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19.09.07
2019プロ野球ドラフト候補の選手たち
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今週の「Athlete News」は、スポーツライター 小関順二さんをゲストにお迎えしました。

小関順二さんは1952年、神奈川県生まれ。
野球メディアに「ドラフト」というカテゴリーを確立、
さらにストップウォッチを用いて、
100分の1秒を争う陸上競技などタイムレースの面白さを野球に導入しました。
CS放送チャンネル スカイAで中継される
「プロ野球 ドラフト会議中継」では20年に渡って解説を担当されています。
高校野球、大学野球、プロ野球と日本の野球を知り尽くし、
Number Webをはじめ、スポーツ紙のコラム、小関さんが書かれた本は
野球ファンから絶大な支持を受けています。


──ドラフトといえば小関さん。去年も来ていただきました。
去年のドラフトを受けた結果を振り返って頂きたいんですけれども…。100回の記念大会、甲子園を沸かせたスターたちがそれぞれ球団に進みましたけれど、まだ一軍で結果を出せていないかなという気もします。


高校生の野手で1年目から活躍するのはほとんど無理ですよね。清原ぐらいしかいないんじゃないじゃないでしょうか。

──それは、体格差も関係してきますか?

バッターほど技術が必要なんですよね。ピッチャーは勢いで行けちゃう部分もあるんですけど、バッターは打つことに関しましても守備でも走塁でもやることがいっぱいあって、無名校からプロに進む選手で野手って少ないんですよ。ピッチャーはやたら多いんです。
そのくらい、野手は高校時代あるいは中学時代からしっかりした積み重ねがないとプロでは活躍できないんですよね。

──そう考えると、清原さんは別格でしたね。

別格でした。1年目から31本ホームランを打つなんて考えられない事ですよね。

──逆に、タイガースの近本選手とかはオールスターでサイクルヒットを打ったりと活躍してますよね。

あんなに活躍するとは正直思わなかったですね。1年目はホームラン出ないと思ってましたから。
大学時代が関西の方なので、凄さが伝わってこなかったっていうのもあると思います。

──そして、大学生だった上茶谷投手、そして甲斐野投手なんかは即戦力ということで一軍でも成績を残してますよね。

そうですね。今の高校生も大学も社会人も、ウエイトトレーニングを在学中からしてますので、体作りで苦労しないっていうのが大きいと思います。
まずは体力作りっていうのは昔から言っていたんですけれど、高校生なんかでも早く出てきますよね。あれはやっぱりウエイトトレーニングの成果じゃないでしょうか。

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──そして、今年のドラフトはどんなドラフトなりそうですか?

去年は吉田以外は野手もばかりだったんですけど、その逆になってきましたね。
特に奥川と佐々木がちょっと飛び抜けてますね。存在感では松坂とかマー君とかいましたけども、1試合続けてスピードの平均が150kmというのは、奥川と佐々木しかいないと思います。

──今までにもいなかったということですか?

いないですね。大谷翔平は故障ばかりしていたので、最後の夏はそれに近いものがあったかも知れないです。

──社会人ではどうですか?

社会人もいますね。特に東京の方にJR東日本の太田龍という選手がいて、東芝の宮川という選手も、この辺はかなり人気になると思います。外れ一位の候補になっていくと思います。

──各球団、佐々木投手か奥川投手をとりあえず1位狙ってくるかなという感じですかね。

明治大学の森下という選手、この3人に入札が集中すると思います。

──森下投手は、日本選抜の大学代表で投げてましたけれども、甲子園で注目されてプロに行くのかなと言われていた中、明治大学に進んでさらにレベルアップした感じなんですかね?

下級生のときは正直言ってドラフト候補だった高校時代の評価を引きずってたんですけども、4年になってちょっと一皮むけた感じですね。非常に良くなりました。技術的な欠陥がないんですよ。
開いたり、肘が下がったりというのがないし、ステップも広い。球はコンスタントに140後半から150kmいきますので。

──それはやはり、指導者の力ということですかね?

