Athelete News
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20.06.27
自分を信じることが武器
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今週の「Athlete News」は、フェンシングの西岡詩穂選手をゲストにお迎えしました。

西岡詩穂選手は、小学6年の時にフェンシングと出会います。
中学で全国優勝を果たし、日本女子体育大学3年生でナショナルチーム入り。
念願のオリンピックには、2012年のロンドン、2016年リオと2大会連続で出場されました。
来年の東京オリンピックへの出場が期待されています!

新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、今回はお電話をつないでお話を伺っていきました。



──フェンシングを始めたきっかけは何ですか?

私は和歌山県出身なんですけど、和歌山北高校という高校にフェンシング部があって、その顧問の先生と私の父が、もともと知り合いだったんです。父がどうしても私にスポーツをさせたかったらしく、(和歌山北高校の)フェンシング部に無理やり連れて行かれました(笑)。

──その時に初めてフェンシングに触れたわけですか?

そうですね。その時に初めて「フェンシング」という言葉を知りました(笑)。

──言葉自体を知らなかったわけですね(笑)。初めて見たフェンシング。ぶっちゃけ、どう思われました?

ぶっちゃけ、“ちょっと変な動きしてるな”って(笑)。

──その頃だと、なかなかフェンシングに触れる機会ってないかもしれないですもんね。

今では少し増えましたけど、その頃はジュニアクラブとかもほとんどなかったんです。
小学校6年生でフェンシングを始めた頃から、練習のために高校に行かせてもらってたんですけど、一応「ジュニアクラブ」という名前を付けてもらって。(ジュニアクラブのメンバーは)1人なんですけど(笑)。

──“無理やりやらされた”というフェンシングなんですけど、真剣に取り組むようになったきっかけはあったんですか?

真剣にやりはじめたのが中学校2年生ぐらいからで、それまではあまり練習に対しても乗り気ではなくて。
中学校の試合が夏と冬に2度あるんですけど、それに、とりあえずは出るんですよ。出て、負けて、一丁前に泣くんです(笑)。練習を全然してないくせに、悔しいんですよ。先生にも「何しに来たんや」みたいな感じで言われたんですけど、ビービー泣いてたので、「本気で勝ちたかったら、毎日練習においで」って言われて。

──でもそれで、中学校3年生の時に全国大会で優勝。

中学校2年生の冬ぐらいから真剣に練習を始めて、中学校3年生の夏に全国大会で優勝しました。

──でも、「毎日練習に来い」って当たり前の話ですよね(笑)。これ、真面目にやってる人たちから怒られますよ(笑)。

そうなんですよ、怒られます(笑)。それぐらい、初めはフェンシングをやりたくなかったんです(笑)。

──高校生に混じって練習ということは、よりレベルの高い人たちと練習ができたのもプラスになったんですよね。

そうですね。レベルは高かったです。初めは誰にも勝てませんでした。

──西岡選手は身長が171センチと高いですが、それはフェンシングに有利だったりするんですか?

日本だと、私の身長は高い方に入るので有利なんですけど、海外だと平均身長になってしまうので、あまり関係なくなってしまいますね。
腕のリーチが長いことは身長が低い選手よりは有利だと思うんですが、私がやっている「フルーレ」という種目では、相手との駆け引きや騙し合いが多くて、その中で距離やタイミングを変えていくので、一概に“絶対に身長が必要”というわけではないです。

──2回オリンピックに出場されましたけれど、最初のオリンピックとなったロンドン、2度目のリオ、それぞれどんな舞台でしたか?

ロンドン(オリンピック)ではチームの中で最年少だったので、まず、先輩たちについて行くのに必死でした。団体戦もあったので、“なるべく足手まといにならないように”ということに精一杯で、良くも悪くもあまり緊張感を感じる余裕がなかったというのが、ロンドンの思い出です。

ロンドンが終わったら、先輩たちが全員引退しまして。残ったのが私と下の後輩たちだけになったので、(最年少から)一気に私が最年長になったんですよ。
リオ(オリンピック)は個人戦しか出場する枠がなかったので、ロンドンが終わった直後から“個人で出る”ということを決めていました。リオまでの4年間は本当に辛くて、練習もトレーニングも普段の生活も、ほぼ1人でいました。それぐらい、チームと関わらないようにしていました。

──何があったんですか?

私はすごく人に情が移りやすいタイプなんです。(個人戦では)チーム内でライバルになってしまうので、そこに甘い考えとか情が出てきてしまうと、私はすごく弱いので…。それを出さないために、なるべくチームのメンバーと一緒に居ないようにしたり、冷たい人間を演じていました(笑)。

──でも、“いざ対決する”という時にいろんな思いを吹っ切って戦うためには、必要なことかもしれませんね。

やっぱり後輩が大好きですし、良い子ばかりなので、(だからこそ)“その子たちを蹴落としていく”っていう覚悟を持ってやらないと。私にはすごく辛いことだったけれど、それは徹底してやりました。
でもそのおかげで、メンタルがすごく強くなりました。リオの初戦で当たった韓国の選手がアジアのトップの選手だったんですけど、それまでは1度も勝ったことがない相手だったんですね。でも試合当日に、向かい合って相手の目を見た瞬間、“私、この人よりメンタルが落ち着いてるな”って感じることができて。“この人はすごく緊張してるけど、私は大丈夫だ”ということが、なぜかわかっちゃったんですよ(笑)。

──4年間の成長ですよね。

はい。ある程度戦術とかも決めて、コーチとも話し合って試合に臨んだんですけど、(試合中の)1分間の休憩の時に“この戦術じゃダメだ”と思って。今までこういうことは絶対にしてこなかったんですけど、「真逆の戦術で私はいきます」と言って、コーチも「いいよ」と言ってくださったので、1発ビンタをもらって勝ちに行きました(笑)。

──え!? これ、オンエアして大丈夫ですか? (笑)

大丈夫です(笑)。

──その場で今まで取り組んでいたことを捨ててスタイルを変えるって、勇気がいることですよね。

すごく勇気がいったんですけど、その時の私には、全く迷いはなくて。それぐらい、メンタルも強くなったんだなと実感しました。

──そして、東京オリンピックが1年延期になってしまいました。1年後の東京オリンピックに向けての決意を聞かせてください。

6月から新しい所属先に入りまして、東京オリンピックに向けてもう少しフェンシングの普及活動を増やしていけたらなというのが、今の目標です。もちろん、「オリンピックに向けて頑張る」ことが第一なんですけど、それを含めて、1年延期された時間をいかに有効に使えるかが選手に求められてくるところだと思うので、“私にできることは何か”というのを日々考えながら過ごしています。

──この番組では、毎回ゲストの方にcheer Up Songを伺っています。西岡選手の心の支えになっている曲を教えてください。

私の心の支えになっている曲は、絢香さんの「I believe」です。
テレビで絢香さんが歌っているのを観て知ったんですけど、歌詞が全部刺さってしまって。
リオの前にこの曲を知ったんですけど、当時は本当に辛かったので、この曲を聴いて救われました。“I believe myself”という歌詞があるんですが、「信じている」という言葉はアスリートにとってすごく大切な言葉で、“自分を信じることが1番の武器になるんじゃないか”と日々思っているので、何か迷った時には必ずこの歌を聴いています。


今週のゲスト、西岡詩穂選手のサイン色紙を1名様にプレゼントします!
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