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19.09.14
マラソングランドチャンピオンシップの見どころ
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今週の「Athlete News」は、マラソン解説でお馴染み、増田明美さんをゲストにお迎えしました。

増田明美さんには、いよいよ明日行われます、東京オリンピックマラソン代表選考レース
グランドチャンピオンシップ(MGC)の見どころについて伺いました。


──グランドチャンピオンシップ。出場選手は、男子31人、女子12人。
男女それぞれ上位2人が東京オリンピックの切符を手にします。


男子は、日本記録を破って1億円をゲットした大迫傑さん、設楽悠太さん。この二人は自信を持って臨むでしょうね。二人の駆け引きなんかも楽しみですね。
大迫傑さんは今アメリカの方で練習しているんですけど、中学生の頃から自立していて、町田市の生まれなんですけども町田の市営グランドで一人でストップウォッチを持って追い込む練習をしていたらしいですね。
その頃から人の力を借りずに自分で積極的に自立したランナーだったと言えます。
だから海を越えて、アメリカで瀬古利彦さんのライバルだったサラザール選手の弟子のような方がコーチとして教えてもらっています。

服部勇馬さんも勝負強いですね。福岡国際で優勝しましたよね。
服部勇馬さんは坂で勝負っていうよりも大迫さん、設楽さんを意識して前半で勝負しようと思ってるかもしれないですね。もう駆け引きです。

勝負強いという意味では、井上大仁さん。去年のジャカルタアジア大会で金メダルをとってます。ほとんどの男子の専門家は井上大仁さんも有力視してます。
やっぱりジャカルタアジア大会も暑かったんですね。その中ですごい良いペース配分で勝負どころもぴったり決まってて、金メダルをとったという安定感。
それから走りがいいんですね。頭が全然揺れない、ブレない走りですのでロスが少ない。そして緻密ですよね。
折り紙を折るのが大好きで、ジャカルタアジア大会で金メダルを取る前の移動の飛行機の中でも折り紙を折っていたそうです。そんな井上さんが優勝するんじゃないかっていう声は多いです。

コースから行くと勝負どころとなりそうなのが36キロからのだらだら登る水道橋あたりからの上り坂ですね。
この顔ぶれからすると設楽悠太さんがいますので、36キロよりも前でレースをかき乱すような、そんな気がします。
実際、本人も瀬古利彦さんにそのこと言ったらしいんですよ。だから遅いペースにはなりそうにないですね。設楽さんがペースを序盤からあげて大きな集団を早くに振り払うんじゃないですかね。
このぐらいペースをあげたら何人ぐらい残るかなっていう感じで、ちょっとサバイバルレース的に今何人集団がいる、じゃあもう一回ペースを上げてみよう。というようなレース展開になりそうだと思います。

設楽さんがどういうスパートをしても必ずくっつくのが大迫傑さん。大迫傑さんは一番が好きな人なので、スパートされてつかないことはないと思うんですね。
井上大仁さんあたりはスピードが違いますので、あまりにもスパートが早かったら第二集団で自分のリズムで行こうとすると思います。
第一集団について行った人がキツくなって遅れてきたら自分が追いかけて抜いて行こうっていう作戦にでるかもしれないですね。主導権は設楽さんにあると思います。

ちなみに設楽悠太さんは、東京マラソンで日本記録を作る二日前にお話を聞いた時には彼女がいなかったです。
どんなタイプの女性が好きなの?って聞いたらお料理が上手で綺麗好きな人が好きだって言ってました。

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──続いて、女子の見どころについて伺います!

女子の注目選手は鈴木亜由子さんと松田瑞生さんです。
二人のタイプが違うのが面白いです。
鈴木亜由子は名古屋大学卒業の秀才ランナーなんですね。大事にしている言葉も「失意泰然 得意淡然」良くないときはどーんと落ち込まず、また良いときも得意にならずにという、その通りの選手です。
本当に冷静で遠い目標に向かって着実に一本のレールの上を走っているような、そんな選手なんです。

一方の松田瑞生さん。難波の女性で、おてんばな感じすごく元気です!
大事にしている言葉は「やる気、根気、元気、瑞生」。この言葉はお母さんからもらった言葉で、高校時代にお母さんが瑞生さんのハチマキに書いてくれた言葉なんです。

タイプが違って面白い二人なんですけど、共通点もあって。
トラックの1万メートルでは鈴木亜由子さんがしばらくの間、日本選手権で1万メートルの女王だったんですね。
でも、それを破ったのが松田瑞生さん。1万メートルを2連覇しています。スピードがある二人がマラソンにチャレンジして、MGCの資格を持って走ります。
二人ともスピードがあるから、後半の36キロからの水道橋から上り坂を勝負どころと考えてると思うんですね。
鈴木亜由子さんと松田瑞生さんは坂で勝負をしたい。また、ライバルとなる選手たちは坂の前で勝負をしたい。
この二つに分かれると思いますね。坂の前で勝負をしたいと考えているのが、ワコールの選手たち。
日本のエース・福士加代子さんを中心にして一山麻緒さん、それから安藤友香さん。この3人が大事な練習を競い合いながら行って、3人とも良い仕上がりなんですね。

福士加代子さんには人間力があるからそういうのができるんですね。普通女子って同じ目標の大会に行くと相手を気にしすぎてしまうから練習なんかも別々にやりたいんですけども、
福士加代子さんがいるから競い合いながら高め合って、ご飯のときなんかも福士加代子さんが安藤さんや一山さんを笑わせているらしいんですよ。
だから、ワコールは3人の中で誰かが切符取るんじゃないですかね。

それともう一つの天満屋チーム。
ここからは前田穂南さん、小原怜さんの2人がMGCを走るんですけども、監督の武冨豊さんは天満屋チームを4大会連続でオリンピックに送り込んでるような、名伯楽なんです。
常に世界を意識していて、前田穂南さんと小原怜さんにも早い仕掛けをしなさいと言っているんですね。もしかしたら25キロの東京タワーが見えるあたりで最初に仕掛けるのは前田穂南さんかなと思っています。
大阪国際女子マラソンで日本人トップになったときにも25キロで出てるんですね。なので、天満屋チームとワコールチームが前半からスローなペースにはしないような気がします。

見どころとしたら、坂で仕掛けたい選手は鈴木亜由子さんと松田瑞生さん。坂の前で決めておきたいチームがワコールと天満屋だと思います。

──いつもは、トップ選手が分散して大会に出ていたところ、
トップ選手が一堂に会して戦う、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)!
一発勝負で、本当の一番が決まる、正に頂上決戦! 楽しみですね。








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