僕はSNSじゃないかなとか思ってるんです。
良いピッチャーのフォームがSNSで紹介されたりしますよね。ダルビッシュなんか、盛んにこういう投げ方が良いとか、ウエイトトレーニングの仕方まで発信してますよね。
昔は指導者が教えていたんですけど、今はそれを自分でYouTubeで観れたりしますから、それも大きいと思います。

──理論がわかった上で投げていた方がやっぱり身に付きますよね。

スランプに陥ったときも理屈を知っていれば、ここを直せばいいということも自分でわかると思うんですよ。
それが以前とは圧倒的に違うと思います。

──高校生は身体をつくることや、正しいフォームを学ぶという基礎作りが大事ですからね。

正しいフォームというのは本当に難しいんですけども、大谷が出てくれたということが大きいと思います。
大谷は今、なりたい選手、好きな選手として憧れの存在ですよね。大谷の投げるフォームを真似するじゃないですか。大谷の投げ方ってすごく綺麗なんですよ。
シルエットが美しいですよね。それを真似すると、それだけで上手いピッチャーが出てくると思いますね。

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──野手の方はどうですか?

履正社の井上広大選手は肩がいいんです。1回戦で霞ヶ浦の鈴木投手という、これもドラフト一位候補なんですけど、この選手からもホームランを打って、奥川からもホームラン打っていて。
レベルが高い選手からホームランを打ってるというのがすごいです。

──右の大砲は、各球団欲しいところですよね。
サイクルヒットを達成した敦賀気比の杉田翔太郎選手はいかがでしょう?


大学にとりあえず行くんじゃないかなと思います。でも、4本ヒットを打つことがまず難しいですからね。

──今年はキャッチャー豊作だなんていう話も聞きますけれども…

奥川とバッテリーを組んでいる山瀬がU18のメンバーに入っているんですけど、大学日本代表とやったときに盗塁を刺したんですよ。僕のタイムでは1.87秒という、とんでもない速さだったんです。
実践で1.8秒台ってまず滅多にいないですから。テイクバックの取り方が速いんです。
智弁和歌山の東妻純平も速いですし、やっぱり毎年いい選手がいますね。

──智弁和歌山の監督は、プロでキャッチャーをしてた方ですよね。
キャッチャーIQとしてはかなり高いのではないかと思うのですが…


そうですね。キャッチャーをやっていた監督さんのところは、良いキャッチャーが出てくるんですよ。
だから、智弁和歌山はこれから毎年のように良いキャッチャーが出てくるんじゃないでしょうか。

──リードも考えると、指導することがたくさんありますもんね。

外ばかり投げているとピッチャーも死ぬし、相手も勢いづくし…。やはり、内角を時々構える勇気が必要になります。これがなかなかキャッチャーとしては難しいんですよね。

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──智弁和歌山の東妻選手、お兄さんがプロ野球選手ですよね。

今、ロッテで活躍してますよね。新人だけど150kmぐらいがバンバン出ます。兄貴もそんな大きくないんですけど、球がものすごく速いんです。
弟のそんなに大きくないんですけど、ボールがすごく速いので、ピッチャーやったら速いかもしれません。

──選抜優勝した東邦の石川昂弥選手。ピッチャーでもありましたけれども、野手でドラフトがかかるじゃないかと言われています。

1位や2位があるんじゃないでしょうか。履正社の井上もそうですけど、右の強打者というのがなかなかいないんですよ。
右投げ左打ちばっかり作っちゃったもんですから。

──左打ちの方が一塁に近いわけじゃないですか。そういうこともあって、右利きの人も左打ちを選択させられる場合が多いですよね。

松井もイチローも全部右投げ左打ちですからね。大谷もそうです。
やはり右投げ右打ちとか、そういう選手が求められていることは間違いないんですよね。




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