は元から(目鼻立ちが)ハッキリしていたので、眉毛の形とかはすごく指導されましたね。

──みんな似たような顔に寄せていくということですか。みんな一緒に見えるから、これは応援する方は大変ですね(笑)。

家族は自分がやっているポジションをずっと見てくれているので、多分(自分の動きを)追ってはいけるんですけど、一般の方は、矢印でもしておかないとわからなくなっちゃうと思います(笑)。

──てっきりメイクで個性を引き出すのかと思いきや、逆に、みなさん似たように揃えるというのが意外でした。

そうなんですよね。近くで見るとけっこう激しいんですけど(笑)。

──そういうメイクも、トレンドが変わっていったりするんですか?

構成とか衣装とかに合わせて、チークだったりアイメイクの色を変えていくので、毎回全然違うと思います。

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──坪井さんが現役でいらっしゃった時と今では、ルールは違いますか?

新体操は本当に頻繁にルールが変わるので、一度離れてしまうと全くわからなくなってしまうぐらいなんですけど、だいたいオリンピック周期で大きくルールが変わって、細かいルールとかは、多分年に1回ぐらいは変わっていると思います。

──そうすると当然方針も変わっていくし、採点競技の常なのかもしれないですけれども、そういうことにやっぱり左右されてしまいますよね。

なので、やっている本人も、ちゃんとわかっていないままやっていることは多いです(笑)。コーチの方が大変なんじゃないかなと思いますね。

──東京オリンピックでのライバルとなる国はどこですか?

やっぱり強豪はロシアでしょうか。ただ、どの国も(差が)本当にミスがあるかないかぐらいのレベルなので、ロシアはずっと強い国ではありますけど、1番のライバルは自分たちなんじゃないかなと思います。

──自分たちに勝つことができれば、自ずと結果がついてくると。

はい。絶対に。

──ロシアのすごさというのは、どういう部分なんですか?

ロシアは昔から本当に環境が整っていて、幼少期から学校に通わず、そういった(新体操の)スクールとかで朝から晩まで練習している子が多いですし、新体操はすごくメジャーなスポーツで競技人口も多いので、本当に才能のある子を選べるという利点もあります。だからどうしても敵わない部分はあったりしますけど、その環境で今(フェアリージャパンは)練習できているので、頑張ってほしいです。

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──逆に、日本の今の選手たちの強みというのは?

日本チームはすごく器用でスピーディな動きが得意なので、そういった“(動きを)揃える部分”ですね。ロシアの選手は1つの難度が高いものを全員ができたりする一方、日本人はたくさん細かく合わせていって点を稼ぐという特徴があるので、スピードや揃っている部分というのが強みになってきますね。

──俊敏性とチームワーク。ラグビーの日本代表にも通ずるところなんですよね(笑)。後輩たちに期待することを教えてください。

本当にスタイルも良くなってきていますし、大技も成功すれば魅力的ですし、スケールも大きくなってきているので、本人たちが1番楽しんでやってくれることが結果にも繋がってくると思うので、彼女たちの踊る表情とかにも注目してほしいなと思います。

──さて番組では、ゲストの方にcheer up songを伺っています。坪井さんの心の支えになっている曲を教えてください。

Halsey(ホールジー)の「Without me」です。
私は普段絵を描くことが多いんですが、絵を描く時って、すごく重たい曲とか暗い音楽を聴いている方が集中できたり、自分的に満足がいく作品が出来上がったりするので、不思議なんですけど…。この曲はなんとなくテンポがすごく心地良くて、よく聴いています。

──いつ頃から絵を描かれているんですか?

小さい頃から物を作ることは好きだったんですけど、ここまで絵を描くようになったのは引退してからになります。
新体操は、“色々な音楽に合わせて自分を表現する”という意味ですごく踊ることが好きだったんですけれども、引退した後、また別の表現方法の1つだなと思えたのがこの「絵」なんです。今後も、多分、おばあちゃんになっても、死ぬまでずっと続けることになるんじゃないかなと思っています。

──坪井さんの絵は、色彩も、見ていてすごくハッピーな気持ちになります。あれはその時の感覚で色を乗せていくんですか?

そうですね。本当にその時の気分で、イメージで描いているだけなんですけど、その絵を見て、たくさんのお友達が「私の頭の中がどうなっているのか見てみたい」と言ってくれたことで、“そうか、自分を今度は絵で表現して、その作品を色々な人たちに見てもらって、なおかつその人たちがちょっとハッピーになってくれたら嬉しいな”と思えたんです。新体操は、自分が踊ることで、家族やコーチ、仲間たちが喜んでくれることが1番で、そのために頑張れていたので、(絵を描くことは新体操と)ちょっと共通するところがあるのかなと思っています。


来週も引き続き坪井保菜美さんをゲストにお迎えし、『高見侑里 開脚180度への道スペシャル』をお送りいたします!
どうぞお楽しみに!

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